増え続ける陽性者数……急拡大期に突入した12月8日の中四国九州

ついに、中四国九州でも本格的な急拡大の時期に突入したようだ。
福岡では施設感染が発生し、80人台の患者数に突入した。広島は未だに全域の感染が減らない状況にある。やっと大分と宮崎が減るかも知れない雰囲気を見せている中で、熊本は増加傾向にあり、佐賀も福岡と一緒に増加に転じている。鹿児島も先週から増加の兆しがある。そして、ついに香川で10人台の感染が2日続けて見つかった。愛媛がようやく収まる兆しを見せている中で、急騰した形だ。

さらに昨日は京都でも最悪規模の感染発表となっており、感染がここ数日出ていない自治体は今や秋田ぐらいだ。人数では鳥取が下回っているが、鳥取は感染者が頻繁に見つかっているからだ。


<もう経済優先できる地域など殆どない領域へ>

こんな中途半端な施策をしているのは本当に日本ぐらいのものだ。どっちに舵を切るのかさっさと決めるべきだ。

経済なら、経済を回すかわりに医療への資金支援を徹底しなければいけないし、命の選択を国会などで議論して早く、その指針を定めるべきだ。
その代わり当然だが、今隠れている国会議員さんも経済活動には協力して、金があるんだから金を使いまくれよ。視察とかもっとやれやということになる。感染しても仕方が無い。実際に、経済重視の国では首相などが感染するケースが多い。彼らは隠ってなんかいなかったからだ。

命をというなら、はやくロックダウンの時限立法を審議して通すか(既に国会は終わっているので通せない。特別国会を召集する必要がある)、自粛要請をもっと広い範囲で出すべきだ。最低でも、活動自粛の指針ぐらいは本気で示さないと、本当に経済も、社会も、医療も全てが干上がるだろう。今の利権に埋もれた国会議員と心中するのを望む人など、きっと世の中には殆どいないだろう。せいぜい、支持率調査で50%も支持に入れた人か、その調査をした人、そして今も政治家から貪っている人ぐらいだ。


<現実の数字>

というわけで、本題のグラフである。
現陽性は昨日の集計(一昨日分)は1000人ほど減少したが、今日の集計(昨日分)では、再び増加した。
結局、全国で見ると、これまで感染が少なく感染抑止策を講じていない自治体で感染が広がり始めており、それが患者数を押し上げている。
また、既に感染が拡大している地域でも以前に比べて、抑止策が緩やかか全く手つかずになっており、新規での患者発生率が期待ほど下がらず、高い状況が続いている。結果、先週よりも全国の数字として見ると実は数字が悪くなっている。

実際に下グラフの右上を見ると分かるが、西日本で仮に今陽性の人を全て入院させたた場合の感染症病床占有率に4割以上が急増している。これ、4月や5月の頃の対応なら、既に医療崩壊の危機と言われていた水準だ。今は、全入院させていないから余裕がある自治体がまだ多いが、あの頃とは比べものにならない速さで、検査結果が陽性になる人が増えているのが現在である。

下グラフの下側の状態区分では、東京がついに陽性人数で国内トップに返り咲いたのも、特筆すべき点だろう。
まあ、まだ東京は感染症病床の数が多いので、厚労省統計に基づく病床使用率は低く収まる訳だが……人口が多い分、他の病気の患者も多い訳で、かなり厳しいはずだ。また、北海道や沖縄は減少が続いているが、これらが安全に戻った訳では無い。実際は北海道だと札幌の新規陽性が減っているから、数字には出なくなっただけ。沖縄は、やっと待機患者が捌けつつあるという状況で、医療のギリギリ際どい状況を完全に解消したわけではない。この辺りも後述する。

後は、東京近郊と大阪近郊の都市圏と愛知周辺は、棒が着実に伸びてきている自治体が多い。
そして、広島に次いで福岡が急伸を始めた。
20201208_A.png

以下のグラフでは、重傷者の推移がやっと、急騰から緩やかな(直線的な)上昇へと転じた。
ただ、減る気配がない。重傷者が沢山いる自治体の数も徐々に増えてきている。

病床占有率は30%がザラになってきた。全体として一つの都道府県でぶっちぎっていたのが、先週の前半までだったが、そこから昨日までで、その落差が縮小し、どの自治体でも入院や療養者がある程度の割合まで底上げされ始めている。こんな状況だから、知事会に大阪府が要請しても看護師は集まりにくい。どの自治体も、戦々恐々としているはずだ。

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人口平衡化グラフでも、西日本を中心にグラフの上が伸びてきている。
また、関東と大阪近郊でも伸びが見られる地域が多い。これは、既にある都市部を抑え込んでも、その周辺が感染を拡大させる状況にあると示す。
そして、死者も変化が出てきている。関東の広域圏や東北、北陸などでも死者が出ており、エリアが分散され始めている。

20201208_C.png

そして、最後は、陽性入院グラフだ。
下図左上
新規陽性の患者(黄緑曲線)も回復患者(赤曲線)も、一定の水準に留まっているのが分かる。
問題は、黄緑の曲線が一番高く伸びた時期から既に2週間達しつつあるが、赤は期待より伸びていないという点だろう。
これは入院の伸び率が停滞した時期に重なった患者の回復が遅れている可能性を示唆している。
だから、下図右上のグラフにあるように、現陽性の患者が超過する状況が今も続いている可能性が高い。

実際に下図下の入院準備、調整中の患者は今も全体で見ると減るどころか増えているように見える(大阪など極端に多かった地域が少し減ったが、他が増えた)ため、この先も状況が短期で好転する地域は少ないだろう。

20201208_D.png

尚、この発表される数字も、自治体の対応が追いつかなくなってきている中で、意味を持たない地域が増えている。
どういう意味かというと、感染が分かった患者の情報が出るまでに数日の時間差が出ているケースが増えているのだ。
その結果、今日発表された新規患者でも実際に陽性が確認されたのは一昨日ということも出るようになってしまい、今現在の実態として反映されなくなってきているのだ。

これは、陽性率を求めて居る人が未だにいるのもそうだが、一部自治体では既に当日の陽性率は意味を持たなくなっている。
本来陽性率というのは、検査数に対しての陽性じゃない。例えば、同じ人が、経過観察中に初回陰性で、2回目陽性ならこれを一連として陽性にしなければいけないからだ。しかし、今それが出来る余裕のある施設などないはずだ。その結果、率が下がることもあれば、逆に再検査の割合の方が高く上がる日も出てくる。

すると、市中で今感染している人が一体幾人いる可能性があるのか分からなくなるわけだ。

だから、感染の先行きが今果たしてピークなのか?それとも、ただの途上の踊り場なのか?も分からなくなっていく。もう、この状況を改善出来るのは、夏が来るか?またはワクチンを接種するか、またはロックダウンなどの思い切った施策をとるかいずれかしかない。少なくとも、GoToに追加予算を配分するという話じゃないのは間違いない。それを望む人もいるだろうが、それを望んだ先に成長があるとは既に思えず、下手をすれば廃業資金を貯めるためとかそんなレベルになる恐れの方が高そうだ。




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