大阪知事、ワクチン優先供給要求、感染広がりやすい都市部に……そもそも一体いくつ欲しいのか?まさか職域接種と同じように数さえあれば……

共同通信社の47NEWS記事である。


現実問題として言えば、この記事の話は4月の高齢者ワクチン接種が始まる前に、言っていれば正しかっただろう。
実際に、そういう話は各所から出ていたし、地方の人々もそう思っていた人が多かった。

しかし、今それを切り替えると、47都道府県のうちで大都市と呼ばれる地域が、一体何府県あるのか?という状況から見れば、首長の数に抑えられるだろう。即ち、大都市より多くの地方都市の首長が折角頑張って確保して、国の言うとおりにやったのに何故急に取り上げることになるのかと不満を示すことになる。

実際に、既に自治体接種などは今後の見込み分配がある程度決まっているから、予約日を広げ始めているところも多い。
それらが、急に大阪などの都合で無理と言われると、地方の住民も、接種関係者も憤慨するだろう。


<本来は優先要求の前に……打ち手がどれほど確保出来ているのか、
                      それに対してワクチンがどれだけ足りないのかを先に示すべき>
どうしてもというなら、
大阪府知事は、ワクチンを優先的に確保したら、接種会場が増やせる宛も確保しているのか?は知りたいところだ。
実を言えば、大都市で一番厳しいのは接種会場と接種をする人の確保の問題が一番ネックになっている。だから、実は隣県なり他の自治体なりが接種をさっさと終えて、そこから応援に来て貰うか、またはそこにGoToでも使って言って貰う方式をとった方が、結果的に接種が早まる可能性が高いという見方も出来る。
うちにもっと寄こせば出来るのにというのは、結局職域接種と言っていることが同じであり、上手く行っていない理由を他人に投げただけの可能性もあるからだ。

出来るなら、出来るで先にこれだけの余裕があるから、もう少し欲しいのですと申し出ることが大事である。無尽蔵に打ち手を増やせるわけではないのだから。これは、国民なり自治体に住む人々自身も理解して欲しいところだ。ワクチンの数があれば接種出来るのでは決してない。接種する人がワクチンの数分あって、ワクチンの消費期限内に接種出来て初めて、そのワクチンを確保している意味が成立するのである。

それで、数がないと言われたら、その時初めて、これだけの数が欲しいのだけど、他の自治体なりで回してくれるところはないかと、自治体間で交渉するとかそういうことをさせて欲しいと、政府に言ってもよいだろう。
本来はそれが、民主主義の政治家がすることで、報道で主張することではない。もちろん、それを言ったのに全体から拒否されたならその時に、それを報道で述べるのは構わないが……。

順番が違うのだ。ある種トランプ前大統領のやり方に似ている。

<そもそもワクチンに限らず不公平の極みなのが日本>

はっきり言えば、大阪府知事も、他の自治体もそうなんだが、今回のコロナ対策は地方と都市でも、業種でも不公平しかないのだ。
ワクチンは人口の少ない地方が早いが、はっきり言って、国から出ている給付金は都市部の方が圧倒的に貰っていて、地方の方が経済の割に潰れた業者が多いのである。それは、緊急事態宣言を全国知事会が全国で求めても国が応じなかったことなどを見ても分かる。

東京とか大阪とか既に入っている自治体はどっちでも良いから、要望にあまり強く乗らなかったのだろうことは、予想が付く。
そういうことだ。

例えば、大阪の知事がある事柄を求めれば、全国記事になるが、地方の知事が何かを求めても、地方紙の記事になる程度で、全国で記事になることはない場合も多い。それは仕方が無いことだが、逆に言えば全国で要望するときに、大都市圏を要する自治体が、ちゃんと本気で向き合ってくれなければ、通り難いのに、それをやってくれなかったなら……そういうことが重なれば、地方だって、「おまいう」と頭の中では思うだろう。それぐらい不公平が続いてきたわけだ。

そして、都合が悪くなると地方より、うちってそれはないだろうとなるのは、当たり前だ。

さらに言えば、都会の人は接種が自分達の方が早くなったら、接種が終わった人は、まさか隣県や地方に旅行行ったりしないよね。地方が大変とか言い訳して、接種後でも不顕性感染は起きる接種率が低い自治体にいって、ウィルスを置いて帰れば、都市部よりヤバいことも有り得る。それをやられたから、半年で2回も地方に波が来た。これが、まだ一部地域で殆ど感染が出ていない昨年の秋とかだったなら、仕方ないよねと言っただろう。

即ち、何度かの波の間に、いろいろ壊れたのだ。
そして、最も翻弄させられているのは、医療や接種の現場で働いている人々だ。

国は、多分これには応じないと思うが、もし応じればまた大混乱が地方に訪れるだろう。
それでも、職域接種でボロボロになっているのに、ワクチンの分配が変わるとか、もう現場をどこまで翻弄しているのかすら分からない。

接種を待っている人や接種を受けた人は、早いとか遅いとか言うのは自由だし、首長は次の当選や支持、最悪テレビのコメンテーターになれるぐらいの実績があれば良い。

しかし、現実にそれを現場で行う人は、方向性がクルクル木の葉のように舞って変われば、また対応を変えないといけなくなり、苦情を受けたり、神経をすり減らして準備しなければいけない。ルールが変われば、ワクチンの準備の仕方が変わる事だってあるだろう。それが、変わるとミスが起きるかもしれない。

だからこそ、首長は下にも確認して、手順などを準備した上で、政府などに確認する。その後、埒があかないなら、それを持って、報道などを使うぐらいが好ましい。国民ウケするだけの発言をするべきではないし、それを多くの自治体がやったから、今回日本はコロナで後手を掴まされ続けた訳だ。

本当にそれが評価される手段で、うちの自治体だけでなく他の多くの自治体にプラスになると本気の本気で思っているならば、説得して確保出来るだろう。メディアに発信せずに、政府に自治体間交渉をしても良いか確認した上で、これだけ欲しいので、どこかの自治体から回してくれませんかと言うべきだ。実際に、大阪府はコロナ病棟の看護師募集でやったじゃない。これも、出来ないことはないはずだ。


<残念な日本の報道と首長と政府>

これは報道機関も問題なのだ。何が問題かというと、報道に流せば国民の支持が得られると簡単に、報道を利用させている首長や政治家が増える社会になったことが問題なのだ。本来、首長は国民ウケするとか、都道府県民ウケするとかそういう短期的なことは好ましくない。だから、あまりこういう抽象的な発信は新聞社や通信社にはしないのだ。

もし、するならば既にどれだけの準備が整っているけど、それに合うだけのモノがないから、協力が欲しいとかそいういう時に、折衝を他でしても梨の礫だった場合にやることがあるという程度だ。

しかし、今は報道がそういう小物で詰められていない内容に対して、やいのやいのと喜んで乗っかる。結果、どうなるかって詰めていない内容だから、後で襤褸が出るのだ。確かに、ちゃんと準備が出来て、周りがそれを認めて評価したなら良いのだ。しかし、そうでない場合に力関係などから、それを求めた場合は、結果的に状況をより深刻なものに変えてしまうだろう。

本来、情報番組などで専門家に求められるのは、こういう当たり前の手順や基準の踏襲によって作られる確実な成果の重要性を説くことだ。それに沿わないなら、そもそもそれ自体がニュースでも何でもなく煽動させようとしている可能性を示唆すべきであろう。

要は、理想を語ることと、実際にその準備が出来ていて足りないことは別問題だということだ。

現在全体で進行している状況に対して、理想の方が絶対的に良い状況だと言えるなら、それを証明する情報を出さなければ、結果的にそれに翻弄された結果、より悪くなることだってあるのだから。それを本来は報道機関が、質疑応答などでちゃんと確認してから記事にしなければいけない。







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