楽天モバイルの衛星通信は「おそらく2Mbps出る」「YouTubeも見られる」--三木谷氏 …… 絵に描いた餅にならねば良いけど。
CNETのUchuBizからの転載記事である。
衛星通信ビジネスの難しいところは、雨天だと繋がりが悪くなること。それから地上でも、1台の衛星で送受信の両方をカバーしようとすると、速度が落ちる訳だが、衛星だとそもそも地上のように沢山の衛星軌道基地局を置けるわけるわけではないため、利用者が多いと速度が低下する事にある。だから、衛星携帯電話サービスは、特別な独占契約回線を月額数百万円とかで契約するなら、ともかく……月額数千円のサービスで、Mbps級をスタートさせるのは難しいのである。もっと言えば、衛星通信サービスはダウンロードは高速化出来てもアップロードは桁外れに遅延が生じて遅くなることがある。
ちなみに、衛星携帯電話サービスは停電時にも使えるため、災害に強いように見えるが、先に書いたように雨雲が分厚い場合には繋がらないという欠点があることに注意が必要だ。雷雲と線状降水帯が重なるような場所で、必ず繋がるとは思わない方が良い。要は、雨などのある程度予想可能な災害は、衛星携帯で救助を要請しないと不味いような場所に居ちゃいけないと言うことだ。
尚、ダウンロードで2Mps(2048Kbps)が1万人接続で維持出来るなら、100万になると、最大速度は20.48Kbpsになる。
そして、ダウンロードが2Mbpsのサービスのアップロードは、少なくとも1/10、通常は1/30~1/100程度まで落ちるので、20.48Kbps~204.8Kbpsぐらいになるはずだ。これが100万人になると、0.204Kbps~2.048Kbpsになる。Appleのサービスが緊急メールやショートメッセージ、GPSの共有という機能しかサポートしないのは、サービスがアップロード主体だからと言える。
まあ、BS/CSアンテナを使ったサービスだったが、ダウンロードならMegaWaveやSky PerfecPC!でも、2000年代前半に最大で1~5Mbpsクラスまでならサービス展開できていた。(これらのサービスは受信専用<ダウンロード>でアップロードはISDNなどのダイヤルアップを使っていた)だから、今の時代できないことでは無い。問題はアップロードには相応の出力が受信機側であるスマホや商用Wi-Fiルータになければ、速度が出ないことにある。それが一番のネックである。