鬼怒川温泉の廃ホテル解体“困難” 日光市が不法侵入対策を検討へ …… 廃墟は全国にある中で、新しく立ち続ける矛盾。

共同通信社の47NEWS、下野新聞の記事である。


これは鬼怒川温泉の廃ホテルの話だが、廃ホテルは日本中あらゆる場所にある。そして、今回のコロナでも新たにいくつか生まれている。その中の一部は、これと同じように野ざらしになるだろう。

こういう廃施設、管理不良物件はホテルに限らず、古い商業ビル、住宅、古い工場、倉庫など全国に沢山転がっている。中には町中や今回の記事のように周りに他の施設が存在する場所に残っているケースもあり、希に不法侵入によるボヤや事件、事故が起きることある。そこにある物が盗まれるケースもそれなりにあるようだ。

人口が減っていくなかでは仕方のないことだが、このままだと日本がそれこそ池島(長崎県長崎市池島、池島炭鉱のあった場所以下MAP)のようになる未来もそう遠くない将来にあるかもしれない。


流石に端島(はしま-軍艦島のこと)のようにはならないと思うが……。

廃施設や廃屋は管理を十分にしていないと、劣化が早まるのは知られていることだが、何故早まるのかを知っている人は意外と少ない。
元々、日本は寒暖差と湿度差が大きい風土であるため、建物内や内壁、外壁などに湿度と温度による大量の結露が発生しやすく、機密性が高い建物だと、温度差による空気の膨張や収縮が生じるというのが1つある。さらに、島国である日本は、年に何度か吹く強風に塩分が含まれているケースも多く、それが躯体を腐らせやすく、台風や長雨、大雪などによって一定の期間を過ぎると乾燥または腐食が進み一気に劣化が進むようになる。

人が住んで居る住宅や稼働している工場などの場合は、外壁塗装や手入れをさほどしていなくても、少なくとも内側の手入れは最小限行われることが多い。さらに、出入りが一定程度あるため、室内の空気が動くことで、調圧され、結露などもある程度抑えられる。まあ、自分が住んでいる家や自分が働いている場所が、少しでも変だと思えば、業者に見て貰うようにもなるので、それも影響する。


では、何故今こういう空き家や空き物件が売れないのだろうか?

その一番の原因は、その物件の場所が不便であるというのが1つ。もう一つは長期で売れない物件は、買い取って利用するにも修繕日などを考えると、割に合わない場合が多いことが2つ。最後は、そもそも新規物件が全国でどんどん開発されているため、こういう物件を買って更地にしてまで作り直そうという人がいないことが挙げられる。

本来なら人口が減少し始めているため、新規の開発をある程度規制して、老朽化した施設のある場所を取り崩して再開発させる方が効果が大きいことも結構ある。たいていの古い施設は、道路事情などが悪いだけで、実は旧都心などにあることが多くうまくすれば、そこから活気が戻るからだ。しかし、そもそもそれには地権者や管理人など複雑に絡む利害関係者との交渉が必要であり、時間も場合によっては金も掛かる。

だったら、郊外の農地などを埋め立てて住宅や商業地にした方が早いし安いと言うわけだ。その結果として、長期間使われない空き物件、廃墟が急増しているわけだ。

本来なら、国会でこれを議論して、地域毎の空き家率などを元に、新規開発規制を法整備すれば変わってくる可能性は高い。


<鬼怒川の場合は何が問題なのか?>

では、鬼怒川の場合はどうなのだろうか?鬼怒川温泉の廃墟の場合は、廃墟機間が長いことと、施設が大きく、今のニーズに合っていないこと。そもそも、鬼怒川温泉の宿泊施設利用率が今でも減っていることが影響していると思われる。それに、地権者の絡みがあると、買い取ろうとした事業者が過去にいても、その交渉が一元化できなければ、塩漬け物件から、負債物件に変わる。

今では多分売ろうにも売れないだろう。コロナ後にもしかすると一元化出来れば売れるかも知れないが……。建物を取り壊さないと難しいだろう。日本では負債を抱えて営業を終えた企業物件などに多いことだが、日本では不動産債権を最終的に一元化するように求める法律はない。そのため、結果的にこういう形になってしまうケースも間々ある。

再開発や危険な空き家などを減らしたいと国が本当に思っているなら、不動産のような債権は建物ような構造物の場合は、残すなら必ず一つの組織や団体、個人に一本化させることを義務づけた方がよいだろう。土地など構造物がないなら、分与させても良いという風にしないと、結果的に危険な構造物が管理も不十分なままに残ることになる。それだけは避けなければいけない。

今はこれでも、まだ廃墟の数は序の口であると考えられる。これから、10年~20年で移民でも猛烈に増やして対処しない限り(これをやると日本人が少数になっていく恐れもあるほど強烈に入れないといけない)、危険な負動産(不動産)はもっっともっと増えていくだろう。

まあ、そういう廃墟な負動産(不動産)も最大で100年(鉄筋コンクリート造)ぐらい放置すると、崩れて自然に帰るだろうが……日本の人口が例えば、今の制度のままであれば6000万人ぐらいまで減る日が来るとして、その時に東京や大阪のビル街がどういう姿になっているのかは考えると、ちょっとSFチックな想像が出来る。





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