Intel、コンシューマ向け高性能GPUブランド「Arc」。第1弾は2022年初 …… 結局予定より1年遅れも、出れば国内GPU全体がお安くなるかも。

PC Watchの記事である。


Xe-HPGの来年投入がArcというブランド名で発表されたようだ。元々は今年中を予定していたはずだが、既に今年の春先には来年という噂に変わっていた。この予定通りに行くかは分からないが、10nm(新ブランドの7nm)の製造ラインがやっと安定した歩留まりを確保出来る程度に用意出来たのだろう。これで、nVIDIA、AMDと共に再びDiscrete(外部)のコンシューマーとサーバーグラフィックスに戻ってくることになる。今回は前回のように逃げることはないだろうから、質が良ければ売れると思われる。

いや、正しく言えば特に日本では、他のカードの価格を大幅に下げる効果が期待出来るだろう。何せ、Intelは国内に拠点(営業所)も持っているので、輸入代理店を介する必要がない。特に、純正GPUを出荷する予定があるなら、その効果は大きくなる。何せ、輸入代行業者によるサイドマージンによる上乗せが殆ど発生しないからだ。

純正GPUというのは、端的に言えばMSIやASUS、玄人志向などの組み立てサブブランドによって供給される製品のことだ。AMDやnVIDIAは基本的にGPU本体とリファレンスデザインを供給するが、自社でカードの製造まではしていない。だから、国内に組み立てメーカーが無ければ海外の組み立てメーカーに頼んで製造し、それを輸入して販売することになる。すると、輸入代行を行うメーカーはそこにマージンを付けることが出来る。

しかし、Intelブランドの場合は、Intel本体もリファレンスデザインのカードを自社でも出荷することが多い。
要は、Intelがビデオカードという形まで組み立て製造したものが、市場で販売されるということだ。そうすると、輸入代理店を介さずに、Intelブランドのカードは、Intelから直国内市場供給が出来る。すると、例えば希望価格:450ドルのカードが、今の為替レートだと51,750円~53000円ぐらいで市場に並ぶ可能性もある。(ちなみに、GeforceやRadeonだと、450ドルが8万~12万ぐらいになる)

これは、今の日本では相当な強みになるだろう。

ちなみに、ゲーミング性能は、Geforce RTX 3060 Ti ~3070 Tiの範囲内に収まる性能と推定されている。
nVIDIAのCUDAこそ使えないが、OpenCLなどの命令セットにも対応しているので、AMDとの相性は不明だが、Intelのマザーとの組み合わせは上々だろうと思われる。尚、nVIDIAは2022年に次の世代のRTXを投入する予定である。そのため、2022年で今予想されている性能だと、Intelはハイエンドとして売るには厳しいかもしれない。

まあ、EU数を今の想定より増やして来る可能性もあるので、実際に出てみないことにはわからないが……

個人的には馬鹿高いビデオカードが競争によって安くなることを望んでいるので、Intelには自社でカード組み立てまでして、販売してくれることを願う。




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