“外国人理由に生活保護申請却下は不当” ガーナ人男性が提訴 …… 病気という災難とビザと法の隙間。

NHKの記事である。


こういうのは本来、国会でも議論すべき内容を含んでいる。そうしないと、これからはもっとこういう問題は増えていく恐れがあり、不法滞在などに繋がる可能性や、他の国からの信頼を失う恐れもある。

まず、重要な点としてこの問題の根本は生活保護が却下されたことよりも、就労ビザが切れた後、治療のためで滞在ビザだけが許可されていることにある。国によってこの辺りの対応は違うが、真面目に働いてきた人で、且つ虚偽がない場合、治療をある程度終えるまでの就労ビザを追加するか、またはそれが無理なら治療のための滞在ビザの公布は、日本での公的な支援がないことを先に伝えた上で、認めるか、はたまた最初から短期以外認めない方がよい。

要は、ガーナであれば働いて、日本ほどではなくても治療も出来るかも知れないが、日本では働くビザがなければ仕事も出来ないから蓄えが無くなった途端に治療どろか生活も困難になるんだよと伝えておけばこうは為らなかったということだ。人道がどうであれ、結果的に生活出来ずに苦しめばそれこそ端からみれば人道が悪い国になるのだから。

即ち、結果的な人道が上手く行かないなら、認めてはいけないということだ。もっと言えば金が無くなれば強制送還されない限り母国に帰る金も失うのだ。裁判をしたこの人は、誠実な人かもしれない。何せ、逃げずに裁判に持ち込んでいる。これが、学もなく自暴自棄に簡単になる人なら、多分、どっかで不正に働いて金を稼ごうとするかもしれないし、病気の治療も投げ出している可能性はある。

それを、日本国や日本国民が理解しているかが重要だ。日本人は基本的に、海の向こう側に他国があり、この国は福祉や社会制度、科学などの面でお金さえあれば不便はないので、この辺りまで理解して居る人は少ないだろうが、実際問題としてこの人は多分まともな部類と考えられる。まあ、後述するが腎疾患があるからこそ、逃げも隠れも出来ないという点も多少あるのだろうが、それでも向き合っているのは確かだ。透析まで必要になっているなら、命に関わる中で、裁判を選んだのだから。


<果たして勝つか負けるか……今は勝つのは難しいかも>

ただ、これを法が認めるかは難しいところだが……。法は必ずしも、人柄などを中心に照らすとは限らないし、そもそも近年は弁護士や裁判官が判例に拘りすぎて、判例をベースにした変な解釈の酌量も増えつつある。結果的に、1回の判例で確定し、それからはどんなに情状の余地があっても、入り込む隙すら無いとか、どんなに酷い悪事でも、病気で許されたり、酌量されるケースが急増している。だんだん、個人の背景、事件の背景、社会の背景を見なくなっているわけだ。

だから、難しいだろう。この人だけはこれまで頑張っていたとかあれば、特別に酌量するとはしないのだ。この人を酌量すると、これが判例になって多くの人に弁護士が付き提訴するかも知れず、それに小者になった裁判官が判例に基づいた結論を出すかも知れないからだ。

どうなるかは実際に結果が出ないとわからないが、結構厳しいだろう。


<この裁判を見て同時進行で本当にすべきこととは……>

まあ、この裁判はある種注目すべき内容だが、ここから見える問題は、もっと深いところにあり、それに早期に対処する必要があるのは、間違いない。

こういう外国人がこの先もっと生まれることが無いように、法律を改正するか、それまでは滞在ビザを使った場合の制限なりをちゃんと説明するなりすることが大事だ。そうすることで、こういう裁判に訴えてということはもちろんだが、結果的に強制送還されなければ戻れなくなる(日本は他国と陸続きではないので、帰国するための航空機や船のチャーター料金、旅客費用がなければ帰れない。歩いて帰られる国ではないのだ)という事態が避けられるようになるのだ。

本来は、国民全体がこの記事からそこまで想像出来ればよいのだが、海外で長期生活した事がある人などはこの国では少ないだろうし、難しい話である。


<母国に戻るにしても、日本に留まるにしても
      彼にとってこの先もよい意味で生きていける結末を>

腎疾患で、透析などを受けているなら、確かに母国に帰ると厳しい場合もあるだろう。
もし、母国に帰るなら腎移植や腎細胞移植なりをしないと、長くは生きられない可能性も十分にあるのだ。即ち、母国に帰ってもうまく生活出来るとは限らない。だから、裁判になったとも言えるだろう。ある意味では、これが優しい罠だったとも考えられる。

この辺りまで全て読めると、その人の人柄などにもよるが本当に難しい話になる。しかし、この国は彼の母国ではない病気だからといってずっと助け続けることは難しいのも事実だ。あくまで、時間稼ぎに過ぎないのだ。そこをどのように解決するのかも、本人や周りが考えなければいけない。上辺だけの優しさでは、根本の問題は解消出来ないのだから。

とにかく、彼が本当に日本で何かを学び、日本を好きになって母国に帰るなり、日本に帰化する予定なりの夢を持っていた人であるなら、母国に帰ることになるにしても、この国で骨を埋めるにしても、不幸な結果にならないことを願っている



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