2日連続減少中の現在陽性数……2週前の患者療養が終了して昨日も減少。但し、昨年12月31日以前の水準には遠い。

昨日減少を書いたが、今日も減少した。減少の原因は、昨日書いたとおりが2週前の急増分が今療養終了となって、回復しているのだ。
昨日の自治体発表分では全国で現陽性者は-2700ぐらいの(昨日は京都の集計が結局飛んだのでその分多少多くはなっている)減少となった。
この考察と今後の推移は一番最後に書く。


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昨日も現在陽性は減少した。一昨日の減少よりさらに大きく減っているのが分かる。
ただ、昨日も書いたが状況が大きく好転している訳でもない。東京などが一気に増えた分が10日の無症状などの療養終了を経て吐き出されているだけで、
先週と今週は今のところ、状況に変化はない。ピーク値で止まっている訳では無いが、少し抑えたところで高止まりしているという雰囲気だ。
積極的検査を停止している神奈川のような自治体もあるので、今が減っているとみるべきかというと、何とも言い難い。

尚、陽性者の療養状態を見ると分かるが、確定入院率が増加し、準備調整が下がってきていることが分かる。
まあ簡単に言えば、医療機関に入院出来ない入院すべき人というのを、待機させてきたが、新規陽性者の確認が最悪期より少し低いラインで留まっているので、入院出来るようになったという訳だ。要は、溜めた借金を返済しているような状態である。

だから、医療機関の状態が改善するにはほど遠いといえる。


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それを示しているのが、病床占有率だ。現陽性が減っている自治体の多くは、既に病床が逼迫している地域が多いので、全国でみると
余り代わり映えがしない。上がっている自治体もあるので全国で総数が減っても、実際の医療機関にとってプラスとはなっていない。

人口平衡化をみると分かるが、東京など関東の割合が少しずつ下がっていることが分かる。その結果、他の増加している自治体や、関東に比べて変化が少ない自治体が相対的に増えて来ている。即ち、関東が突出していたのを抑えただけに過ぎないとも言える。

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重症者の推移は昨日は少し減った。厚労省の集計は取得時間と対象が違うと思われるので、増えているが、今日の集計では減るかも知れない。
地域では東京が大阪と並ぶまであと5人である。

死者は、大都市圏が大半を占めている。一昨日(昨日のBlog記事)では100人だったが、昨日は91人だった。
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陽性割合は全国平均で1%減少した。ただ、関東周辺が大きく減ったから下がっているだけで、全体でみると昨日ほど全国で下がっている感じはない。


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自治体別増減では、埼玉が突出して減少したが、関東だけで2500ぐらい療養解除となった。
尚、増えている自治体は西日本と東北・北海道に多い。一方で、関東は全自治体で減少、東海北陸は減少が何とか超過し、関西は大阪が突出しているだけ、中四国九州は、減少より増加の方が目立っている状況にある。即ち、地方で増加傾向にあり、三大広域圏(東京、大阪、愛知)が減っていることになる。
回復者の自治体内訳は、関東1都6県67.573%を占めていて、全国の1/3に達している。

尚、入院数は14601人、退院回復の数(死者除く)は8137人、陽性確認数は5520人だった。
調整中は東京で7000人を切っている。


さてここからは、これからの減少推移と昨年の12月31日以前(当時の陽性数:38,295人)の水準に戻る見込みが立たないことについて書く。
まず、減少の推移についてだが、今の日に5000人~6000人の状況が続いた場合、現陽性は最終的に61000~63000ぐらいまで下がるが、それ以上は下がらないと思われる。

これはなぜ今減少しているのかと密接に関わることだが、今減少しているはちょうど10日前~14日前頃の陽性が判明した無症状・軽症患者の観察と療養が終了しているからである。無症状だとだいたい10日、入院だと14日(早期退院なら退院後数日)ぐらい療養扱いになる自治体があるので、10日~14日がいわゆる88~95%の療養日数になると思われる。これにそれより長い療養日数(中程度から重症)の回復者が~28日(約10%)、完全回復はなかなかしないが重篤患者(それ以上~48日未満)も0.3~1%未満ぐらい回復(別の療養機間に転院)して行くわけだ。

そうすると、例えば2週間ずっと5000人患者が出て続けるとしたら、10日後に約4500人ぐらいが回復するわけだ。11日後には4500+60人ぐらい回復する。という計算になる。では、14日後に療養している患者数は何人かというと、累計70,000人の陽性者に対して、10日目に4500人解除、11日目に4560人解除、12日目に4620人解除、13日目に4680人解除、14日目に4740人解除ということになり、推計で23100人が回復し、推計で46900人が療養中となる。5000人の新規患者が続くと、4.5万人を下回ること自体が出来ないのである。ちなみにこの数字は、重症化率や中程度などの患者の割合がこの数字で確定している場合であり、医療の状態などによって上下することはある。
高齢者は重症化率が上がるので、療養機間が長くなるとか気候の条件などもあるので、実際にはもう少し高くなるだろう。

だから、新規患者数が2週の間に1000人でも減れば、2週後には回復数が2週前の新規感染者の数に連動して増えてくれる。
その代わり、1週間過ぎて元の数字に戻れば減少幅も縮小する訳だ。

今は、2週前に沢山出てきた陽性者の療養解除のお陰で減少しているが、今の状態だと来週は大きく減る可能性が下がる。先週と今週の新規陽性確認数が横ばいだからである。しかも、12月31日水準まで下がることもままならない。上記で5000人の例を挙げているが、あれがほぼ当てはまるため、3,8万人まで落ちることはないのである。

ちなみに、陽性患者(無症状/不顕性)療養の目安は厚労省が出しているものだが、政府がまともなら、緊急事態を発出して10日~14日ぐらいで判断をある程度決められるはずだが、この国はそれをやっているようには見えないのは、今の状況を見ても分かる。


ということで少なくとも今の状況だと来週は、新規陽性者が今週より減らない限りは増加か停滞になるだろう。
その先は分からないが、今停滞している理由が何によるものかにも依存しそうだ。どうも、極端に寒く雪が降ったりすると、不要不急の外出率が下がり、検査を受ける人も減る地域があるように思える。それが、北陸や東北、山陰、北海道の患者数にも微妙に影響しているようにも感じるからだ。また、神奈川の縮小している検査状況は予断を許さないし、1.5倍以上の感染強度を誇る変異種亜種がどれだけ流行しているのかにもよる。

これが、既に年末から旧株を押しのけて広がって今の感染力ならまだ良いが、まだ広がりの初期段階で、検出数も少なく、これから感染が本格的に始まるなら、もしもその感染強度が日本でも明確にあるなら、これから本当の意味で厳しい状況になるかもしれない。今5000人で維持出来るとして、1.5倍~1.7倍の感染力だと、どこかのタイミングで7000人、9000人、13000人ぐらいと日々または週の感染が一気に拡大し始めるはずだ。

感染力が1.5~1.7倍だと端的に言えば1つのウィルス株が1.5~1.7倍のスピードで増殖(呼気として放出を含む)するか、1.5倍~1.7倍空気中で感染力を保持できるといった差があるはずなのだから。

既にこれまでの感染拡大がそれによる影響ならまだ良い、まだ広がりもないけど、市中に多少出回っているなら、今までの増加など目じゃない拡大がこのままだと置きかねないことを示す。


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