もはや16GBは時代遅れかも……面白い記事だが、使うソフトとか考えればメモリー増やさなくても何とかなったかも。
PC Watchの記事である。
デスクトップも持っていてと前置きしての話であり、いわゆる記事書きなのでネタという点もあるのだろうが、例えRAMが8GBでも時代遅れとは言えないだろうから、このタイトルは一般の人が読むには煽りすぎかも知れない。
私が気になったのは、NVIDIA Geforce RTX搭載で価格が安いものがノートになっていることの方だろう。デスクトップだとRTX 3000シリーズ搭載だけで20万以上するものの方が多いが、ノートだとまだ10万円台からある。これは、RADEONもそうだが、デスクトップ向けはマイニングと日本では輸入代理店マージンの影響もあり3倍ぐらい値段が上がっている。結果として流通量も減らし、買い手も減らしているように思う。
世界中の在庫そのものも少ないため、そういう意図もあるのだろうが……結果的にワークステーション代わりにゲーミングノートの方を選ぶ人も増えてくるわけだ。
それが、思った事の1つである。
もう一つはタイトルにも書いたが、64GBメモリーを搭載した理由が、フォトショップ(PSD)での画像の表示というのが何とも滑稽だった。複数のサムネイル管理や取り込みをするなら、通常はLightroomを使うのが妥当だからだ。PSDはレイヤー編集など高度な編集が必要な時だ。
ちなみに、現像が目的なら
SILKYPIX Developer Studio Pro10などの方が簡単というケースもある。
寡占状態が進んでいく中で、ソフトウェアをいくつか使って試して見ようという人は減っているため、決まったソフトだけでごり押しする人も増えているが、いろいろ使う事は大事だ。コスト面でも、記事を書くという点でも。
ちなみに、フォト系のソフトウェアは近年減少しているが、それでもまだ沢山存在する。
例えば、CyberLinkはPhoto Directorを出している。これ好みの問題だが、画像管理や編集の操作性は良くない。若干重いが、プリセットされている機能が豊富である。Power Directorのような操作性で、シーケンス順にタブがあるので選んだ画像を編集したり印刷するといった場合にはやりやすいかも知れない。
Zoner photoはサムネイルが見やすい。動作も軽快でエディティングも一通りの事が出来る。
最近は動画まで編集できるらしい。最近の製品は使っていないのでどこまで変化したか分からないが、これ一本で出来ることは広い。

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他にも沢山ソフトはあるが、ハードに投資するのか、ソフトに投資するのかで掛かるコストも違えば、運用の仕方も変わって行く。
そして、私が最も思うのはPCで最も大事なのは、ソフトウェアの選び方と癖などに対する柔軟性であると考える。
WindowsやMacでは不必要にOSの操作性ばかりがアップデートで変化し、アプリケーションソフトが減ってきており、そういうソフトで変わることを知らない人や忘れてしまっている人も多いが、汎用コンピュータの利点は、元々用途に合わせてソフトウェアを選んで使い分けることが出来たことこそ魅力だったのである。
しかし、スマホ時代になり、PC向けのフリーやシェアのソフトは減っていき、スマホ時代も安定時期に入って、こちらもまた定番のアプリに集約されつつある中で、慣れたまたは定番のソフトウェアに人々は執着し始めている。ただ、それを当たり前だと思うようになると、結局、汎用機の必要性が薄れていくことになるのだ。実際に、Appleが自社設計に完全に移ってきているのもそこが影響しているのだ。
キラータイトルがAppleだけでも十分魅力的なら、他のソフトウェアは要らないということだ。合わせたいと思うところだけが合わせてくればよい。これはWindowsにも言えることで、Windows 11が一部のマニアを除いて、比較的冷めて見られているのは、アプリケーションソフトウェア事業者の本音と、一部のマニアにとっての利便性のギャップ、関係性を合わせていないからだ。自分が使いたいソフトウェアやOS機能だけ動けば良いなら、この先Windowsは買わなくなる人が増えるだろう。
だから、Androidに媚びを売ってはならなかったが……やってしまった以上、もう離れられない関係になるだろう。
記事書きはハードも大事だがソフト面でも、魅力的な紹介をして工夫を続ける必要がある。まあ、当該の記事サイトはDOS/V Power Report系のハードウェア情報サイトなので、この記事になった(ソフトだと窓の杜になるので)のだろうが、時代遅れとは言うべきではなかったかもしれない。
尚、OSが求めるメモリー量やアプリケーションソフトが求めるメモリー量はこの先もさほど変わることはないだろう。よほどディスプレイ解像度が8K対応になったり、クライアント側にAI用の大きなデータベースでも保存する仕組みでも作るなら別だが、RAM容量を必要とする理由は少ない。強いて言えば、マイクロソフトに関して言えば、Subsystemを使ったVMに追加するOS(ゲスト)を今後も増やして行くなら、その分だけ容量を食うことは有り得る。それもあるから、Windowsの私の中での評価は下がるのである。Windowsじゃなければ出来ないではなく、WindowsというOSだけではアプリケーションソフトウェア面で満足出来ないように見えてきているということだ。
OSがWindows Pro(10/11のPro版)のデスクトップならば、そのPCをサーバーとして作業をさせながら、ノート側でデスクトップをRDP(リモートデスクトップ)から操作するという手もある。私は、サーバーやクライアントの管理をしていた人間なので、こういうのは良くやっている。今だと廉価タブレットなどで処理を監視しながら、クラウドやNASに取り込んだデータを手元のPCで処理することも容易い。そういう点では、モノは使いようでどうにでも化けるし、ハードウェアの性能や要件はそういう部分も含めて選び取る必要がある。
場合によっては、ソフトウェアだってハードに合わせてそれぞれ同じ目的の作業でも、性能が低いコンピュータでも動くとか、出来る作業が簡易であるといった条件で、違うソフトを入れて使い分けるのも手である。まあ、屋外に持ち運ぶようなオールインワンのサブマシンは、メインと同じ作業が無理なく使える方がよいだろうが……在宅ワーク中心なら、在宅で使えるリソースを無駄にせず快適にすることが第一義であるべきだろう。