シャープ、1インチセンサーカメラの「AQUOS R6」発表 …… 1インチセンサーは売れるか?

ネットメディア二社がいち早く記事を書いているが、SHARPのフラッグシップモデルが発表されたそうだ。1インチシングルセンサーを採用したモデルである。
果たして今からこれが売れるのかは分からない。が、PanasonicのAndroidモバイル通信対応のDMC-CM1デジタルカメラ以来と言ってよいのだろう。あれから6年であり、今だして売れるのかは難しいところだ。価格次第といったところだろう。


尚、スペックは以下の通りである。

画質レビューが出てこないと何とも言えないのが、SHARPのスマホカメラ機能だが、以前はGR Certifiedを取得してリコーの映像技術認証を得ていた。

だが、評価は凄く良いものでは無く、可も無く不可も無くだった。リコーっぽさがあるわけでもなく、結局、GR Certifiedはいつしか消えていった。
だから、今回のLeicaとの長期契約で果たして、相応の画質へと昇華できるのかは気になるところだ。

元々スマホでのLeicaとの提携はSHARPに始まったことではなく、近年だとHuaweiの複眼スマホに採用されていた。そして、Huaweiはスマホ事業を縮小を始めており、Leicaにとって利益を生み出す企業では無くなってしまった。これが、単眼の1インチでSHARPを選んだというのは、きっとそういうことだろう。本当なら、パナソニックがスマホを再開してくれれば、Leica的にも嬉しいのだろうが、それ以外で地政学的リスクや政治問題が起きにくい会社を探したら、SHARPになったのかもしれない。

後は、GRのようにならないかどうかと、もう一つ果たして今1インチで売れるのかという点だ。

既にスマホカメラの需要は、インチアップよりも光学ズームや複眼ズームの品質などに向き始めているからだ。センサーの大型化もされているが、1センサーでというのに戻るのかというと、なかなか難しい。コストの高さと、使い勝手の良さ、レンズの接触破損などのリスクとの兼ね合いもあるからだ。

複眼やマルチショット撮影(Camera HDR)による画質コントロールが可能な昨今、センサーが大きくて暗部や輝度ピーク画質が上がっても、複眼の強みと同等のメリットがうち消されていないことが証明されていく製品になっていることを願っている。

まあ、選択肢があると言うことはよいことであり、こうやって攻めるSHARPを見ると昔の日本企業のような雰囲気があって面白い。
もし、レビューなどが芳しくなく、初代が売れなくても、続けて改良をしてでも定着させて欲しいと思うし、出来れば今後サブ撮像センサー付きも考えた方が良いかも知れない。


尚、もう一つ気になるのは曲面ディスプレイだろう。これは利用者によって評価が割れるのでそこが気になる点だ。
最近はケース(手帳型、シリコン製の覆い型のどちらか)に入れるとは思うが、そもそも曲面ディスプレイモデルだと手帳型のケースに入れる使い方だと、そのデザインのスタイリッシュさが見えない訳で、その割に値段は高い。機種によっては誤操作の原因になることもある、その分普通のデザインで安くした方が良いとか……。

出来れば、曲面ディスプレイじゃない機種も欲しかったと思う。
きっとR7、R8と世代が繋がっていくはずなので、その期待を込めたいと思う。しかし、SHARPは鴻海傘下に入って本当に攻める企業になった。

この機種で、海外事業も売れるようになれば良いが……。後は、Galaxyと同等以上のOTA保守があれば、世界でも売れるかもしれない。
総じて発表時点で悪い製品ではない。バッテリー容量も多いし、SHARPらしくディスプレイにも拘りがある。さらに二本タッチ対応の超音波指紋センサー、12GB RAMとSM8350(Snapdragon 888)を実装しているのだから、足りないのはPMA/Qiのワイヤレス充電ぐらいだ。

後は、海外でも売れるようにするなら、出来ればこれにFMラジオ(ワンセグは要らないが、防災用にLTE/5Gネットワークを使わないラジオがあると便利)ぐらいが付いていると、もっとポイントが高いかもしれない。




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