現陽性は週末も減少……但し、未だに調整中・未確定等は1万人を超えている。

まず今日は、集計の仕方を1自治体で見直した件から書いておく。

データを集めて集計、分析する中で神奈川県の現陽性が他の自治体と比べて少ないことに気が付いたのは、今年に入ってすぐのことだった。
神奈川は私が調べる限りでは当初から回復患者数を自治体としては公開していない。

だから、1日分ほど未確定バッファーを持たせて作業していたのだが、それで計算すると時々、回復から数字を戻さないといけないことがあったのも気になっていた。そこで、週末だけ未確定日数を調整したりしていたわけだが……。それでも、他の自治体の集計値と比べると変だった。

元々、日本では陽性と診断された患者なら9日~10日は療養観察(入院とは限らず、移動制限と観察が求められる)が必須となる。
そのため、9日~10日以上は患者が溜まっていくわけだ。端的に言えば、毎日必ず100人陽性が出続けるなら、10日目には必ず1000人の陽性者としてカウントされる。10日目~11日目(9日~10日)に100人全員が症状なしや陰性と判断されれば、晴れて100人回復する。しかし、神奈川は、その期間分の人数よりこれまで1割~3割ほど低くこのBlogではカウントしていた。もしかすると、検査をする前から療養をしているなら、減るかなとも思ったが、他の自治体を見てもその傾向はなく、少なすぎると分かってきたので、修正することにしたのだ。

ちなみに、ズレ日数は3日(これまでは1日)である。結果、この週末でその部分を補正し+2日ほど未確定・不明で溜め続けることにした。
いや、もちろん感染者の発表が3日以上ずれているなら有り得るのだが……それがあったなら、逆に今日発表される患者は3日前から陽性になるわけで、どちらにしてもこの集計に誤りはないと見なすことが出来る。

実際には4日分でも良い気はするが、3日あれば、取りあえず10日ラインに匹敵(達してはいない)するので、そこまで溜めることにした。尚、他の自治体は11~13日ぐらいで推移しているところが多い。但し、9~10日内ぐらいのラインの自治体もあるにはあるので、このぐらいなら妥当かなとみている。

というわけで今後は、神奈川では未確定が3日分溜まることになる。そして、その影響で神奈川の数字は昨日プラス(635増)に転じている。


それから、今日から死亡の項目に死亡者の最終予測値も追加している。
但しこの数字は、総数ベースで計算しており、感染者の年齢区分を元にした死亡率を、利用していないのでズレる可能性があることに注意して欲しい。
また、当該の数字はあくまで、その日時点の陽性者数に対して、どれだけの人が亡くなる可能性があるかを示したものであることに注意して欲しい。
例えば、一昨日(1月30日)の数字で示すと死者数の最終総数は以下のようになる。これが、死亡円グラフ内の中に項目として追加される。
SX1.png


本題である。
今日は、北海道の集計がいつも通りの状態だ。
後は、山梨と京都が週末で詳細集計停止(療養状態と退院の集計が未確定)している。

現在陽性患者は、週末にかけても引き続き減少した。
減少幅は、神奈川の集計変更を考慮した場合で、概ね土日で同じぐらいか、少し鈍化したような雰囲気だ。
京都と、山梨の週末停止を考慮した場合でも、金曜日の6割~7割程度の減少と思われる。そろそろ減少幅も1000以下になってくるかも知れない。

現陽性の療養割合は、自宅療養が、入院宿泊調整中が である。入院宿泊準備調整はまだ2割を切らない。
その他や調整中、未確定、不明を足せば1/4をまだ超えているのだから、厳しいことが分かる。

一方で確定入院中は微減ではあるが、殆ど横ばいと呼ぶべき状況だ。患者が多い都市部で捌けなければ急激な減少は起きないということだ。

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病床使用率は福岡が、100%超えとなっているが、実際には協力病院入院があるので、78.72%であると思われる。
後は、北海道が75%までまた持ち上がってきている。

人口平衡化割合は、沖縄が神奈川や福岡を超えるほど急激に陽性者数を増やしている。
宮古島の集団感染が影響している訳だ。それから、現陽性指数では東京の減少が勢いづいているため、千葉より下がりそうな雰囲気になっている。
まあ、東京と神奈川は、積極的疫学調査をしていないのでそのアドバンテージが効いているのだろう。

これが、ずっと機能し続ければ良いが、多分多くの人は機能し続けるとは思っていないだろう。
はっきり言って、代わりとなる不特定多数をピックアップしての指標検査もせずに、積極的疫学調査を止めている時点でこの国や地方自治はかなり狂っている。

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感染拡大が深刻な自治体は以下のグラフを見る限りない。
沖縄もパーセンテージとしては下がっている。ただ、これにはこの集計における欠点が反映されている。
既に回復済みとなっているこれまでの感染者数が極端に多いと、割合が上がらないからだ。沖縄は7月~8月に極端な感染増を起こしており、
その影響がここに出ている訳だ。
さらに、沖縄県は元々島嶼部が多く、医療体制にばらつきがある。高度医療を賄う病院自体も少ないので、この割合でも危機的なのだ。

尚、昨日現在3割を超えているのは、和歌山のみである。
下グラフ右下の一週間の拡縮平均は、-0.73%付近で横ばいである。これは、今も確実に減少が続いているということを示している。
但し、割合が横ばいということは、減少数で見ると徐々に減っていることを示す。
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重症者の推移は若干の減少を示した後、横ばいに転じている。依然として大阪の重症者が多い。
東京は減少傾向である。神奈川は高止まっている。重症者の殆どが、大都市圏で占められていて、地方の重症者は減少が続いている。

死亡には、最初に書いたように今回から予測と累計、累計に対する今回の死亡者割合が追加された。
昨日時点では最終予測では、759人~1057人陽性者の中から死亡者が出てくる計算で、6500人~6800人ほどが亡くなられると推定される。

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最後は、回復、入院中、新規の割合や自治体別の比率である。
最初に書いたように、神奈川は3日分未確定を増やしたので、現陽性が増えている。もし、この計算をしなかったらどうなっていたかを
書いておくと、126人マイナスとなっていた。神奈川県も実際には減少が続いている。

ここで最も大事なのは、調整中未確定が最も多い自治体のワーストが東京から千葉にバトンタッチしたことだろう。(一番下の棒グラフ)
東京が急激に患者数を減らしていることがはっきりと分かる点だ。これはが、積極的疫学調査の縮小も影響しているのはほぼ間違いないだろう。

尚、左上の回復退院数と当日陽性の数字は、神奈川の影響が出ているので、ちょっと不規則に推移していると思われる。

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グラフ元となる全体の集計は以下である。
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昨日は、西日本も殆ど全域で現陽性が減っている。即ち地方での縮小傾向は健在であると言える。
通常は週末になると回復数が減り、陽性数が増える傾向にある中で、これまで通りに検査態勢が維持されているなら、良い傾向と言えよう。
しかし、一方で気になる点もある。それは、関東での急減が終わりつつあることだ。今後は900減とかそういう数字は出なくなっていくだろう。

そして、地域によっては徐々にプラスに変わっていくかも知れない。
まあ、政府は中途半端な緊急事態宣言を、1ヶ月延長するつもりのようだが、それが1ヶ月延びたお陰で改善するのかと言われると、残念ながら微妙だ。
先週の沖縄のようにならずに、ちょっとずつでも下がり続けることが大事であるが、今の状況で減少幅が鈍化しているのを見ると、そろそろ制限に対する下げ幅の限界を迎えそうだ。



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