コンビニも注目する「カレーパン」ブームのなぜ 専門家が指摘する“必然性”とは …… メディアが言うブームの基準って何なんだろうね。
ITmediaの記事である。
個人的には、カレーパンがブームとか言われてもよく分からない。唐揚げ店がブームとか、タピオカがブームと言うのもそうなの程度だったが、まあ、店が増えたからそうなんだろうなと思い、分からなくはない程度に実感はしたが、急に寒くなっておでんがブームとか言われた方が、そうだよねと思う。
最近の報道やネット紙面は必死にブームやトレンドを追っかけているが、それの理由がだんだんつまらないものになっていると感じると同時に、ブームの意味間違っているよなと思う。
<そもそもboomとは何か>
boomとはにわか(一過性で突然訪れる)景気と呼ばれるものだ。日本の庶民景気の火付けだとフラフープがブームの最初の辺りになるのではないだろうか?ちなみに、間違ってはならない点として、店に商品が増えることがブームではない。ブームと言うのは誰もがそれを優先して買うぐらいの状況とブームと言うが、にわかであり長続きはしないのだ。
タピオカブームは確かにそうだったのだろう。ほぼ世間では知られていなかったタピオカが今では誰もが知っている程度にはなったし、一時期の隆盛は今ではないのだから。ブームである。ちなみに、唐揚げがブームとかいうのは、唐揚げ屋(店)が出店ラッシュだっただけである。
別に消費者にとっていつもより唐揚げがより食べたくなった訳では無いはずだ。そういう人もいたかもしれないが、店がブームなのと、商品がブームなのは別である。
ちなみに、カレーパンはブームなのかというと、この記事を見てブーム?と思った。
先に書いたようにブームと言うのは、急激にポッと湧き上がり、その後沈静化する現象だ。例えばだが、○○という店のカレーパンが美味しいとう評判で、急にその店が繁盛し、全国に出店したが2年後に人気が廃れたなら、ブームだったといえるが、人気の店で今のお店を2回増床して、工場も新設してこの土地でかれこれ10年、カレーパンは右肩上がりの人気ですというのは、ブームではなく看板商品、主力商品、稼ぎ頭のブランドである。カレーパンと共に成長してきた店の看板であり店のブランドを押し上げた商品なのだ。
ブーム=継続的な成長ではない。一過性でなければいけないのだ。
継続的な成長は日本ではtrend(トレンド/傾向を意味する)ということが多い、日本語だと「消費拡大」「拡大」「根強い人気」「定着」と言うのが妥当だ。
だから、これを見てブームなのか?と思ったわけである。まあ、今からこの記事を見た人がブームなんだとカレーパンを買い漁るようになり、本当にネコも杓子も、カレーパンを食べ、飽きられる破滅的なブームが来るかも知れないが。ブームと言う言葉は、実は必ずしもよい意味ではなく、着実に成長しているなら、成長する市場ぐらいにした方がよいのである。
<本来ブームの火付け役はその瞬間の女神でも後世の悪役>
これは、大事なことだがマーケティングの中で大手企業などがブームを仕掛けてくるのはよくあることだ。しかし、これに中小企業などがのる場合は、ブームという言葉には一過性の意味があることを忘れてはいけない。ちなみに、報道機関などがブームを使うのは、元々一過性で終わりそうだった商品に対して使っていた。
今は、実際には、着実に市場シェアを一歩一歩伸ばしている者に対して、爆弾の導火線に火を付けるように、大手などのCMついでに、火を付けたい商品にブームを使っているように見える。それをやられると本当に着実に進んできた店は、堪らない場合もある。一過性の火を付けられると、元々付いている上客(特に若い層)がブームの終わりに離れることもあるからだ。
だから、長くその商品が成長している場合は、ブームと呼ぶべきでは無く商品が増えている事から、消費拡大や商品の定着を売りに伝えるべきだろう。ブームで広げようとすると必ずブームは去ることになるのだから。本当に爆発的なブームが起きればその火付けをした人は、真面目に大切に育てた商品の販売の乱高下に流され恨まれてもおかしくない。
これは店や業界にもいえることだが、ブームとか流行記事にあまり期待を置いたり載せられるとブームというイナゴやバッタに食い荒らされるだけになるだろう。
<私の中でカレーパンのブーム>
ちなみに、私の中ではカレーパンのブームが昔あったのを、この記事タイトルを見て思いだした。だから読んだのだ。
今は、惣菜パンと言えば月に何度か、市販のソーセージパンを食べる程度(安いので)だが
一時期、ある近所というか市内のパン屋さんのカレーパンばかり食べていたことがある。今も、1年に1、2回ぐらい買うのだが、少しスパイシーな中辛ぐらいのカレーがぎっしり入っていてパンがフワサクで好きだ。ただ、昔ほど好んで食べる物でもない。
だいたい2年か3年ぐらい虜だった。これ、もう20年とかそのぐらい前の話だ。ちなみに、その前には2年ぐらい同じ店のクリームパンが好きだったが、市販のパンもクリームパンを好んで食べていた。
本当にマイブームだったのである。
ブームの面白い点は、ブームの先に終わりがあり、そこを過ぎるとぱったりとそれに対する興味が薄れることにある。別に嫌いになる訳では無い。ただ、ブームの終焉は新しいブームに繋がったか、またはブームになるほどの興味や熱意をそこに感じなくなることで起きるのだ。これも一種の成長であり、老いである。
店の場合は、ブームの商品を以前から扱っているなら、ブームに大きな期待をすることよりも、今まで通りを貫く方がよいかも知れない。どしても、ブームを追うなら、ブームに適した商品を追加で生み出した方がよいだろう。ブームの商品を扱ってこなかったなら、これを期に片手間にでも余裕があるなら扱うことで、顧客の開拓ができるかもしれない。ただ、ブームに入れ込まない程度が大事である。ブームには必ず終わりがあるのだから。