車のフロントガラスが凍結していたらという記事が多い今日この頃…… 無料記事は広告が命だが、どういう条件で割れるかは大事です。

最近、以下の2つの記事を見た。


内容はどちらも、商品紹介の記事であり、どういう条件でガラスが割れるのかも書かれていないものだった。
それが書かれているなら、まだ良かったのだが……。残念だ。

耐熱、耐火のガラスでも急冷、急熱をするとパリンと割れることがある。
だいたい瞬間的な温度変化が70度~80度ある場合で、且つ目に見える見えないに限らず傷があるガラス製品だと割れる確率が極めて高い。
そのため、極寒冷地の場合はその温度差が生じない程度の水やお湯を使って氷を溶かせば問題は無い。

通常は実際の気温に対して、温度差±45~55度ぐらいの範囲ならまず割れる事はない。
ちなみに、気温に対して70度差を狙うのは好ましくない。状態によってはガラスや金属、ゴム枠などの部分はより温度が下がっていることもないとは言えないからだ。その点に注意が必要だ。即ち、日本国内の大半の地域では、-10度~-0.2度ぐらいが多いはずなので、30度~40度のゆるめのお湯を使えば、割れる事はまずない。それ以下の極寒冷地(-11~-20度以下)の場合は、20度~30度の水からお湯が妥当で、多めの水やぬるま湯を掛けたあと、さらに追い湯を500ml~1L/40~45度ぐらいの温度で掛けるとすぐに再凍結するのを避けられる。ちなみに、低温の水やお湯は排水時に凍結することがあるので、極寒冷地では追い湯があった方がよい。

それがすぐに手に入らない場所に居る場合ですぐに凍結解除をしたいならば、解氷スプレーなど道具を使う事が好ましいが、解氷スプレーを使う場合は、先に暖機運転を3分程度掛けて始めて、その後、解氷スプレーを使うと再凍結がおきにくくなる。


もう一つ書いておくと、ガラスが割れやすいお湯のかけ方の条件もある。それは、ガラスの中央付近からお湯を掛けることだ。結構これをやる人が多いが、基本的には窓枠の隅から始めるのが良い。そして、車高が極端に高いとかそういう問題がなければ、窓の上端の右か左端からスタートし、窓ガラスに直接掛かるより、窓枠の少し上からお湯が流れてくるようにすると割れにくい。何故なのかというと、窓の枠で一定程度温度が下がり、伝うことと、窓の膨張方位が窓枠側のしっかり支えられゆとりのある場所から広がるため膨圧破損が起きにくくなる。これは、隅から熱が加わると隅の方向に膨張することで、圧力の逃げ場を確保出来るからだ。だから、隅から熱を加えることが好ましい。

また、先に書いたように温度差が大きいほど割れやすくなる。だから、温度の違うお湯や水を使って、段階的に氷を溶かせば、割れる事はない。

これが窓ガラスを割らずに、水やお湯を使って凍結の解除をする方法である。

尚、デフロスターやデフォッガーを稼働させた直後に、その空気が集中的に当たる左右下や中央下はエンジン(スターター)を掛けて(入れて)すぐにお湯を掛けると危ないケースはあるかもしれない。最初の稼働時には暖気が開始されていないため、極端に冷たい空気が出ること(車種)があるからだ。そこに直接お湯を掛けたいなら、暖気が始まるまで1分か2分程度待つか、低めの水などで軽く温度を上げてから、お湯を掛けた方がよい場合もあるかもしれない。


ということになる。

まあ、記事を書く人がこの説明をした上で、お湯や水が十分に使えない状況でどうするべきかというのを書くなら、良いのかも知れない。
しかし、一概にお湯はダメとか、熱湯だとダメ(極端な話でお湯がダメな訳では無い)だから、市販の道具を使うべしというのは、どうかと思う。お湯を使うにしても、ガラスが耐えられる温度の範囲を理解してその範囲を下回るような水温で使いましょうというべきであり、それがどうしても難しいとか、それでも割れるかも知れないと恐れるなら、道具を使うのが手である。

尚、自宅の駐車場で且つ豪雪地帯でもない場所でフロントガラスが凍結して、翌朝溶かす日々を続けるのが嫌なら、ウィンドウガラスにカバー(サイドミラーに引っ掛けて使うウィンドウ防雪、防氷カバーとか売っているはず)を掛けた方が手っ取り早い。
ちなみに日に10cm~20cm以上積もる日があるような場所だと、このカバーの上に積もるので……。2cmから5cmぐらい年に何回か数えるほどしか積もらないなら、これを使う方がも楽かも知れない。まあ、雪や霜じゃなく雨が降ったりすると面倒なので、完璧なのは屋根のあるカーポートの下や立体駐車場に止めてこういうカバーを掛けることだが……。




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