現陽性は減少に突入し、拡縮もマイナス転換…… 地方での拡大が一区切りついた模様。

このまま落ち着いてくるのかはまだ分からないが、感染拡大はやっと止まる気配を見せている。
週平均の拡縮がマイナスに転換したからだ。ただし、一部の地域は未だに1日の新規陽性発表が高い水準を維持しているので、これから1週から2週で確実に減少するかどうかが、重要になる。特に東京は、パラが終わった後、その処理が終わるであろうプラス10日後ぐらいに増え始めないかが注意点だろう。

パラにだいぶ人材と検査態勢を割かれていると思われるので、その影響による反動が出ないかが注意点である。まあ、2週間後ぐらいなので、今発症している人や今感染した人が、これに該当する可能性は低いが……(大半の人は発症しても15日以上後だと既に検査しなくても寛解や治癒に向かっている。不要不急以外で大人しくしているなら、感染もさして広がらないだろう)

その頃に感染が今の水準を維持しているなら、急増する可能性もあるだろう。


本題である。
まず、この数字は埼玉の回復を暫定13day(13日療養済みは原則回復扱い)で行っているので正確値ではない。他の自治体の集計も含めて、10~12dayで回復しているケースが多いので、13dayならほぼ問題ないとして処理している。また、熊本は暫定値のままである。今熊本の更新を待つと夜(今日の集計とセット)になる。



先週金曜日の結果(土曜日集計)が現陽性では最悪の数字だった。24万7432人となった。何とか25万突破は退けた感じである。これから、再び増える可能性もあるにはあるが、過去の例では拡縮が週平均でマイテンすると、その後は散発的な上昇しか示さないので、超えてくることはないと考えている。

尚、減少をしっかり支えて居るのは、数字としては関東が中心だが、地方全体でも増加している自治体より減っている自治体が増えてきており、新規陽性が頭打ちから若干減になり、そこに回復者の山が重なり始めて減少に転じたのだろうと思われる。一応、未だに愛知~兵庫にかけては増加が続いているが、こちらも検査数の伸びが限界を示しつつあり、伸び率が鈍化傾向にある。人の動きも以前ほど活発ではなくなって、2週間ぐらい経過するため流石に、感染者数は減り始めるだろう。

まあ、後は学校の開始に伴う陽性率の上昇が起きるかどうかだけである。それがなければ、今回の感染拡大は一旦縮小が続くと思われる。
市中のウィルス濃度が下がれば、発症リスクも下がるというのも関係するため、検査が適正に行われていて市中の陽性者が本当に減っているなら、減少は著しいペースになるのだ。

尚、拡縮は週平均で-0.101%となっている。日別だと0.343のマイナスであり、26日~29日までマイナス進捗している。

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個別の療養状態では、自宅療養率が50%まで下がってきたように見えるが……これは、未確定不明に入った埼玉の陽性者情報が影響している。
埼玉は未だに元の詳しい集計が出来ない状況にある。

入院宿泊調整中の割合は東京が33%(11191人)と最も多い。次いで三重県4200人(12%)、大阪府(4077人(12%)となる。
施設療養は兵庫が最も多いが、5月の頃より概ね1/4まで減った感じだ。高齢者の重症者や発症者が少なかったお陰だろう。

自宅療養は東京が最も多く、2.1万人である。次いで大阪が1.7万人、神奈川と愛知が1.5万人だった。関東の状況は未だに厳しい状況である。
重症者数は未だにに増加が続いている。1602人に達した。厚労省のベッド占有は2000人を超えている。ただ、重症率は0.652%と低い。結局は病床不足もあって重症率が少し上がったものの、1%に満たない状況は維持出来ていることから、ワクチン効果が出ているのだと思われる。

それでも、亡くなる人はいる昨日は49人だったようだ。
特に東京が14人と多いが、これでも5月の頃より大幅に下がっている。もし、5月の頃と同じ死亡率だったなら、阿鼻叫喚の事態で、だっただろう。概ね1.5%~の死亡率になるため、今の6.4倍の人が日々亡くなっていたと推定される。推定で310人~350人/日ぐらいになる。週で2300~2500人ぐらいのペースだ。

ちなみに、医療提供体制がもっとしっかりしていれば、0.12~0.2の範囲に抑えらた可能性がある。即ち、今のさらに1/2~4/5の死亡率になったかもしれない。この辺りはこの規模の拡大を想定した準備が行われていないことが影響している面がないとは言えない。

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陽性指数は、沖縄、埼玉、大阪、京都、東京の順になる。当初は沖縄、東京の順でかなり沖縄に肉薄していた東京だが、このところは若干下がっている。なのに、まだ崩壊状態である。この脆さは、他の自治体に比べて民間も含めた医療支援の枠組みが弱いからであると思われる。

入院指数は、和歌山、沖縄、東京という順番になった。
病床占有率でも和歌山は現在トップにある。尚、東京の重症ベッド線輸率は1100を超えているが、実際の重症者は296である。中等症ベッドに移せない中程度患者がかなり多いことを示している。

入院中の数は何とか2万5千を下回っているようだ。そして、回復が2万台に突入していることで現陽性は減りはじめた。多分、今日の集計(明日Blog発表)でも減ると思われ、そろそろ回復者数が2.4~2.5万の水準に入ると思われる。これだけの減少が予想されるからこそ、今週は大きく増えず、むしろ減少期に入るとみているわけだ。

これが高止まりの時期で増加がもし再び始まるとしたら再急伸は来週中盤~後半ぐらいと、東京に関しては先に書いたパラ終了後10日~20日後にどうなるかだろう。今でもダラダラなのにそこまで続いて貰っても誰もが嫌だろうが……あり得ない話ではない。


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ワクチン接種の状況は実は伸び悩んでいる。7月までは11月の初旬にも終わるのではないかという勢いで増えていたが、今は12月初旬が完了見込みとなっている。今の状況だともう少し遅れる可能性もある。

接種希望者に対して、接種数は減ってきているようだ。これはモデルナ筋注の接種が伸びない一方で、コミナティワクチン(Pfizer)も以前よりペースが鈍っているからだ。本当ならモデルナに置き換わっていてもおかしくなかったが、今回、金属異物騒動が出た事で、さらに落ちる可能性もあるだろう。
これが、瓶のゴム栓なら問題はないが……(その破断したものだけ外せば済むことである)、流石に今回の金属異物は暫く響きそうだ。

ここで、手を拱く状況になると、1ヶ月~2ヶ月後にもう1つか2つ今回よりは小さめの波が来る恐れもある。その頃には、接種もさらに進んで、重症者がほぼ出ないぐらいになっていると良いが……。そして、その頃までに少なくとも、今回のような病床が厳しいという話に対する対応が、法制度も含めて出来ていることを節に願うが、選挙モードで無理だろうなぁ。

結局、ワクチン接種済みでも当分不織布マスク生活と不要不急の外出削減から脱することは出来そうにない気もする。
連休の後で感染が増える流れがあるからだ。だから、連休を目指して働くのではなく、分散して休み密を作らないことが大事と言える。
日本人の悪い癖である、休日連休を旅行にあてるのではなく、有給などを美味く使って感染が少なく人の動きが少ない時期を、計算して息抜きをするのが良いのだろう。


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