インドネシアのサッカー場事故、死者に子ども32人 警察署長を解任 …… 暴動を起こした人間も同等に処罰しなければ……
AFPBBの記事である。
インドネシアではこういうスポーツの試合での暴動が度々起きているようで、今回は沢山の死傷者が出てしまったが、試合の後には腹を立てて、町やスタジアム内で暴れる人がかなり居たようだ。だから、試合後の暴動が大きくなる中で、催涙ガスを使って鎮圧しようとしたのだろう。しかし、それが逃げようとした人を混乱に陥れ、さらに逃げようとした人を外に出すのを妨害したという話もあるようで……。
当然だが、非難が警察へと向く結果となった。
尚、FIFAでは暴動が起きても、スタジアム内で催涙ガスなどの使用は認めていない。これは、サッカーに限ったことでは無く、他のスポーツでもそうなのだが、スタジアムや競技場、イベント会場でこういうのを使うと、密室だったり沢山の人が集まっているが故に、パニックが起きるからだ。集団または群衆の心理が働くのだ。
今や日本も世の中おかしくなっているので、具体的にどうすればどうなるかまで書かないが、要は特別危険な状況ではなくても、誰かがある要件を満たして逃げ出せば、それを見た人も同じように逃げ出すという人の心理だ。逆にこれは、ある人が暴れ出すと、一緒に暴れる人も出るという心理も同じである。
子どもの被害が多いのが何故なのかというと、これも1つの理由がある。そもそも、小さな子どもを連れていると、子どもを守るために状況を確認することよりも、まず危険から遠ざかろうとするのが親の心理になるからだ。要は、現場から離れてから状況を確認すれば良いというわけだ。しかし、今回の場合は逃げ場である出口の扉などが閉まっていた場所もあるようで、一部の出入り口は絶たれていた。そこに先に集まったのが子連れの親で、周りも逃げようと動き出していたなら……。潰れる(呼吸切迫状態になる)のは子どもになる。
ちなみに、この手の群集心理による事故は、特に若い人が集まる場所で発生しやすい。若い人は我先にという心理が強く起きやすく、押し合い圧し合いというのが、比較的起きやすいからだ。逆に年齢が上がってくると、群衆に紛れる体力がなくなると同時に、押せば怪我などの危険があるため、避けるようになる。また、無理に急ぐといった短絡な行動が減り、状況を見る人が増える傾向があるのも特徴だ。
こういう事件は、時の運というのも関係してくる。
あの時、あの扉が開いていればとか、そういう運もあるわけだ。一方で、その因果とは別に人が行った行動が事件を大きくしているのも事実である。発端は暴動だが、それを制圧するのに使われた催涙ガスやその後の救助・救援または、インドネシアのサッカーの試合がどういう形なのかしらないが、会場アナウンスで落ち着かせるような説明があったのか?などは重要だろう。
一番重要なのは、警察云々よりも、会場アナウンスがどう機能したのか?日頃機能しているのか?の方であり、機能していないなら、何故機能しないのかを考える必要がある。暴動を起こしている人以外が、アナウンスで安心できるように出来れば、これほどの事故にはならなかっただろう。これはインドネシア国民が警察に問題を向けているからそうなっているわけだが、実際に心理として抑えるには試合を主催する団体がどのように、サポーターに対して発信しているか?もあるはずだ。