ソニー、2万2千円の5.5型スマホ「Xperia Ace II」。大容量/長寿命バッテリ搭載…… 安いと言ってよいのかは微妙だが、仕事用のスマホにはよいかも。
昨日のPC Watchの記事である。
5.5型でバッテリー容量も多く、良さげに見えるのだが、Snapdragon 82x系から買い換えても遅いと感じるケースがあるかもしれないぐらい遅いだろう。
搭載SoCは台湾のMediaTek MT6765(ブランド名はMediaTek Helio P35)である。 これの欠点は、UFSに対応していないことにある。
そのため、内蔵ストレージからデータを読み出す際に遅延が発生するのだ。
さらに、他にも問題がある。搭載しているCPUがCortex-A53のみ8コアであり、Big.LITTLEでいうLITTLEオンリーであるため、ワークロードそのものが若干遅いという問題がある。さらに、GPUがPowr VR Series8XEPであり、2017年に発表されたPower VRである。シェーダークラスターは1であるため、シェーダー演算能力がFP32換算で90GFlopsを下回る。少なくとも優れたゲーミング性能は発揮しない。
もちろん、仕事用のスマホとしてSNSや業務アプリケーションを使うならVRやMR表示をスマホで行うような仕事がなければ概ね全くアプリが動かなくて困るということはないだろうが、動きはSnapdragon 820系からの移行でも思ったより遅く感じる可能性がある。
820世代頃のハイエンドは比較的安く買えたが、その頃のハイエンド製品から最新だからとこれに買い換えるとガッカリすることも有り得る。
これが、P60/65製品なら、ベンチマークでもしない限り差を感じることはあまりないと思う。(それでもSnapdragon 82x系でUFSモデルの方が若干速い)
この辺が安さの理由となっている訳だ。
まあ、高さが140mmというコンパクトさだけで見ればこれは、小型なスマホを求める人には最適であるが、性能とのトレードオフが大きいというのが残念なところだ。Snapdragon 600/700系か、MediaTek Helio P60系でも使えば、誰にでも受ける製品になっただろう。
ちなみに、これはdocomoの専売で販売を始めるようだが、ターゲットは高齢者を含む中高年のようだ。
シニアプラン向けのスマホは、近年大手キャリアでは、機種を限定していることが多いので、そういうユーザーを狙って販売するのかもしれない。高齢者でもゲームとかをする人は近年増えているので、そういうユーザーが購入する場合は、それらのユーザーが使うアプリが快適に動くのかは調べてから購入した方がよいだろう。