Ryzen 7000 seriesのベンチマークが解禁……Zen、Zen2、Zen3からのZen4までのコア仕様表。
Ryzen 7000世代のベンチマークや詳細な仕様が解禁され始めた。
ここ数年Intelはあまり詳しく仕様を公開しないものもあるが、AMDは余裕があるためか今も詳しく公開を続けているので、その情報を元に詳細なコアの仕様比較表を公開する。主にキャッシュとレジスタ、ポート周りの仕様である。
比較表で見ると、進化が大きかったZen2は流石に多くの仕様変更が掛かっている。
一方で、Zen3では命令実行ポート周りの強化が行われており、これがAVX-512対応への準備だったと考えられる。
それが終わったことで、Zen4ではフロント側のTLBやBTBのキャッシュ周りの改良と実行ユニットの最適化を行った上で、AVX-512に無理なく対応させたのだろう。
尚、消費電力は今回Intelの12世代Core iに匹敵するレベルで大きく上がったようだ。AVX-512の影響もあるのかどうかは分からないが、クロックが上がっていることとAVX-512の搭載が重なって厳しくなった可能性は否定できない。Intelは現在AVX-512を一般市場向けから外しており、Meteor Lakeで復活するかどうかもまだ分かっていないが(噂では今後512FはサーバーのみでEnableにするのではないかとも言われる)、Intelがそれを除いた時期にAMDのCPUで搭載してきたのは、面白い結果であると同時に、これで普及が始まるかどうか?が占われることになるだろう。
これで、AVX-512Fが普及しないなら、サーバーを除いてZen5か6までにAVX2に戻ると考えられる。実際にIntelは一部のAVX-3.x系命令をAVX-2.0に格下げしたバージョンもいくつか出しており、プロセスノードの改善による省電力効果が十分に出ないなら、IntelもAMDもベリーワイドだった512bit SIMDから一部を256bitに切り離しスケーラブルやハイパフォーマンスの事業を除いて撤退することだろう。
電力効率の悪い命令セットを使い続ける理由は既にないからだ。
IntelもMeteor Lakeで、ML/DL向けの命令をCPUだけではなくサブセット(Meteor Lakeに内包する専用チップ)でも最適化していく方針のようなので、CPUの中に純粋に拡張していく流れは、IntelもAMDも今世代(Zen4/Raptor Lake)か次の世代(Zen5/Meteor Lake)が最後だろう。これから先は、CPUは熱量を抑え小さくし、その代わりSoCの中核としてサブセットのアクセラレータを統合し連携していく形になっていくと思われる。
そう言う面で見ると、Zen4はある意味こうやって比較が容易に出来る終盤のプロセッサーアーキテクチャだろう。