「あえて飲まない」若者が増加? 酒類消費量、ピークから3割減 …… 若者に限らず飲む量は減少する時代。

朝日新聞デジタルの記事である。


飲酒するメリットというのは年々減ってきている。

例えば、仕事で乗り物を運転または操縦する人は、勤務前日の12時間前ぐらいから飲酒は禁止であり、それ以前に飲むとしても酒量に制限がある。守らなければ、アルコール呼気検査で引っかかり出勤停止になる恐れがあるからだ。これは安全措置として今では当たり前のことだが、15年ぐらい前までは無かった。私が平日にアルコールを飲まなくなった理由である。

それでも、アルコールに関する事件事故が減らないのも理由の一つだろう。
これが、この記事にあるアルコールに対する若者離れの原因なのかもしれない。事件や事故が起きるにつれ自分が摂生できない可能性を恐れるようになるし、恐れてしまえば飲むとか飲ませるといった関係は減る。


そして、3つ目は、お金の問題だ。
物価高などによって酒が飲めなくなるという流れだ。そもそも、お酒は嗜好品である。お茶や水の代わりに飲む人もいるにはいるが、医学的にはそれが否定されており、年々そういう発想の人は減っている。即ち飲んで生きるものではなく、飲まなくても良いなら飲まなくて良い飲み物で、嗜むものだ。だから、嗜好品となる。
嗜好品だから、金に余裕がないと飲めないし飲まなくなる。金が無くなると飲みたくても飲めなくなるのだ。これは、給料などが下がったりすれば飲めなくなるという理由だ。貧乏になれば飲めないのだ。


4つ目は、その嗜好品とお金、故に言えることだが、実はお酒の値段が上がっているのも影響している。
日本は安くて美味しいお酒がある国だったが、最近は税額が上がり、さらに飲酒量が減ることや人口減少で、酒の需要が減少し、流通コストも増し国内向けより海外で比較的お高く売る酒が増加している。その結果、国内価格も上がってきており、日本の酒より海外の酒の方が安くなる事態も起きていた。そして、ここに来て海外の酒の価格が上がり始め、日本が相対的に安くなった……そこを海外から買い付ける人が増えてきて……という流れで、日本人が買い負ける時代になった。

そうすると、飲みたくても飲めなくなり、飲めなくなれば飲まなくなる。


5つ目と6つ目もある。それは、テイスト飲料の増加と、酎ハイ需要の増加だ。
これは、アルコールゼロのビール系飲料から始まったアルコール風飲料というジャンルだ。それと同時に甘いフレーバーを使った炭酸の酎ハイが売れたことも関係している。アルコールが苦く、独特の風味がある飲料だったのだが、それを無くしたアルコール(ファンタのようなアルコール)飲料が出た事、そして、逆にアルコールの苦みを維持したままビールテイストでアルコールを抜いた飲料が出た事で、味や雰囲気としてアルコールを楽しめる時代になったことも理由だ。

7つ目は、そもそもアルコールを飲みたい人が、高アルコール飲料に流れたのも理由の1つだろう。
度数が高いアルコール飲料を飲めば、少量でも酔える。これまで何本も飲んでいた人がそれ一本で終えるようになれば、消費出荷量は減る。
これに、よってアルコールの量が減り、アルコールじゃ無ければダメという時代が終わりを告げたわけだ。


ちなみに、これで困っているのは酒税が取れない国税庁ぐらいだろう。変な販促のためのキャンペーンをするために、演出家かクリエーターのコンテスト(既に一次審査の応募は終了)も今やっている。

が、上記の理由を考えると、無駄に金かけるなよと思う。そういう金を掛けるなら、酒税が減った分、こういう遊びにかける事業コストを下げることが大事だ。そもそも論として、こんなイベントで日本が成長する訳では無いのだから。

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