現陽性急減期は終了…… 反転か、減少を維持出来るかの境目に突入。

回復と死亡を合わせた数が、平均2000人台/週、新規陽性の日別発表数が全国で1000人台/週を維持していることで、平均1000人台の減少が続いてきた現陽性だが、拡縮減少速度が目に見えて衰えを見せ始めた。新規陽性は先週から横ばいだが、回復の人数がそれに伴い減り始めているからだ。
基本的に回復者は10日から2週前以降の陽性確認者である。

そのため、2週間同じ人数で推移すると、一時的に若干上ぶれする日もあるが、週平均では微増か微減に留まり、3週間同じ人数で推移すると、週の平均は±0ぐらいに落ち着くと推定される。その辺りまでグラフ上では到達したかしつつあると考えられる。もちろん、新規陽性が急減すれば大きく減少するだろう。現状では、少なくとも関東などの都市圏はこれ以上厳しいと思うが……

以下が昨日の状況である。
調整中がそろそろ減少しずらい領域に入ってきている。これは、1日~2日間に発表される新規陽性者の範囲内に収まり始めたからだ。
この範囲に入ると、他の自治体でも調整時間が必要になることはよくある(みなし入院や未確定となる)。
即ち、既定圏内についに入ったと言うことになる。

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病床占有率も、都市部ほど減少速度が週で見ると上がってきている。
逆に、一部地方の下落率が停滞傾向にある。
人口平衡化では、千葉と東京、埼玉の差が殆ど無くなった。
興味深いのは、沖縄、北海道、大都市圏、石川の人口比感染状況が高めだ。九州東北と石川を除く北陸・山陰などでは低い。

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累計比陽性割合は、徳島が上がった。他は概ねあまり変化がないか下がっている。
全体的には下げ基調だが、下げの割合は今回の減少局面に入ってからは最も低い状況になっている。
これは、拡縮状況から見ても分かる。マイナス成長の横ばいから0方向へはっきりと上振れが見られる。

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重症者や死亡者の総数は減少傾向が続く。
ちなみに、東京の死者数は27人だった。重症者が減ったとかニュースでは流れるが、全員が全員じゃないだろうが、相応以上に亡くなったと考えても良いだろう。

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入院中の数については、減少速度が安定してきている。先に書いたように、調整中がほぼ解消されて来たことで、新規陽性者がこれからも減り続ければ、これも減り続けるだろう。しかし、当日回復者と陽性者の差は徐々に狭くなってきており、今後の減り方は、予断を許さないだろう。今週はもう週末で、稼働終業時間が近いので、そんなに急激に増えたりはしないと思うが(今日明日で若干逆転するかも知れないが)、本格的に逆転が始まるなら来週水曜辺りからだろう。

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変異株の状況は以下の通りである。状況としては拡大傾向が続いていると推定される。
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あまり良くない情報を書くと、東京と神奈川は、検査の絞りをまだ解除していない可能性が高く、その場合は裏での不顕性感染が広がっている可能性も捨てきれない。実際に、英国型のSARS-CoV-2はちょっと広がりが目に見えてはっきり出てきているように見える。
こいつは、誰の目にも数値上見える程、感染力が厄介かもしれない。

週にどれほどの検体を今、国立感染症研究所等の分析研究機関や大学で分析しているかは知らないが、1月下旬~2月上旬の英国型の感染者は、去年の2月3月に出ていた初期のSARS-CoV-2新規陽性者数を凌ぐペースで広がってきているからだ。昨年より感染対策などが充実しているのに、そのペースというのは今のままだと深刻な状況となる可能性も捨てきれない点が、今の危うさである。

一応なぜそれが分かるのかを説明すると、
この変異株は、去年の終わりの時期にほぼゼロから広がっている。それは即ち、去年の感染拡大と比較が出来るのだ。研究する側にとってはデータを取りやすいという特徴があるのだが、だからこそ、少し考えると誰でも感染速度の速さと強力さが見えやすい。20日から30日誤差を付けても、私自身が想像した以上に早い感染が広がっているように見えるからだ。

今は海外から旅行客を受け入れていない状況で、感染者が拡大しているのも考えると、本当に1.2~1.7倍なのかも怪しい。(去年は北海道など旅行者が集まる場所で感染が広がっていた。しかも、社会では恐れてはいたが感染対策も不十分だった。)ちなみに、ブラジル型の株や、南アフリカ型は今のところ国内での増加速度が速いわけではないようだ。若干感染率が高い可能性があるものの、凄く高い感染力という雰囲気は今のところ無い。

と私は過去のグラフ等を見ながら推計している。

それからもう一つは、COCOAの不具合問題がある。iOSでもAndroidでも不具合があったことで、これが改善された後にどのような状況になるのかは、分からない。

閑話休題。

そういう状況の中で、これから感染が再び増えて山登りを始めるのか?それとも、少なくとも現状維持を出来るのかの境目まで今週は到達したと思われる。

来週からは、山はさらにゆったりと裾野を辿って下っていくか、凸凹と上下するか、それとも第四波の準備に入るか、それへの一歩となる週だろう。
ゆったりと裾野を下る流れだと、横ばいに近く数字には出にくいだろう。凸凹と上下するのは、概ね横ばいの場合に出る傾向だ。週末にかけては増加し、週初めに減る流れに戻るだけだ。
後は、増加に転じるパターンだが、これは書く必要もないだろう。

減少が続くならいつ緊急事態などを解除するのかという話になるはずだ。

一方で、ここからもし減らないとして、いつ緊急事態宣言を解除するのか、これで満足な下げとして認められるのか?というのも、また難しい。
昨日も書いたがまだ8月水準にも達していないわけで……ものすごく微妙だ。上記したとおり、英国型の雰囲気がかなり厳しいこともあり、もしも、解除して感染が拡大したら既に切り札と言いまくっているワクチンの接種計画にも影響を与えるからだ。

何となくだが、4月の高齢者等の予防接種開始までずるずる宣言を延期するか、3月の頭までに解除するものの、自治体での制限を維持するかといった施策がとられるのではないかと私は思っている。まあ、どこかで全解除に動く可能性もあるが、その場合は気温や気候などに賭けるパターンだろう。

その場合、沖縄や東南アジアの現状を見ると、気温や気候だけではなく、市中での感染飽和度(キャリアとなっている人が町中にどれだけいるか)も影響していると思われ、本当にギャンブルになるかもしれない。

どちらにしても、ここからは判断するのが困難になっていくだろう。一歩間違えれば、英国型のウィルスを一気に広めることになるかもしれない(その場合はワクチン接種計画もズレることになる)し、だからといって、ダラダラと自粛政策を続ければ、経済界から非難されたり、自殺者などの増加に繋がるだろう。
感染が少し減るとすぐにその話題から離れてしまって、尻切れになるこの国では、ここからが本当に大変だと言うことを伝える人もいない。


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