2020年特需の反動か、PC出荷台数が2ヵ月連続で前年割れ──JEITA発表から……MCJやサードウェーブが苦しまねば良いが……

ASCIIの記事である。


パソコンの出荷台数が2ヶ月連続前年割れだそうだ。昨年は、小中学校の児童生徒へのPC配布や、在宅ワーク(日本ではテレワーク)の促進によって、特需となったのだが、買替えが一巡したことで買い手が減ったのだろう。というか、テレワークでPCを買った人が、果たして今のテレワークで多用しているのか?この国の場合は、なかなかそうなっていないところもあるかもしれない。

元々、PC出荷を増やしたのは、法人向けのリプレースもテレワーク対応のノートPCを中心に多かったためだと思われる。しかし、この手のリプレースは、減価償却の期間が2年~4年(資産としての価値と節税や税法の優遇措置が効率的に得られる期間)ほどあるため、暫くは戻ってこないのは当たり前である。これにGIGAスクールという性能がそれほどない学校需要なども重なったため、今年の出荷が伸びないのも頷ける。

元々日本は、人口が減少している国なので、今後も急成長は望めない。

そのため、こういう一括需要で売れてしまうと言うことは、PCを日本中心で販売しているメーカーには痛手になる。今だと、MCJやサードウェーブのようなメーカーは、特需を失うと厳しくなる恐れがある。本来なら、そういう先食いをある程度抑制するのが、国などの社会のはずだが、この国はそういう頭も既にないため、こういうメーカーが弱っていかなければ良いがと心配している。


日本の悪い点は、富士通やdynabookがそうなのだが、結局最後まで残るブランドが日本ばかりという状況で、身売りすることにある。
しかも、売り先も日本中心で売るメーカーという姿であり、結果的に小さくなっていく市場で、国内で名前が大きな大手ブランドが犇めくようになる。すると、新興の企業が育たないどころか、今回のようなことがあると芽を摘まれていくことも間々ある。そうならない投資環境で(旧態依然より、同じ分野でも新しい企業が育つ環境)あって欲しいが、なかなかそういう部分に目を向ける人がいないから日本は厳しかったのがこれまでである。

今回それが起きると本当に衰退がより早まることも有り得るだけに、注意が必要である。まあ、何か出来るわけではもうないのだが……MCJやサードウェーブはLenovoやMicrosoftの牙城を崩せなければ、海外事業なり、別の事業を模索しないと厳しくなってくるかもしれない。



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