USB4 Version 2.0の仕様が判明……3Lane-120Gbpsは信号伝送にPMA3も採用。比較仕様公開。

USB4の仕様が一昨日から徐々に出てきている。


先に分かっている仕様差を1~4V2まで公開する。
USB4V2.png

USB4は既にリビジョンではなくブランド名がUSB4になっていてバージョン制度である。
そして、Thunderboltが中に入ったことで、何が何やら分からない仕様に本格的に突入している。
V2(Version2.0)はさらに酷いことになったと言ってもよいだろう。

何が酷くなったのかというと、これまでUSB Type-Cのリバーシブルケーブルを双方向1対(送受信それぞれ2本が1対)で2Laneを使って対称転送していたが、今回はその1対のレーンという考えを廃し、送りまたは受信の信号線1本を1レーン扱いに分解している。そうすると、全部で4つのレーンがあることになる。そのうち3レーンを送信側(40Gbps×3)に、1レーンを受信側(40Gbps×1)に使う事で、最大120Gbpsの送信(ホストからの送り出し)をサポートする。これはDisplayPort2.1向けの出力と考えられ、残りの80GbpsがUSB4V2の実質通信用になると考えられる。

尚、この高速化には、PAM3(Pulse-Amplitude Modulation multi level transmission-3)が採用されているようで、これによって信号伝達量が大幅に増えているようだ。今後も速度が上がっていくならば、この延長線上の技術が使われると考えられる。まあ、今の段階でもこの速度を必要とする人は少ないだろうが……。

ちなみに今回の表はこれまでの表と同じものが使われているが、USBの端子形状に誤りがあったので、修正している。
これまでは、MicroUSBとかTypeAなどの表現を使っていたが、正規のUSB Standerd A、Standerd B、Micro Bなどの表現に改めた。Type表現を使うのは、USB端子ではC(USB C)のみのようだ。また、EnhancedとしていたSuper Speed Plus 20GモードもPlusに落としている。どうもこういった表現は使わない方向に向かいつつあるようだ。

そもそも、電源(エネルギー供給/Power Delivery)から通信、ディスプレイ(VESA DisplayPort、Thunderbolt)、PCIe トンネル(Thunderbolt)、周辺機器(USB)と何もかも混ぜ込み過ぎて、規格に携わった人も、本当に全ての仕組みを理解しているのかは疑問が残るところではある。Thunderboltはデイジーチェーンだし、USBはカスケードだし、USB PDも世代が置き変わり続けているし……。ケーブルもそれぞれに凄い種類に増えていて、2年毎ぐらいでケーブルの表記が変わっていくし。

これが便利で良いのか、それとも分かりにくくて悪いのか、もう分からない。

あと気になるのは、これほどの速度を外部接続で必要とする用途は一般の消費者サイドでは既に少なくなってきていることだろう。
利用シーンが減っていくということは、端子が減っていくことを意味しており、逆にスマホのように充電端子1本で周辺機器接続を兼ねる時代へと向かうことも十分にある。そうなると、USBが必要な人からすれば不便になっていく。そういうことが今後は低価格製品を中心に増えて行くのではないかという心配もある。端子の形状や信号規格が異なれば、必ず1ポートは残るのだが、端子が多い製品やレガシー端子搭載の機器が高くなっていくのではないかと言う不安がある。

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