米航空当局、航空機エンジンの緊急点検を指示-デンバーでの故障受け …… 事故にコロナに大変な業界。

ブルームバーグの記事である。


現地時間の2021年2月20日、13時04分にユナイテッド航空のUA328便(N772UA、Boeing777-222、登録1995年9月)の第二エンジン(PW-4077)から出火し、破損部品の一部(カウルと呼ばれるエンジンタービンのまわりを包む筒)が周辺の住宅街などに落下した事故で、日本でも米国でも同型機の緊急点検がアナウンスされることになった。

これは、日本でも昨年12月4日にJL904便(JA8978、Boeing777-289、登録:1997年6月)で同様の事故(第一エンジンが破損)が起きており、JTSBでは現在も事故に関して調査中となっている。ちなみに新聞社などの記事ではファンブレードの劣化破損としているが、それは最終報告のそれではなく、まだ確定していない。(にもかかわらず、そう断定している自称専門家も既に報道では出ていた。)

どちらでも、死者などが出ていないことで事なきを得ているが、もしも両方のエンジンで飛行中に事故が起きれば、大事故に繋がるだろうし、今回のデンバーの事故では、海面ではなく、住宅街の上空で事故が起きていたため、下手をすれば住宅に部品が直撃したり、自動車などに直撃することで怪我人や死者が出た可能性もあった。そのため、今後、この2件は、基本は別個で調査されるだろうが、同じ原因の可能性も鑑みて調査が進むことになるかもしれない。


<乗客への影響は少ないほどの受難続き>

しかし、航空業界は本当に受難続きである。Boeing 737MAXシリーズの事故による飛行停止から始まり、新型コロナによる世界的な移動制限が加わり、777のこれである。航空会社もBoeingなどの企業も点検などのコストが嵩むことになるわけで、大変だ。

コロナ以前なら、これに伴い航空機が不足して、一部の航空便が欠航して飛ばなくなる事態もあったが、日本ではこの停止に伴って欠航したのは1便だけであった。まあ、日本では既に777の数が少ないこともあるのだが、そもそも飛行機自体を飛ばしている数が今では、少なくなっており、それが結果的に客から見れば影響が少なくなった形だ。

それは、即ち航空業界が本当に深刻な不況下にあることを意味している。

航空機事故の歴史を紐解けば、経営体力を失っていくと、メンテナンスの効率化も過剰に進むことがそれなりに多くあるからだ。
これは、鉄道やバスなどの一般公共交通でも言えることだが、そういう状況がこれらのインシデントを起こしているのでなければ良いが。



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