SARS-CoV-2/COVID-19……12月7日は大幅に現在陽性が減少も週末増加分を減らすには至らず。
昨日の暫定集計a3(午前版)を公開する。北海道の数字が最終ではないが、この後に差し替える予定はない。
先に簡単に状況を書くと、昨日は週末は入院・療養集計がされない自治体のデータが動いたため、始めて1000人規模で陽性者数が減少した。
しかし、週末2日間の陽性超過は土曜日が+917人、日曜日が+528人だったため、昨日の-1085人を差し引いても、土曜-日曜日までの陽性超過は+360人と超過状態だったことが判明した。北海道の集計では既に退院患者は暫定確定しているため、この数字は動いても数人である。そう考えると、まだ全国的に現陽性患者(新規陽性患者ではなく、7日時点で陽性扱いで療養対象となっている患者)の拡大傾向が続いていることを示している。
以下がその表になる。
何か大きく変わったという風でもない。
強いて言えば、全体的に感染(入院や療養中の患者)が少ない地域が減ってきていることと、一部の極端に多かった地域の療養待機が減っているぐらいだろう。逆に増えている地域もあるので、微妙だ。
尚、今感染拡大期にあるのは中四国九州沖縄に変わってきている。
特に中四国は明らかに増えてきている。
以下は中四国の感染者状況だ。
青グラフは感染が発覚した患者のグラフである。グラフが右端までいっている日付は、その自治体において(縦軸に対して)これまでの集計上(最初に関東で見つかった患者から集計して)で過去最高を記録した日である。右端まで棒が伸びている日が多いなら、高い率で感染が広がっていることを意味する。
10月の1日~12月7日までの2ヶ月と1週間で、2倍を超えるペースで患者が増えたのだが、
これまで、感染が抑えられていた高知で急拡大を始めているなどこれまでの感染拡大とは雰囲気が違う。何というか、鳥取や島根でもちょろちょろと感染が出てくるようになったことに加えて、高知での感染が大きく出ていることが、その違いを際立たせていると言える。
高知の場合は、
その前には愛媛で感染が急拡大していたが、それが収まり始めたら高知というのが、ポイントかもしれない。これは、山口(広島のすぐお隣の岩国市が中心だったようだ)で感染が拡大した後、広島県内で感染が拡大(見つかった)したのからも、見られることだが、隣県で融通しているか、融通はしていないが同じような生活圏があり、時間差で感染が見つかっているように見える。
しかも、今回の波は過去最大規模であり、1度この波に乗ると、岡山や香川、山口のようにずっとダラダラと感染者が見つかる流れを生み出すのだろうという予測が立つ。これは寒さや日照時間の減少も後押ししているのだろうと思われる。昨日は、大雪で日照面ではまだ冬至まで時間がある。さらに、大寒までは1ヶ月以上あるわけでこれからもっと増えていく覚悟も必要かも知れない。
尚、九州は以下の状況だ。
こちらは、ぱっと見では最悪の時期より大人しく見えるが、注目すべきは、11月16日より前と後の違いだ。
ここから全体で明らかに感染の雰囲気が変わっている。人数が少なくても、毎日のように感染が出る地域が増え、患者数が少なくなっていた福岡などで、感染発覚者数が倍化している。沖縄でも最悪時期ほどではないが、再び増加の兆しが見られる。
これらの地域でこれからどのように推移していくか、人口の密集度が違うものの大阪や東京、北海道などのように、苦しい状況になるのかそれとも、抑えられていくのかは、分からないが気候と日照に移動量の関係がありそうだというのは何となく感じ取れる。
ちなみにこの期間中最悪の上昇を見せたのは北海道、東北地域である。
北海道は特に酷かったため、北海道東北の累計患者数は、10月1日→12月7日で約4.29倍になった。
関東は、特に東京を見ると他の地方と比べて見ると、上が頭打ちで不自然なことに気が付く。
これはあくまで私の予想であり、仮定の話だが検査陽性率と検査数の限界に達しているのではないかと感じる。
関東の数値は11月1日からの集計にしているが、特に東京の拡大率が他の自治体と比べて顕著に低い。その割に、周辺自治体の感染者確認数が急増して今ではどこもかしこも、過去最高を記録し、毎日かなりの感染者数を出している。これが示すのは、検査数限界と陽性率限界が出ているのだろうということだ。
陽性率の限界というのは、検査システムの限界でもある。元々検体検査はどの検査でも、組織サンプルや飛沫サンプルの取得時間と取得場所によって感染しているかどうかの確認にばらつきが出てしまう。1割から最悪4割ぐらいでその時点で感染して、例え発症していても、ウィルスが検出できないことが間々あるのだ。だから、特に感染者と接触したことがある人で特に、濃厚に接触した形跡があるなら、数日~最長14日程度自宅待機による観察扱いとして、その間に何度か検査をする。これが陽性率(陽性判別や検査システム)の限界だ。
そして、初回の検査で上がらない人が増えてくると、新規検査を2回目、3回目の検査が圧迫するようになる。すると、検査すべき人が検査出来なくなったり、採取しても、検査結果が出るまでに時間が掛かるようになる。そうする間に、感染は家族など他に広がる場合もある。それがこれを起こしているかもしれないということだ。
反復検査待ちや、症状変化待ちの待機者(観察中)の人がどれだけいて、それに対して検査キャパがどれだけ取られているのかにもよるが、もし観察中が増えている事で、市中の新規感染疑い(初回検査)が減っていたり、要求に対してすぐに検査出来ない状況が増しているなら、本当は1日で1000人2000人の患者が出ているのだけれど、処理が出来ていない可能性は高い。そんな雰囲気がこの関東のグラフを見ると思い浮かんだ。
もちろん、あくまで私個人の意見であり、実際にはそれほど危険な状況ではないのかもしれないが……
今週辺り東京を中心に感染者が減ってくれば杞憂に収まるだろうが、もし増えてくるなら本当に検査体制をもっと抜本的に見直した方が良いのではないかと思う。
中部地方は、
山梨、長野、愛知、岐阜、静岡(表グラフは小さくなっているが、過去最高水準である)の5県は過去最高水準である。
一方で、北陸側の新潟、富山、福井、石川は比較的低く収まっているのは興味深い。これは人口密度と、移動の関係なのだろうと思われる。東京や愛知から移動しやすい場所にある近隣で感染が拡大している可能性が高く。逆に日本海側など少し遠い地域は感染者があまり訪れないのだろう。
最後は関西地区だ。
滋賀が比較的感染が低いが、それ以外では増加局面にあるのがはっきり分かる。滋賀が少ないのは、大阪や愛知からの直接的な通勤圏内や移動圏内としての利用が他の地域に比べると低いのかな?その辺りが関係しているのかも知れない。後は、人口密度や公共交通の利用率なども関係するかもしれない。関西の兵庫、大阪は既に感染者が飽和状態にある。
だから、大阪は既に自衛隊に支援を要請するまでになったが、現状でこの状況がいつまで続くのかは見通しが立たないようだ。
最後は、全体の詳細な感染状況(前日比付き)の表である。
一部はグラフの元になっているデータでもある。(一部はこのデータとは別のデータを使っているのでグラフと一致しないものもあるので注意)
これは、最初に開示したグラフにもあるデータだが、
北海道は相変わらず指数が入院と陽性で悪い。
そして、入院指数でみると、最近は奈良の入院指数が上がってきていて、沖縄を超えた。東京はワースト4位である。
重傷者指数は大阪、兵庫が1,2になっている。この重症指数の高さは医療提供体制を大幅に悪化させてしまう原因であり、特に厄介なのは、重症から回復していく患者ほど、長くベッドを占有することが多い点にある。だから、酷い状況になるなら、命の選別も求められかねない状況になると言うわけだ。
それも、今より状況が悪化するなら、一部の都市圏では本当に心の片隅で理解しておく必要もあるだろう。
ちなみに、これは高齢者なら延命しないということだから、若い人には関係ないと思われがちだが、若い人の場合はある程度症状が進まないと、入院出来なくなる場合も有り得ることを忘れてはいけない。重症化しにくいからこそ、いわゆる症状の悪化に対して、すぐに対処出来ないケースも出やすくなることを意味している。
<予想の付かない領域>
先の予想が立てられない地域が既に多い。結局、最悪の地域でも移動制限も緩やかに掛けているだけに留めており、完全な停止を掛けていないからだ。
完全な停止を掛けていれば、概ね2週間~3週間で感染は落ちるはずだが、緩やかだとそれが効果があるのかどうかも含めて見えない状況になる。
実際に北海道は、それが顕著で制限を段階的に足してきたが、今でも100人を下回るには至っていない。上がる時には10日余りで数倍に跳ね上がったが、下がる時には下がりが悪いのは、いわゆる移動制限が緩いからというのと、巣ごもり傾向になってしまう寒さ(気候)が影響しているのだろう。
これからより厳しい寒さが来ると、もっと未知数は増えていくかも知れない。そこがこれまでの予想通りとはいかないであろうことを連想させる。
本当は厳冬期になる前に、もっと感染の指数を下げた方がよいが、政府がそれをやることは無さそうだ。
結局、この予想の付かない状況のままで、戦々恐々としながら、冬を越すことになるのだろう。
私個人としては、命の選別をするのか?それとも、命を守る側を優先するのかどちらかを示して欲しいが……。今のままでは、命を守る人が弱っていき、地方などで経済を支えている人も倒れていくだろう。まるで暗黒時代のようだ。
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