Rocket Lake-S発表…… 最大消費電力(Power Limit-2)時-250Wだから……それからSGXが廃止されましたので、UHD BDは……
日付は少しずれたが、Rocket Lake-Sが発表された。
この製品はCypress Coveと呼ばれる製品で、Sunny CoveとWillow Coveの中間に位置する製品だ。実際にはSunny Coveとほぼ同じだが、一部にWillow Coveが持つ機能も搭載しているようで、それらのProcess expansion Edition(拡大・拡張版)となる。だからといって10nmのSunny Coveなどと全く同じでもないようだ。まあ、14nmに10nmの技術を組み込むため、全く同じには出来ない。
通常はshrink(収縮)なのだが、Intelの10nmの微細化では、高クロック動作においてyield rate(歩留まり)が低く、欠陥率が高いことから出荷が見送られ続けている。これは、本来なら既に出火されているはずのサーバー/ワークステーション/HPC向けプロセッサーであるIce Lake-SP(10nm)が、大量生産されるという話を除いて、未だにアナウンスがないことから見ても分かるだろう。
だから、微細化した製品では無く、熟れた14nmに大型化してRocket Lakeが急遽開発された。移植開発が始まったのは~17年頃と思われる。
ちなみに、タイトルに書いたようにこれはかなり消費電力が大きいことが既に、ES(エンジニアリングサンプル)の段階で発覚している。
Power Limit-2と呼ばれる最大モードでは、Core i9-11900クラスだと、225~250Wの電力を奪うという。
それなのにコア数は8コア、スレッドは16スレッドなので、Comet Lakeよりコア数は少ない訳で、実際の性能は内蔵のGPUやPCHの進化、AVX-512F(AVX-3.x・Intel DL Boost)などの新機能でのリードを求めなければ、性能のアドバンテージは若干あるかどうかぐらい(ESでの評価なので製品版は違うかも知れない)である。
即ち、I/Oの進化とiGPUやPCIe4.0を使うdGPUの部分を除けば、なかなか厳しい製品といえる。
ついでに言えば、USB4.0/Thunderbolt4.0には標準では対応していない。オプションでJHL8540(Maple Ridge)をオプションで搭載するマザーを買うか、PCIeスロットにホストを搭載すれば対応は出来る。
尚、メモリーホストのGearはあれば便利かも知れないが、役割として大きく性能を高めるかというと用途に寄るだろう。
Gear 1だからメモリーの速度が倍になる訳では無い。単純に、ホスト内での調停処理速度(クロック周波数)を2倍にするだけだ。即ち、符号化やアドレスに対するQueueの応答が早くなる。しかし、バス幅が2倍になるわけではない。強いて言えば、入出力が多いときに、ホストの混雑が理由で待ちが発生することは減る可能性がある。それだけだ。
消費電力や発熱がどれほど上がるのかにもよるが、結構上がるなら、長時間物理メモリーに負荷を掛けるような大規模処理で且つ、タイムイズマネー(時は金なり)のような緻密な処理を求めるなら良いかも知れない。
昔なら、Windowsでのゲーミングでも物理メモリーを介している分差が大きく出た可能性はあるが、DirectX 12 Ultimate対応のGPUを使うなら、Xbox Verocity Architectureの肝であるDirect Storage(MVMeのストレージから直接ビデオメモリーにバッファリングできる機能)が利用できるようになっているので、ゲーミングだと効果は薄いかも知れない。こういうのも製品が発売されれば、レビューが出るだろう。
尚、Comet Lakeに対する差は以下のようになるはずだ。
CPUとしてはDL Boostが売りだろう。
後は、iGPUだけで処理を完結させたいなら、悪くないかもしれない。
ただ消費電力がデカいので……T系にするとクロックが激烈に下がるし……アンバランスな感じだ。
即ち、パソコンが壊れた場合などで、どうしても買替えが必要でRYZENが品薄で選べないとかなら別だが、そうじゃなければ無理に選ぶプラットフォームではない。尚、この製品はSGXが外れているので、今のところUHD BDドライブを繋いでもUHD BDは再生出来ない可能性が高い。
ASUS Intel Z590 搭載 Socket 1200 対応 マザーボード ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI 【 ATX 】

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