学習端末のパスワードは全員「123456789」…小6自殺、チャットの「陰口」丸見え …… 陰口ではなく「誹謗中傷」である。
読売新聞社の記事である。
だからどうしたいのかと思う内容だ。
なくなった子供のご両親は、この記事を読んでそう思うだろう。報道も何を伝えたいのか全く分からない。事実を伝えるにしても、なくなった本当の原因と、誰が何故やったのかを、伝える努力が出来ず、システムがとか学校がと言っているようでは、いつまでもこういう事件は繰り返されるだろう。
加害者は何故、その虐めをすることを選んだのか?被害者は何故自殺するに至ったのか?その流れをこれまで何度も起きた子供の自殺の中で、一つでも伝えた記事はないのが哀しくもあり、酷く残酷でもある。別に匿名でも良いから、何故、それが始まったのかぐらい教育委員会も含めてやった子供達から聞き出して、やってはいけないことをしたと本当に心の底から思わせることが大事だ。加害者も被害者みたいな扱いを許して、仕組みが、学校がで済む話ではないのだから。
<喧嘩というのは誰でもするものだが、虐めは
多くの人はしないししたくないし、されたくないもの>
まず言っておくと、大人でも子供でも喧嘩というのはするものだが、長々と陰湿に虐めをしたり、悪口を言うというのは許される行為ではない。どうしても、自分と合わない人なら、その人との接点を減らせば良いだけだ。まあ、学校の場合は、なかなかそれが出来ない場合もあるだろうが、だからといって、陰口を言って追い詰めれば、相手がいなくなるわけでは無い。
もし、本当にその相手がいなくなるときは、あなたがその子を追い詰めて殺した時なのだと、大人がしっかり教える必要がある。
では、虐めというのはどういう時に起きるのかというと、
基本的に喧嘩の延長線上で一つのことに執着するタイプの人で起きやすい。
また、継続的に家庭事情などでストレスが溜まっている人や、何か嫉妬などがある場合(あの子は可愛がられているなど)
そして、親や同居人などから虐待を受けていたり、家庭事情が複雑な子もそうなることがある。
このいずれかに該当している子の一部は、虐めの加害者になりやすく、一方で被害者にもなりやすい。虐める人は一歩間違えれば虐められる側にも転落することがあるからだ。
だから、虐めがあって人が亡くなることになったなら、虐めの発端となった子供や大人が何故それを行うことになったのかを調べて、本人に反省や必要ならば、児童相談所などに通告し、親族から引き離してでも、必要な治療や教育などを行う必要が本来はあるのだ。米国等では、虐めた子供でも、学校が守ったりは必ずしもしないのだ。本人に精神上の問題がある恐れも否定できないからだ。そういう場合は、早めにカウンセリングなどの対応や保護者との関係、日頃の関係先などに問題が無いかを調べて、あるならそれを問題の子供から引き離すように対処する。
日本は、そういうところが全く行われない。何故行われないかというと、学校が悪い子供が悪い、被害者が悪い、加害者が悪い。果てはシステムが悪いと言うからだ。それは原因のすり替えに過ぎないのだ。子供の場合は、まだ発達途上だから幼稚な部分があって、追い詰めたというのは確かに有り得るから、そういう話をしているのかも知れないが、だったらやってしまった子供に向き合ってちゃんと、その子が更生するように悪いことをしたと心から思えるように、たとえその子にとっても、周りの大人にとっても辛い事実があるとしても、大人が示さないといけないのだ。
それが大人が出来る亡くなった子やその保護者に対して、何故虐めで殺されることになったのか?という説明でもあり、加害者の子をしっかりと反省させるための唯一にして最善の方法なのだ。これを報道が出来ないのかやならないのかしらないが、伝えないというのが本当に残念でならない。少年法があろうがなかろうが、本来聞き取りがちゃんと行われていれば出来るはずなんだよ。匿名で情報が出れば良いだけだ。
別にこの学校に限定せず、過去の事件においてはこういう子がこんな形で虐めをしていたんだ。そして、被害者が亡くなった後に、虐めていた子が、どれほど後悔したんだという話があるなら、それを流してもよい。本当に必要なのは、そういう情報であり、虐めて追い詰めたら例え、子供通しであっても取り返しが付かないことになるのだと、子供に伝えるための情報だ。陰口だから良いのではない。本人に届けばいくら陰口のつもりでも、誹謗中傷だと理解させるのが、大人の仕事なのだ。
だから、大人も陰口だからと言い訳じみた文章を書いてはいけないのだ。
<チャットが悪いとかではない>
チャットが悪いと思っている人もいるかもしれないが、多分、チャットやコンピュータ端末は最終的にたまたまそれが簡単な手段としてあったから使われただけだ。もしかすると、チャットがなければもっと早くに、児童はなくなっていた可能性だってある。虐めの本質は、道具によって決まるのではない。誰かを標的にして、自分の鬱憤のはけ口に使用と思う人が、組織や学校、施設などに1人でもいたら、そこから虐めは始まるのだ。
それを報道機関がまず自ら勉強すべきだろう。その上で、パスワードとかそういう話ではなく、ネットでも普通の生活でも、悪いことに使えば何でも凶器になり、人々が誰かをよってたかって虐めると狂気になることを大人自身も理解していないからこれが繰り返されていると伝えるべきだろう。
尚、コンピュータでは別の倫理感がいると思っている人も世の中にはいるが、この手の誹謗中傷はネットでも、面と向かった相手でも倫理の基本は同じモノだ。だから、それが分かっている人は、決してコンピュータやインターネットでも悪口などは書かないのだ。
基本的な人権の考え方は同じなのだから。
自分が嫌がることは、人が嫌がることであるという前提に立って行動するのだ。しかし、ネットでは匿名性というのがあると人々は信じているから、その当たり前にやっては嫌がられることをしても、バレないからやっちまえと思う人がいるのだ。
そっちに向かってはいけないのだと、教え続けることだけであり、コンピュータだからチャットが見えたからなんて……なんでそっちに行くのか?という話になるわけだ。我々大人は、そこを理解しないと自分自身もそういう方向に向かっていく恐れがあり、もし自分がそのネットなら大丈夫という発想を持っていると、自分の子が加害者になる可能性があることを忘れてはいけない。
悪いのはやった子だ。
だから、やった子が何故それをやったのかを社会が知り、この先それが起きそうな傾向がある場所で、先に手を打つための方策に繋げていかねばならない。この問題の根本はどんな虐めであっても、システムではなく、虐めた当事者が虐めて追い詰めるに至った経緯を社会が知り、次の不幸が起きぬように活かすことである。