予定より遅れ気味も間もなく登場するAndroid 12、予定より長かったが間もなく終わる?Android 8.1 Oreo、そしてAndroid 9 Pieも伸びるか?

Android 12が早ければ来週(火曜日28日)、遅くても再来週(10月12日)に正規ビルドなるようだ。
これに伴いAndroid 8.1 Oreoは11月~12月のCTS更新を行った後はフェードアウトするだろう。AOSPから外れると言うことだ。
このOreo(8.0と8.1を合わせたサポートで)、Android Open Souce Projectが今の形のサポートを行ってから、最も長寿な記録を更新し続けている。

何らかのハードウェアに対する更新が必要だから行われているのだと思われるが、理由は定かではない。
AOSPに加わっている幹事メンバー(企業)のいずれかで、更新を続けている製品があるのかもしれない。

一方で、Android 12は若干遅れているように見える。当初予定では9月中だったのだが、今は10月の始めが濃厚となっているようだ。さらに遅れる可能性も否定できず、12日までには投入できると思うが、もう一段遅れることも有り得る。後ろにずれていく理由は、バグがあるというのもそうだが、OSに対する需要が薄れているのも理由の一つと考えられる。

端的に言えば、新機能でユーザーの心を掴むようなものは、既に殆ど生まれて折らず、上記したAndroid 8.1 Oreoの保守がこれに伴い終わることを考えると、むしろハードの不満が減っている昨今、急いで新製品を出してバグらだらけ且つ、旧製品の保守が終了したという状況の方が、評価が下がるからというのもあるのだろう。

Mのつく某デスクトップOSメーカーを反面教師にしているのかもしれない。
あっちは、発表して2ヶ月先までハード要件を指摘されて保留にしていて、内容は大して変わらない発表をし、その1ヶ月後にRTM投入することも同時期に決まった。これ日本だけではなく、他の国でも過去最低な水準で冷めた目で見られている。M社の製品を評価する記事はたいていの場合は、広告連動サイトが多いことからも、厳しさを示している。まあ、最終的に対象端末は自分で止めを掛けない限り、強制更新されるだろうから、興味を持っていない人も多いのだろうが、通常は過去の投入サイクルを踏襲することが多い。(Mの場合は半年~1年前に発表し周知するのが好ましい。)

閑話休題。
Androidは、上位プラットフォームの大半がQualcommであり、同社のSDKサポートに左右されるため、実は上位ほどメジャー更新期間が限定されるというのも影響しているのかも知れない。AndroidはiOS等と違って、ハイエンドのサポートが実はミッド以下より伸ばしにくいからだ。理由は、毎年ハイエンドのSoCだけが、完全に世代を交代させる形で投入される構造にある。1年経てば前のプロセッサーは新しい製品にほぼ(完全では無いが)置き換わる。結果、2年3年、場合によっては5年継続されるミッドやローエンドのSoCより保守にコストが掛かるようになるのだ。まあ、ミドルやローエンドも、ハイエンドが短ければ短くなるのだが……。

だから、ここに来てGoogleはオリジナルSoCへの置き換えを始めたのだろう。
Qualcommはこれから、競争上高性能を出すことも行う必要があるだろうが、継続販売が数年出来る製品をさらに拡充させていくことが求められるだろう。
ソフトウェア開発との兼ね合いがありAOSPの開発サイクルはあまり変更出来ないからだ。


どちらにしても、Android 8.1は過去最長のサポート記録を更新中である。
それによって、9.0の保守も伸びることになるかもしれない。ただ、多くのスマホやタブレットは、この世代でも既にセキュリティ-アップデートを終了しているはずなので、大半はGoogle開発者サービスなどによるCTS等の更新だけがPlayから降りてくるだけだろう。だから、セキュリティ面を心配するならこの世代のスマホは買い換えるか、セキュリティソフトを入れてしっかり管理することが大事である。

Android 9.0のAOSPも後半年ぐらいは続くと思う。本当なら、12の登場後2ヶ月ぐらいで保守は終わると思われていた中で、上手く行けば13登場まで保守続くかも知れない。そうなると、Androidの保守は最新版(1年)+2年だったこれまでと変化し、最新版+3年になる訳だ。

まあ、実際はABIモデルとして32bitに正規対応しているのは、9(実質メジャー保守期間に終生対応したのは8.1が最後)までだからという理由かも知れないが……。半導体値上がりの影響もありスマホの単価が上がっている中では、今の保守が伸びている状況は消費者にとってプラスな話だろう。
ただ、確率は低いが8.1 Oreoの終了翌月にPieも終わるという可能性もまだある。

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