現陽性が20万人以下に一週間で5万人の純減の週末集計……

いつもなら3時頃には出るワクチン接種数が結構遅くまで出なかったため、この時間になったが、昨日の集計である。熊本の数字もこの時間なので確報値になっている。完全な確報データで出すのは久しぶりである。

先週は1週間連続で現陽性の純減続き、週5万333人の純減となった。そして、やっと現陽性は20万人を割った。
この調子で減っていくのか、それとも夏休み明けによる学校感染などが増えて増加していくのか?その辺りが分かるのは今週末辺りに増加に転じ始めるか、そういう兆しが見えるかによる。多分今の状況なら減り続けると私はみている。

理由は、地方での感染強度が関西まで低下しはじめたことが1つと。
夏休みを終えたことで、都市部では民間検査センターに検査に行く人が減っていることが挙げられる。陰性証明を得るために検査に行ってというパターンは、12月、3月、5月、7-8月と既に見られている傾向だ。それが止まると、不顕性陽性が減るのである。

次の山は9月18日~26日までの敬老の日がある3連休と、木曜日の秋分の日(23日)の後の24日を有休にすれば4連休になる。飛び石連休である。この辺りではワクチン接種率も接種完了率換算で58.9%~60%ぐらいに留まると思われるので、また感染が広がる可能性が十分にあるからだ。
ここで再び増えれば、緊急事態宣言がまた都市部で伸びるということも有り得る。今も出ていることすら忘れている人が多いだろうが……。


本題である。

週末は順調に回復者が増加し、最大比78.93%まで現陽性の数は減少した。20万人割れ、週5万人減少し、最大比8割以下といういくつかの節目を下回った。ただ、それでもまだ医療提供体制に余裕が戻り始めている自治体が少ないのは、第四波が全国で78,554人だったのに対して、昨日が全国で195,305人の陽性者を抱えているからだ。5月の2倍以上まだ陽性者に相当する人がいるのだ。

尚、これも今日明日でかなり回復として計上されると思われるので、新規陽性の数がこれまでの流れと同等程度に減っていれば、水曜日辺りに出す火曜日の集計で15万は無理でも16~17万ぐらいまでは落ちるだろう。

減少が著しいのは、東京、神奈川、千葉、大阪の大都市圏である。増加自治体で最も多いのは愛知である。

拡縮状況も、増減率もマイナス進捗しており、拡大はしていない。拡大の日別ピークは7月29日~8月20日頃(その10日前頃が感染ピークと思われる)と推定される。これは、概ねお盆休みや夏休みに合わせて移動を始めた時期に感染が広がったと見ると良いが、前半の増加は関東からの帰省を目的とした人の検査などが多く、後半は帰省先などの田舎や地方、観光地、関西、中京圏などがある場所で増加が目立ったように思う。

これは、Alpha株が大阪発で広がった時とは違い、今回のDelta株は東京から始まり、自粛ムードからようやく抜け始めた関西などに大きな波としてたどり着くまでに、時間差が生じたからだと思われる。Alpha株とDelta株に両方感染した人などの傾向を調べると、感染がどのように伝播したのか、免疫がどの程度の汚染までAlpha株の免疫が有効性をもって機能しているのかなども分かるのかも知れない。

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現陽性者の状態内訳は、自宅療養が59%で比率はあまり変わっていない。確定入院中は12.13%とやはり低いままだ。重症重体と中等症は数が増えた。特に中等症が増えているはずだ。これは、東京の重症ベッド占有数(週1回金曜日に水曜分を発表)を元に、現在の重体を差し引いた上で、残りを中等症II相当とみなして中等症に追加したからだ。尚、東京の軽症~中程度は残りの軽症・中等症分である。単独の軽症という区分は作っていない。

尚、全体の人数として見るとどの項目も取りあえずのピークは越えつつある。

これが医療機関などの激務の緩和として見えるようになるのは、一部、既に減っている自治体もあるが、全体で見られるのは、9月中旬を過ぎる2週間ぐらい後だと思われる。その頃には、次の連休が始まるのだけどね。

回復比死亡率は急速に低下している。一方で、陽性比重症率は軽症患者が回復して減っていくことで急激に上がっている。ただ、上昇している重症率も最悪水準だった6月迄に比べると1/3程度に今のところ収まっている。概ねワクチン効果が上手く機能し続けていると見て良い。尚、ワクチン効果は数ヶ月で消えて、重症率が上がるのではないかという話もあるが、今この時点で見ると、無さそうな気がする。

そもそも、ウィルスを常時体内に一定量取り入れている可能性がある職場では、免疫活性はある程度維持されるはずなので、ここから判断するのは難しいだろうと私は思っているが……。センセーショナルな記事を書くことが世界の報道機関の使命みたいになっているので、抗体価が下がる=感染するというだけになっている記事が多いのが気になるところだ。そもそも、昔から抗体価の上下はストレスなどでも変化するとされていたはずなので、どういう環境下に身を置いているかも大事である。尚、ワクチン接種後でもAlpha株換算でコミナティ95%、C19VM94%、バキスゼブリア75%(接種間隔:4-6週時、8週時だとさらに上がる)の発症抑制効果であることを忘れてはいけない。

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陽性指数やベッド占有率などは以下となる。なかなか下がらない沖縄と、人口相対では下がってきた気がするのに未だに逼迫する東京という構図は、この先改善されるのだろうか?五輪もパラも終わったので、ここから変わるかも知れないが、問題は今の東京都は、予算も厳しくなってきているはずで……それがどう作用するかがターニングになる。もし、体制の確保が今のまま進まないと、半年経っても緊急事態宣言が出たままかも知れない。それこそ、緊急事態である。そのうち、気象庁の特別警報とか警戒レベルのように、特別緊急事態や緊急非常事態でも上に増やして行くとかありそうだ。まあ、全ての失敗は、緊急事態宣言の下に蔓延防止等重点措置を作ったことと、去年の4月の緊急事態と今の緊急事態が同じ名称で全く別物だったことが理由だと思うが……。

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尚、ワクチン接種の速度はやはり既に上がりも下がりもしない状況に入っているようだ。
概ね重複分の差し引きをすると一〇〇万接種/週を上回るぐらいで推移している。推定される接種満了日は接種対象者全員が接種して12月の6日となる見込みだ。まあ、相当数の接種拒否者がいると思われるので、10月~11月迄には希望者接種は終わると思われる。

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