PS5のAV機能詳細が公開! 全ゲームで3Dオーディオを再現…… Atmosの記述がないけれど、対応AVアンプを使うならTrue HD対応なら対応しているはず。
AV Watchの記事である。
元はソニーPS Blog記事からの抜粋のようだ。
Tempestなどのオーディオ技術の対応要件と、これからの対応予定。
HDMI出力出来るオーディオの種類が掲載されている。
面白いのは、Dolby Lossless(True HD)をサポートしているのに、Atmosがサポートされていない点だろう。これは、気になった人も多いだろう。
仕様を知っている人なら、
HDMIパススルーならTrue HD出力をサポートしていればその範疇でビットストリーム転送するので、Atmosもサポートしているはずだが、明記がないということは、動作確認されていないか、何か問題があるのか?と思うのが普通だろう。
これはあくまで予測だが、HDMIでのAVアンプへのAtmos出力は出来るはずだ。
実際に考えられるのは、PS5内部にステレオダウンミックスデコーダーがなく他のデコーダーを介さないならAtmos(True HD扱いになる)にはならないので、外しているのだろう。たぶん、DTS:Xの記載もないので、内部デコードとしてAtomsやDTS:Xをサポートしていないから書いていないのだと思われる。
Dolby AtmosとDTS:Xを「正式」にHDMIとしてサポートしたのはHDMI2.1からというのは地味に知られていない話だが、現実はそれ以前のバージョンでもビットストリームとしてパススルー転送出来るのは誰でもAtmos対応のオーディオアンプを持っている人はきっと知っている。HDMI1.3以上であれば問題なくAtmos音声も転送されるのだから。(それ以前はケーブルもハードも対応していない。)
何故なのかというと、Dolby AtmosはDolby True HD(Lossless)と前後互換があるため、Atmos収録のオーディオをTrue HD対応デコーダーで再生するとTrue HDにAtmosデコーダーで再生するとAtmosになるように作られているからだ。元々True HDには通常未使用のサブトラックが存在していたため、それを使う事でAtmos互換を果たしているのだ。
尚、Dolby Digital PlusはLossyの仕様であり、Enhanced AC-3と呼ばれるDolby Digitalのアップデート版である。こちらも、AC-3と前後互換しており、Dolby Digitalデコーダーでは5.1chまででデコード再生され、Plusデコーダーでは7.1chHDまでサポート出来る。
DTS:Xも同じで仕様としてはDTS HD Master Audio(MA)である。これも元々拡張が出来る仕様だった。そこでビットレート枠内に物理モデル用のXトラックが付与され、これを利用できるデコーダーを回するとXに。それがなければ、MAとしてデコードされる仕組みを備えた。
ハードウェアが、これらのオーディオを対応オーディオとして示す場合は、2つの手法がある。1つは、Outputという基準で示す場合だ。Outputというのは、デコーダーに圧縮符号化された”そのまま”を出力出来ることを明記するパターンだ。昔はDVDプレーヤーなどでDTS Outputロゴがあったが、光デジタル出力や同軸(コアキシャル)デジタル出力でビットストリーム出力出来る場合にそれを示す場合があった。
これとは別に、そのハードだけで完結する形でデコードできる場合もある。正式に符号化されている音声をデコーダーでデコード(伸張-データから音声に変換)することが出来る機能を持っている場合は、このOutputが外れるのだ。実はAtmosとXはOutputという仕様が基本的にはないはずなのだ。
DTS:XとAtmosは元々上記したようにビットストリーム自体はTrueHDとDTS-HD MAに収まるように作られている(後はphysics Model Trackを無視するか使うかの違い)。そのため、対応はステレオダウンミックスデコーダーを搭載しているかどうかになるはずなのだ。
Xbox Series XはAtmosとDTS:Xを標準もしくはオプションでサポートしているはずだが、ソフトウェアデコーダー(ステレオのはず)を内蔵しているからだ。PS5はそれをサポートしていないのだろう。その代わり、独自のTempest 3D Audioを搭載したのかもしれない。
ステレオでもデコーダーライセンスは実際のところ馬鹿にならない一方で、それを求める人はAVアンプを使うはずだから、Tempestで事足りるとしたのだろう。と、私は見ているが、意図的にビットストリームからデータを切り離しているとしたら、それはそれで凄い技術になるだろう。
だから、テレビのステレオスピーカーなどでAtmosのオーディオを楽しみたいと言う人は、対応のAVアンプを買って、そこに繋いだスピーカーから出力しないとAtmosオーディオは楽しめないだろう。これは、DTS:Xも同じである。アンプが既にあってそれに繋げる予定なら、Atmosがアンプに出力出来ないと言うことはないはずだ。
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