アップル、「iPhone 14 Plus」を減産か …… それでも他機種より好調というのは、業績に影響する恐れ!
CNETの記事である。
物価上昇に合わせて、値段も見直しているので、売れないから赤字になるほどではないだろうが、Proの方が他より売れているという状況であるならば、内情は想定より悪いのだろうと考えられる。ITやコンピュータ関連の事業は、昨年までの半導体不足から一転して、急激な在庫過多へと転じつつある。
だが、商品の価格は未だ下がる兆しがない。
これは、原材料と燃料のコストがこの半年ほど高かったことで、今生産に使っている原材料在庫の価格が恐ろしく高くなっているためだ。
一応、原油については、既にだいぶ下がっているが、結局、エネルギーの主体となっている石炭は高い状態が維持されており、液化天然ガスも欧州を中心に猛烈に上がったままである。それにロシア産が多かった一部の希ガスが高かった事で、値段が下がる見通しは立たないわけだ。
過去の在庫過多とはちょっと様相が違うのである。どちらかというと、世界的な戦時物価高が起きている状態だ。
一般に、これらが値下げに踏み切るのは、今ある高い部品(原料)在庫が捌けたときと、もう一つある。
それは、どこかの会社が破綻または事業から撤退して、それの不良在庫が安値で市場に出回り始めた時だ。
前者を待つなら、今の世界情勢であると年単位で掛かるだろうが、労働市場に取っては比較的ダメージが少なく留まることになる。
一方で後者なら、少なくない企業が倒産や廃業、撤退を決めるため、市場流動性が低下し、失業者が増えることになる。
現状では、未だそういう兆しがないので、生産調整はしても利益が出るし、下手すりゃ最高益が出て好調と見なされるわけだが、この状況は逆に言えば、まだ今は状況が悪化している途上にあることを意味しているとも言える。今のロシアとウクライナの問題などが突然解消するなら別として、それがなければこれからが、本当の意味でリセッション(景気後退)に沈む流れである。
ただ、物価が極端に上がっているので、Appleのように最終製品で且つ値上げできるブランドを販売するメーカーはその影響が及ぶのがだいぶ後になるという点も加味すると、もう間もなく見えてくるとは思うが、見え始めたら一気に連鎖的に変化が進むだろう。金融市場は繋がっているだけに、本当の意味で反転の兆候が出はじめると、逆回転は凄まじいはずだから。
あとは、そうなる前に引き締めなどを止める手立てを金融当局や政府が出来るかどうかだ。