コンゴ民主共和国の火山噴火は、日本でも起き得ること……どんなに科学が進んでも自然災害の予測は必ずしもつかない。

先週土曜日にコンゴで火山の噴火が起きた。
噴火したのは、Nyiragongo(ニ<ュ>ラゴンゴ)という火山(volcano)であり近年では1977年、2002年にこれと同じ程度の規模で噴火している。(尚、この間に噴火がゼロだったわけではなく小規模噴火は起きているし、他にも火口があるため、そちらでの小規模噴火は観測されているようだ。)

噴火前の標高※は3,470m(11,385フィート)である。この山は元々マグマを満々と溜めた溶岩湖(マグマ湖)が山頂から見えることで知られており、噴火直前に掛けて上昇するのが特徴である。近年は概ね15~25年周期で噴火する火山ということになるのだろう。

※噴火の前後に山体の膨張と収縮、さらに噴出物による変動が起きるので現在の標高とは異なることが多いので注意。

2002年の前回の噴火では10万人が被災し、250人が死亡しているという。
その前の1977年の噴火はもっと悲惨で、世界の火山観測史上最悪の溶岩湖の縁部崩落-山体崩壊-が起き、溶岩湖から多量の溶岩が60km/hという速度で流れ下ったことが記録として残っている。これにより最低でも600人以上が亡くなったとされている。(最低でもというのは実際にどれだけの人が亡くなったのか分からないためと思われる)ちなみに、この崩壊では僅か30分で溶岩湖の溶岩が全て外に漏れ出したとされる。

即ち、昔から極めて危険な火山の1つということになる。まあ、この国はこういう活火山がいくつもあるアルベルティーヌ溝帯(大地溝帯の西に位置する隆起山脈と湖からなる溝部)の中にあるため、活発な火山活動をする山が多い。

今回の噴火では、火山にほど近い都市、Goma(ゴーマ)に溶岩と噴石が到達しており、その一部はGomaの空港まで到達したそうだ。


尚、このGomaという町は、国境の町であるため、住民の多くがルワンダに逃げたというのが、昨日のニュースでは流れていたが、
詳しいニュースは以下の方が多いだろう。


今回はまだ何人が亡くなっているのか分かっていないが、子供が100人規模で行方不明であり、少なくとも数十人の死亡が確認されたという情報も出ている。多分これから被害の全貌は見えてくるだろう。残念ながら今分かる事などそれほど多くはない。


ここまでが、コンゴ民主共和国での話だった。

これは、ずっと遠い国の話だが、日本でも起き得る災害でもある。火山は日本には100以上あるわけで、現在進行形で噴煙を上げる火山も複数ある。桜島や、口永良部島が現在進行形で噴火活火山となる。

日本では今、立派な溶岩湖を持ち、それが見られるような火山は存在しないが、噴火の可能性があるとされる火山は多い。特に、東日本以北と、九州に多い。これはこれらの地域がプレート境界面にあるからだ。特に、関東の富士山、箱根の2つは噴火すれば首都東京にとって危険性が高いことが知られている。

尚、長期で噴火していない山の噴火は必ずしも山頂で起きる訳では無い。基本的に噴火口は地下からのマグマ圧に対して、溶岩道を作りやすい場所に向かって伸びるからだ。事実として言えば、全くの平地の畑や田んぼ、住宅の下にマグマがやってくれば、そこが数日で丘のように膨張し、山になることもある。北海道有珠郡にはそれを象徴する昭和新山という有珠山の子供となる火山がある。

大事なのは火山が噴火するのではなく、噴火した場所が火山になり、火山になった場所にマグマが通りやすい道が作られているから、その道が現役で生きて居る間は、同じ場所で噴火しやすいに過ぎないのだ。長く、噴火が滞ると、噴火口が潰れて新しい噴火口が出来ることは間々ある。それを日本人は忘れてはいけない。

即ち、日本も決して安全とは言えない訳だ。いや、もし本当に富士山周辺などで噴火が起きれば、コンゴの比ではないほどの死者が出ることになるかもしれない。以下は、富士山のMap画像だが、頂上が必ず噴火口になる訳では無いのだ。もしかすると裾野でもないかもしれない。あくまで、確率としては頂上に抜けやすい火山の道(溶岩道)があるはずというだけなのだ。



まあ、火山に備えることほど難しいことはない。きっとSARS-CoV-2/COVID-19の感染予測などよりも火山地帯で火山が本当に噴火したときの予想と現実のギャップは遥かに大きいはずだ。噴火する場所と規模によっては全く被害は出ないが、だからこそ被害がこの何十年、何百年とない地域では、被害が起きるような本当の噴火が起きると、大惨事になる。そして、何より恐ろしいのは、噴火は大雨や地震と比べても、その惨事が通過した地点周辺の地形変化が大きく、逃げ遅れれば助けが来る可能性が低く助かる確率がより低いことにある。

これは、摂氏数百度から数千度の溶けた岩石が迫ってくるわけだから、当然と言えば当然だ。水なら、多少救助隊員が浸かっても死にはしないが、溶岩は近づくだけで火傷するぐらい高い熱を持っているのだから。

日本ではだから、沢山の観測機器を使って観測もしているが、実はNyiragongoも観測機器は設置していたようだ。ただ、コロナ渦もあったのか、観測態勢が2020年から見直される(終了する)という話があったようで、それが実際に行われたのか知らないが、そうだったとしたら本当に不幸な結末になってしまったと言える。

災害予算は、災害が起きるまでの休眠期間が長くなるほど、その価値があるのかを問われるようになる。その結果、不幸が起きることは日本でも世界でも結構実際にあるものだ。だからこそ、災害の恐怖を語り次ぐことが大事であり、災害が発生しやすいと分かっている場所にその覚悟なく定住しないことも大事かも知れない。

だが、それでも何十年も経てば、人は逃げ切れると思うだろうし、何百年に1度の災害なら自分の代では起きないだろうと思うものである。
火山の近くにお住まいの人は、これからも生きていくというつもりなら、噴火しないだろうという発想では考えない事だ。自分は思い残すことは無いと言う人なら別だが、そういう人でも、そういう災害の時に別の人が自分の救助で亡くなることがないように、その旨を伝えておくことも大事かも知れない。




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