厳しい状況が続く国内感染者……一週間の新規陽性者は過去最多:15,572人/ 週、回復も過去最多:12,867人/週、死亡は191人/週

昨日の感染者情報である。確定分である。

今回島根県のデータ詳細がはっきりしない面があり、3人保留(未確定)となっている。
退院なのか、入院中なのか、自宅・施設入所なのか不明だった。元々島根県HPは表集計が11月18日で停滞しているので、判断が難しいが患者が増えてくると今何人が入院し、退院しているのか分からなくなる。各所の日付が全部違うからだ。まあ、他の自治体でも当初はそうだったが、そのうち良い方法を見つけて対応されると思う。

そして、昨日は待望の木曜日で岡山の詳細な数字が1日遅れ(実際に表示されるのは水曜の稼働分なので)動く日だった。即ち、今週一番全国の現状に近い情報が見られるのは、昨日だった。尚、厚労省からは今日の夜中~明日までには、1週間に1度だけ発泡される水曜分の詳細な移動情報が発表されるはずだ。まあ、感染者が多いときには、可能な限り当日か翌日発表じゃなければその情報は古くなるが……。

さて本題だ。記事タイトルに書いているが、先週金曜から昨日までの一週間における累計新規感染者数が過去最多になった。この数は、グラフには掲載していない数字である。まあ、下の図で見れば左上の現陽性の推移がそれを証明している。現陽性は先週の最多、22,225を超えて22,422人という過去最多を昨日の段階で記録した。これまで凄い勢いだったことを伸びが鈍化したが、新規で見つかる患者総数が減らずに高止まりしている。

これはずっと書き続けているが、移動を止めることを政府はもとめない方針であるため、感染地域の一部で移動制限を掛けても、その周辺地域での感染へと飛び火しているため、大きくは減りにくくなっているのだ。押さえ込みを行った地域は減っているんだけど……それを補うだけの感染が他で起きれば意味が無いというわけだ。

むしろ、比較的医療が充足した都市で最初は発生していたが、今はそれが弱い地域でも広がりを見せ始めている。グラフでは分からないが、各自治体のHPを見れば分かる現実だ。尚、大阪は非常事態に入ったが、一昨日に比べて昨日はほんの僅かに状況が好転している。下図右上の大阪の頭が少し下がった。これから、院内施設内などで大きな感染が起きなければ、徐々に下がっていくとは思う。

ただ、このところ急激に夜間を中心に温度が下がっているので、自粛の度合いが果たして絶対湿度の低下や気温の低下を上回る効果を上げるのかが、注目される。もし、この効果が不十分だった場合は、もう考えるのも嫌になる。
陽性患者の区分内訳では、東京が凄い勢いで出張ってきている。今日明日とこのペースが続き、大阪が少しずつ下がるようだと、東京の患者数が全国でトップに戻ってくる。

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以下、重傷者の数は高止まりに入っている。
内訳は大阪が多い何せ5人も増えたからだ。北海道が2人減った(死者数に入っている可能性が高い)ことで、割合は下がった。
また、変動なしの神奈川の割合が上がった。ちなみに、関東(最も多い地方)と関西(2番目に多い地方)の重傷者を除けば、殆ど重傷者はいない。中部の愛知と北海道が同じぐらい重傷者を出しているが、それを消してしまうと、重傷者は一気に減る。

人口密集地が多いという偏りが分かるだろう。

下側の病床占有率で、注目は沖縄県だ。実は、最近は最悪とも言わない程度になった。これは、他の地域の感染が拡大したことと、沖縄の感染は一頃より大きく減っているからだ。注目すべきは、病床占有率が実はこの一週間さほど動いていないことだ。感染者自体が数人単位まで減らずにずっ~~と何十人という状況にあるため、待ちの数も安定しており占有率が下がらないのだ。

これが、医療受持者が辞めたくなる原因の一つでもある。何となく、減っているから大丈夫っぽい雰囲気になるわけだが、殆ど患者がいなくなるまで減る状況にはならず、これまで日々の感染者数の底は上がってきた。そして、今や病床が逼迫するかしないかギリギリのところで維持する状況なのが、沖縄だ。
これから、これに陥る地域が急増すると思われる。

政府はそれがどういう意味なのか理解していないし、どうにもならない。
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下図上は、人口を東京都一致させた場合の感染指数である。
最初の図で東京の現在陽性が増えている事を示したが、この数字で見ると実はまだ東京は3位である。大阪がぶっちぎり、北海道が東京、大阪の間にいる。そして、その下に僅差で沖縄がいる。実際に東京は病床の数も施設数も、他の医療圏に比べて圧倒的であるため、他の病気の患者を考えないならまだ余裕はあるかもしれない。いや、むしろないという方がおかしい。大阪、北海道の数字は酷いのだから……。

今の段階でも厳しいところが東京でも多いのは、その段階で既に大阪や北海道は東京並みに苦しかったのだということが言える。だが、東京ならニュースになっても、他だと増加している中では、そこまで伝えない。結果的に、崩壊が起きる。沖縄もそうなった。

東京がその現実を今一度考えて、今何をするのが適正なのかを、都民は当然考えていて仕事をしていたりすれば出来ないだろうが、上が意識的に強制的にでも行動を改善するように呼びかけないと、大阪や北海道のように、そしてその先の沖縄のようになるだろう。


下側の死者数は、前日と同じ水準で亡くなられている。
基本的に亡くなられているのは高齢者が多いが、中程度だと20代~30代でもそれなりに出てきている。
重症だと40代でも夏に比べると少し増加しているような気がする。寒さが発症の度合いに影響を与えつつある可能性は高い。
尚、昨日は北海道と大阪だけで全国の55%を超える死者数が発生し、兵庫も含めると概ね2/3に達している。

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最後の表は、左上の青ラインに注目すると、入院患者は概ね横ばいである。
そのまま右上のグラフに目を向けると、昨日は586人治療中や療養中の患者が増えた。
そして、下の表に目を向けると、大都市圏で待ち患者が溜まってきている。

ついに広島でも集団感染が再び見つかり始め過去最多を記録することになった。
この広島などの数字がこれから、入院患者を押し上げるかも知れないが、たぶんそれでも現在入院中の全国総数の伸びは、現陽性の増加数に及ばない状況が暫く続く可能性が高い。そのこころはなにかというと、今患者が増えている大都市圏で、病床が足りないからである。

広島はまだ始まったばかりだが、これから、検査を広げていくともっと患者が大量に出てくるかも知れない。
そうなると、今度は広島も飽和するかもしれない。

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このように見ていくと、感染傾向を今後抑え込むまでには相当な時間が掛かる可能性があるというが1つ見えてくる。
沖縄がそれを証明しているし、実は同様の傾向は熊本などでも見られる。一定の感染水準が継続するようになると、それを完全に封じようという気力も奪われていく上に、人々もそれが普通になるため、行動が緩くなるのも影響しているのかもしれない。

結局のところ、活動自粛というのはダラダラとやると、効果が薄れるし、範囲が中途半端だったり、ルールが不明確だったり複雑だと、それを理由に言い訳を考え守らない人も増えていく。それとは逆に守る人も徐々に限界に突入していく。ストレスが溜まるからだ。

これは、ネットや紙面(記事を書く人)などの言葉でも、守らない人は若者に多いとか、高齢者だとか、社会人だとか、学生だと決めつけて言っているが、そもそも守らないのは、誰かじゃない。自分自身だ。あなたはきっと24時間の内少なくとも外に出ている間は守っていると思っているはずだ。しかし、8時間の勤務があって、買い物して家に帰る。そんな生活を週に5日やっていたり、6日やっていて、100%完璧ですという人は、どれほどいるだろう?

その中で例えば、トータル40時間(5日×8時間)の時間で、1時間気を抜いていたとして、その1時間を世間の全く知らない誰かは切り取ってこう言うかもしれない。あいつは、守らない人と。だから、重点的に時間を定めて抑え込もうという姿勢が上には必要だ。そうすれば、少なくとも、3週間なら3週間決めることで、その期間は皆でやろうという気概にはなる。

それを、やらないから中途半端な空回りが続き、経済も回らないが……

まあ、大都市圏は今後も減りにくいだろう。一方で地方はこれから、どこまで患者が出てくるかが分からない。明日、自分が感染していてもおかしくはない。そんな時期に入っている。




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