AMD Ryzen Threadripper PRO 5000を市場投入 …… 半導体不足も影響したのだが、Intelが真後ろにいる中で……

PC Watchの記事である。


TSMCの生産量が大きく改善しているという状況にはないはずだが、これが今出てくるということは、今出さないとリーディングポジションを奪われる恐れがあるからだろう。

WSクラスの製品は、少々大電力でも売れるが……AMDがRyzen Threadripper 3000WX(Pro含む)を発表してから1年半~丸2年経過しており、Intelが今Alder Lakeを、Appleが、M1 Ultraのような製品群を出す中では、出る前から少しずつ評価が下がってきていた。

間もなく、IntelはSapphire Rapidsを投入する見込みで、これが出てくると電力面を考えなければRyzen TRP 5000WX系はかなり苦戦する可能性があるほど、Alder Lakeで競争力の高さが示されているからだ。それでも登場させられなかったのは、TSMCの生産が追いつかなかったからであり、生産増強も出来ず、さらにこれだけの大規模CPUになると歩留まりが悪いため、回したくなかったからだろう。

まあ、自社製造するfabを持たない代償が出ていると言える。IntelはAlderを出すまでFabを持つことによるリスクが示されていたが、今度は逆転出来るかなというところにIntelはいて、AMDは逆転されるかも知れない場所で耐えているのである。


<Zen3の性能は折り紙付き……だったになる前に>

尚、Zen3なので性能は折り紙付きである。ただ、あくまでRyzen ファミリーとしてはであり、現状のWS向けXeonやCore Xと比べればである。コア数も多いので、Alder Lake-Sと比べてもまだ圧倒的だろうが、Intel Sapphire RapidsのXeon W(Core Xの登場予定は今のところ無い)が出てくるとコア数が少なくても、性能は肉薄してくるか、上回ってくる可能性が高い。SapphireはEfficiency Coreがないため、AVX-512もフルセットで標準サポートを維持するからだ。AMXにも対応する。

そういう点では、今Threadripperで出荷しておかないと、売り時を逸してしまうという状況にある。だから、折り紙付き……だったになる前にという訳だ。

尚、AMDのZen4は今年の秋以降の予定である。Intelも予定通りならこの先もどんどんばんばんと新しいCPUが投入される見通しだが、どちらも上手く行くかは分からない。特に、一般向けのエンスージアストやパフォーマンス市場は、クロック周波数の高さをx86では重視している部分があるため、歩留まりが悪化率が高く、爆死することもありえる。

これからは、そういう部分も含めた繊細な勝負になっていくだろう。まあ、OSや使えるアプリケーションの種類などを考えないなら、この領域もAppleが急激に追い上げてきているのだが……。(流石にThreadripperの64コアはM1 Ultraでも超えていないはず。)

尚、Threadripperは3960Xでも20万近くするので、PRO 5000シリーズもそう簡単には買えないだろう。ちなみに、TDPは280Wである。

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