3連休明けで観察明けが多く出た火曜日の集計……東京は+106に留まるも、神奈川が+591、千葉が+241、全体では1000以上増……

三連休明けである昨日の全国でなお現陽性者は増加した。既に2週間以上現陽性者の数は増え続けている。
しかも、今回の増加数は、1月1日~1月4日までの一日平均より多かった。但し、下のグラフ右上の赤棒を見ると分かるが、一週間の陽性者増加数は、11日の23,100人を下回り22,602人まで減っている。週明けは少なくなることが分かる。まあ、今のところは気休め程度だが……。

陽性者の数は福岡が3236人、愛知が3288人と後52人にまで近づいてきている。また最近増加していた佐賀県とこれまで少なかった徳島県が32人、35人の新規陽性者を出したことで、まだ低い柱ではあるが、徐々に成長する兆しを見せている。徳島で30以上が出たことで、四国4県は全てで広がりが止まらない状況になったと見て良い。

全国の感染者の療養状態で見ると、圧倒的に多いのは依然として自宅・その他で38.95%となる。
次いで準備調整が23.14%と高い。入院中は22.74%、宿泊施設が11.54%、施設療養(指定病院以外の療養・協力病院を含む)が0.65%である。
この他に未確定が4.26%ある。

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入院病床占有は、東京が80%台で高いが、既に7割台の自治体が増加してきており、東京だけが極端に突出しているという雰囲気も無くなりつつある。
どちらかというと、今心配なのは、重症病床が各地で徐々に埋まってきていることだろう。重症病床はSARS-CoV-2/COVID-19のためだけに全て埋めるのは避けたいところだが、6割の兵庫、5割の埼玉、ギリギリ4割で持ちこたえている愛知などはかなり深刻だと思われる。

人口平衡化は関東の増加が激しく、既に栃木、埼玉、千葉、神奈川と東京の5都県が大阪をも抜いている。また、福岡が大阪に迫っている。

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重症者は増加曲線を辿っている。例え、感染者が減り始めても、1週は増加を続け、その後高止まるので暫くは増えるだろう。
東京の比率が着実に上がっており、大阪に迫っている。神奈川はあまり変化がないが、この先死者増という形で1週間後に出るようだと、病床の問題があるのかもしれない。死者数は、大阪と愛知が多く、全国では昨日の50人より2人増え、50人台/日をキープした。50人/日でも1550人だが、今のペースだと60人~70人/日で、死亡者は2000人/月ぐらいになる計算だが……下振れする可能性は低い。今の状況だと上振れするだろう。推定で見ると31日までトータルすると約80人/日で2500人/月だったぐらいなら想定域だろうが、それを超える可能性もある。

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現在陽性の割合は、栃木が5割目前に達している。今までの患者総数(2699人)に対して、今約5割の患者が療養中(1313人)というわけだから、その深刻さは大きい。ちなみに、東京や神奈川も累計総数の1/4が今陽性で療養している人である。。
まあ、このグラフで見ると感染が広がっているのが明確なのは、西日本の方だが……。特に四国3県がウィルスの猛攻と戦っていると言える。

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入院患者の総数は今もゆっくりと着実に右肩に上がっていく。それに対して、国内当日陽性者は、9日をピークに週末と祝日の影響で一旦下がった。
そして、昨日は回復が3400人近くまで達して陽性と回復の線グラフが1100差まで接近した。これは、1月8日の837以来の接近である。ただ残念な話をすると、そもそも1100なんて超過は昨年だと、木・金・土の多い日に出ていた数字であり、この1100という差は昨年の週明けならとてつもなく衝撃的な数字だっただろう。

これが、今日も接近するか逆転するなら良いが、離れていくようだと……
週末に掛けてまた増えるようだと、今の緊急事態宣言など意味を成さないということだろう。

自治体別の現陽性の増減は、東京が思ったより増加幅が小さく留まったが、106確実に増えている。
マスコミは毎日東京の新規陽性の数を全国に向けて発信し、1000人以下は何日ぶりとか言うのだが、実際に医療機関や宿泊施設から患者が減っている訳では無い。現陽性は昨日の東京だと106人増えており、106人分医療機関などがさらに窮地に立たされたと伝えるべきだとは思う。まあ、速報ではこの数字が出ないのだが、速報は煽らず事実の人数だけを伝えて客観や主観の何人増えた減ったは伝える必要はない。

尚、新規陽性にしても現陽性にしても、少しでも減るかどうかは明日以降の数字次第だ。
今日はまだ、週末分の残りと、週明けの午前分(昨日分)が含まれた状態で吐き出されることも結構あり、週明けの引き継ぎ業務などと合わさると、今日発表分も本来の検査能力に基づいた数字にはなりにくいからだ。それだけ、遅延しているということであり、発表イコール、その日の陽性では既にないということだ。

週明けの回復者数は私が思ったより多かったようだ。
これは、感染が広がっていない地域では転帰・軽快退院や経過観察の終了確認を週末の少数体制の時ではなく、週明けに行うためだろう。
後は、京都や山梨の週末蓄積分が吐き出されたのもあるが、こちらは思ったより多くなかった。
一番驚いたのは、前後して同じ事を書いているが、東京の転帰が800人規模だったことである。予想では、過去の流れから見ても670ぐらいだと思っていたのだが、遥かに多かった。また埼玉は純減で162も減少している。一方で、関東広域圏としてみると、神奈川、千葉などが数字としては悪い。この辺りを見ると、これはあくまで一時的なものであると考えられる。

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最後は全体の表である。
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今の状況を見て減り始めたという兆候はまだ見られない。
これが見えてくるのは、明後日(ここに公開するであろう)集計以降である。効果が出ているなら陽性率が下がってくるだろうし、現陽性が来週に掛けてマイナス転換する程度にはなるだろう。ただ、中途半端に下げて、そこで停滞するような緊急事態宣言を続けると、大阪や沖縄、今からでも悪化しかねない北海道のように、ある段階でプラス転換が始まり、施策の効果が薄れ始めるが……。

人は、慣れる生き物であると同時にずっと緊張状態を維持は出来ない脆弱な生き物であるため、段階的に厳しくするとか、赤、青の信号の間に黄土色、黄色、橙色のような色を追加していくと、ルールを守らなくなる生き物である。

日本は、その段階的なステップを未だに増やし続ける国だが……これは、気象災害情報もそうだが、日本の政治と行政における悪い癖である。
複雑にすれば凄い立派な仕事をしたかのように見えるのだが、実際は効率が悪くなる。本当に必要なのは、複雑さよりも明確に止まる進むという基準と安全補償である。



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