電気料金未納で…テナント一斉退去、営業を断念 旭川のデパート……駅前、ねぇ?

朝日新聞デジタルの記事である。


商業ビル(デパート?になっているが実質ただの商業テナントビル)が営業を予定より早くに終えたという話だ。いわゆる未払いによる資金ショートという奴だ。物流面での物価が上がっていることもあって、想定した支払い残金が残らなかったとかそんなところだろう。ここと契約している他の企業も経営が悪化してきている可能性もある中で、電気が来なければ店は動かせない。だから、尻切れな感じで終了という形になったようだ。

果たして、こんな終わり方をした店で解体費用が出るのだろうか?負動産である。

ちなみに、この記事では駅前となっているのが気になった。多分、旭川を知らないと、駅の構内から出て目の前とか、左右の横とかせいぜい駅前1ブロックの裏手ぐらいで見えそうな場所やすぐ側だと思うだろうが、そもそも旭川駅前にある商業施設と言えば、今はイオンモール旭川駅前が駅を出て左手にあるだけで、後はホテルとか商業ビルなどになるはずだ。

実際に店があるのは駅前から伸びる歩行者通り(買い物通り)に面した商業ビルである。正しく言えば駅前ではないし、駅前のブロックからも数ブロック離れているので、駅前には該当しないのである。まだ、エクスがあった場所(元々長崎屋だったかな?)辺りなら駅前ブロックになるだろう。


尚、旭川市は北海道の中央より少し北側に位置する都市で、北海道の中では人口が2番目で30万人以上の中核市である。尚、人口はこのクラスの市では現在よく見られる傾向を踏襲し、急激に減少しており、北海道の札幌に一極集中が進む問題は加速している。ここではなくともこの周辺の町にでも、道庁を遷道でもしない限りは増えないだろう。

そういう状況と、人口の都心からの流出(郊外への移動)、そしてイオンモールが駅前に出来ていることもあって、こういう駅から数百メートルとかの圏内で商業ビルを営業しても、儲からない状況になっているのは、旭川だけじゃないが、旭川のこの商業施設の場合は、施設がボロボロで既に改修が出来るような状況になく、一方で資金繰りも悪かったから建替も難しいことが影響していたのだろう。それにコロナやら、物価高やらが重なり、想定した廃業が数年早まり、それに増してロシアとウクライナの紛争から始まった物価高で最後が尻切れトンボになってしまった訳だ。本当に解体費用が出るかどうかが気になるところだ。

尚、こういう問題はこれから数年でさらに増えると予想される。
まず、今年の12月~来年春の3月までに、コロナのゼロ融資で息継ぎをしていた企業で、返済が困難な企業はかなり潰れるだろうし、そのあと多分だが、今いろいろGoToの延長線上のキャンペーンを政府が行っているが、これが切れた後に、海外からの観光客などが期待したほどになければ、来年度末までかなり潰れる恐れもある。

特に、バブル期以前の古い施設は老朽化に対する対策費用も出せない施設が増えているはずなので、再開発する費用がなければ、閉鎖後の取り壊しも大変かも知れない。結局、子どもの数が増えるような経済政策を今この時点でも政府や議会はするつもりがないというか、する方法を全く知らない人間の集まりになっているから、暫くは衰退していく社会を地方では見続けることになるだろう。



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