AMDの次はIntelだが、こっちはさらに爆熱に向かう……MS Plutonには対応する予定。

PC Watchの記事である。


今のIntelはあまり内部の詳しい構造を教えてくれないので、ブロックダイヤグラムがAMDほど詳細には出て来ない。
そのため、AMDのように仕様表が作れないのである。逆にAMDは、GPUもそうだが、CPUも未だに結構細かく公開するのが凄い。

ちなみに、今回のRaptor LakeはMicrosoft Pluton Security Platformに対応可能となる予定である。
但し、対応させるかどうかはマザーボードメーカーやパソコンを販売する企業次第なので、12世代向けの旧マザーでは対応しないだろうし、13世代向けのマザーでも対応するとは限らない。確実に全製品で対応可能となるとしたら、Meteor Lake以降だろう。

どちらかというと、気になるのはRaptor Lakeの他のアンロック以外のラインナップが計画に入ってきたことである。
元々Raptor LakeはAlder Lakeと次世代のMeteor Lakeの間で遅れが生じたため中継ぎで生まれた品である。そのため、少量で留まるという噂もあったのだが……どうもモバイルなども計画していると発表されたようで、これはMeteor Lakeが2023年に出るとしてもかなり限定的になる可能性が高くなっていることを示している。

また、Sapphire Rapidsの計画が後ズレした理由に、このRaptor LakeとMeteor Lakeが多少なりとも関与している恐れもある。
どちらにしても、14→10nmの完全移行まで実質5年も遅れたIntelである。元々計画になかったRaptorを全面展開することは、良きかなと評価するべきことではなく、次への不安材料である。

<AMDも熱くなったが、もっと熱くなるIntel>

ちなみに、性能面ではZen4より若干Intelが上回る見通しだ。その代わり、代償としてIntelはMTPをさらに引き上げてくるので、AMDがZen4でIntelのAlder Lakeに近づく水準まで引き上げた値を、さらにぶっちぎることになる。尚、各種記事では、Intelの性能効率が高いように書かれているが、コアの数から見たコア辺りの性能は、AMDに歩がある。
シングルスレッドでもAMDはZen3もZen4もリードしているはずで、Intelが凄い訳じゃない。Intelはコア数が多いことで主にマルチスレッドとゲーミング面では穴を埋めている感じである。それもZen4ではゲームを除いてほぼ詰められているわけだ。

Raptor Lakeでは周波数アップとEfficiency Core数、キャッシュ容量の増加でAMDを再び有利だった部分では突き放すだろうが、シングルスレッドで優位に立てるかというとなかなか難しいだろう。

まあ、そもそも大半のPC利用者にはこれほどの性能を生かす用途がないのだが……。
クリエーターでもGPGPUやエンコーダーを利用するケースが増えているし、ゲームもCPUがハイエンドであるより、そこそこでGPUの方に投資するだろうし……。爆熱による競争の覇者より、バランスが大事である。


<計画通りに進めば次の次こそは変わるはず……>

尚、Intelの計画通りなら次のMeteor Lakeでクロックが抑えられ始め、その次のArrow Lakeで大きく省電力に舵を切る"はず"である。
また、AMDもZen5ではbig.LITTLEへと舵を切るとされている。ただ、予定通りに進まなくなった半導体のプロセスノードの現実を考えると、なかなか簡単にはいかないだろう。また、Intelの現状を見る限り、ヘテロジニアスが果たして本当にx86に最適なのかも、良く分からない。

熱密度を下げるという点では確かにEfficiency Coreは良い判断だが、それによって出来た熱枠の余裕を使ってクロックを上げて消費電力を爆上げさせていたら、結局意味がないからだ。市場がCPUの内側に求める機能や性能も変わっていく中で、IntelもこのところCPU機能を増やすことだけではなく、他に分離して分けることも視野に動き始めているように見える中で、2年~4年後にあるCPU開発名のプロジェクトは、今計画されている有力な技術と、実際に発表当日に見えたものが、同じとは限らない。

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