あなたの“運転技術”のスコアは? 安全意識の向上へ新技術を体験 …… カーナビのエコドライブ採点と基本は同じで、皆が意識を上げるとは限らない。
FNNの記事である。
これを見て思ったのは、新しさは無いなという一言である。
PanasonicのポータブルカーナビゲーションGollira(ゴリラ)には、エコドライブ機能がある。これは今のモデルでも搭載されている機能だ。
当初は、これを有効にして使って、とにかく細かく煩いので止めたのだが、最近はまた有効にしていたりする。
理由は、ちょっとは燃費に効果があるかなと思ってである。ただ、保証している速度域が私が使っている古いGolliraだとどうも道路の速度規制に合っていないように見える部分もあるので、そこが欠点かなとは思うが、発進と停車の採点の厳しさは格別である。
信号停車にしても、別に急ブレーキではないつもりの運転で、急ブレーキ扱いになることがしばしばあるからだ。
GPS方式で、OBDIIを使えないからずれの影響もあるのだろう。発進も急加速がかなり厳しく採点される。これどちらも、それをやった瞬間に、音声で注意されるから、その気で使っていなければかなりウザいのである。
ただ、慣れてくるとこれじゃだめだと分かるので、予め信号や交差点などで早めに速度を落とすなど予測することが増えてくる。そういう点では安全運転にも繋がるだろう。
尚、この機能はインダッシュ型のストラーダにはない機能である。
なんか、これに似ているな思ったのだ。
ちなみに、この手の採点型のアプリや機能は、安全意識向上を持続させる効果が決して高い訳では無いし、自分が安全運転をしていると思い込んでいる人が、これを導入することはまずないし、入れて評価が悪くなっても、アプリが悪いと思う人や理由を付けてしまう人も多いだろう。
これら採点型のアプリを評価を、肯定的に受け取れるかどうかは、飽きや都合、自信によって変わるからだ。
また、全国でのランキング型の場合は、下位になってくるとやる気が下がるという問題もある。
さらに、例えば、いつもは採点してゆったり安全に運転している人でも、何かで急いでいるときに、採点を気にしたりはしない。採点することよりも、急いでいる事柄の方が大事になるからだ。それが、結果的に安全運転を今日はしなかったけど、仕方ないことという免罪符になるのだ。
また、ある程度採点の傾向が分かると、それをやることに注視するようになるという点もある。速度が速すぎる。急停車している……そういうことばかりに目が向けば、確かに義務のように速度を落としたり、早めに行動することはあるだろうが、じゃあその分周りに気を配っているかというとそうとも限らない。
これを使う人は常日頃からある程度それを意識しているから入れるのだろうが、実際はそういう人よりも、日頃意識しないで自分は安全運転していると思い込んでいる人を如何に、初心の安全意識に戻すかの方である。
<安全運転の評価で大事なのは……いつもと違う運転と危険運転者を見つけること>
安全運転で最も怖いのは油断(自分の中での言い訳)と運転不適格者との遭遇である。
もちろん、いつも走る道で、初回から数回に関しては、こういう運転の仕方が危ないですよというのは、大事かも知れないが、実は最も怖いのは、同じ指摘が繰り返される中で、それでもヒヤリハットが起きていないという結果からもたらされる評価への不信と、それによってもたらされる油断である。
これは、あそこは危険だから注意してと、注意していても、危険だからぶつかるよと何度も何度も何度も何度も言われ続けていれば、ぶつかってないから良いじゃないとそのうち言うようになるということだ。そうなったら、その注意は評価に値しなくなり、信用しなくなるのだ。また言っているよとなる訳だ。
それが、別の初めて通る道で有用な注意でも、多分大丈夫となり始める。それが実は一番怖いのだ。
そこで大事なのは、こまめに評価することよりも、日頃の運転の平均傾向をシステムが掴んだ上で、日頃と同じ道で違う運転をしている時に、警告を出すことが大事になる。具体的に言えば、いつもより遅く出発して、遅れているからスピードが出ているとか、事故等で渋滞して、それを抜けた途端に速度が上がってしまうとか……そういうのがあるなら、最後に採点するのではなく、その時点でいつもと違うのでと警告することが安全運転意識の中では大事になり、時々、もっとこうしたらどうですかと評価情報を促すと、人はそれを達成しようとやる気になっていく。
こういう仕組みが、カーナビなどに搭載されるともう少し安全運転を心がける人は増えて行くかも知れない。
逆に言えば、採点するとか全国平均を出すとか、多分多くの運転者は例え安全意識が高くても、導入したいと思う人は少ないだろう。よほど企業でスポンサーの意向とか、中小企業でイメージアップ戦略でもあれば別だが……。個人でも、カーナビのエコドライブ機能すら利用しない人が多いはずだから、その水準にしかならないのである。
だから、新技術というならば、ただ決まった形で点数を付けるだけではなく、本当に日々とは違って焦っているときなどに、それを見抜く能力が追加されていくことが大事だ。そして、それをリアルタイムで指摘できれば、これがあると安全意識を維持出来るかもと思う人は増えるだろう。後は、本当に無謀な運転を日々行っている人を、予めある程度の安全運転者の評価をした上で、はっきり示せるようにすることだろう。