都道府県別感染者(現陽性)・入院病床使用率など…… お盆シーズンの患者増かの勢いはマイナス傾向。
お盆休みも終わったが、独自で調査している2020年8月16日時点での感染者の内訳を公開する。
私が調査した範囲では、国内感染者数(都道府県感染者)は累積で55,375人うち、14,053人が陽性だった。
入院数は5,911人でかなり減っているように見えるが、現実の数字が大きく減った訳では無い。16日から、福岡の陽性患者内訳を入院区分別(軽症、中程度、重症)に分離し、そこに分類できない陽性患者を、自宅その他療養(宿泊施設込みである)に分離し、当日分を不明にしたので、大きく人数が減っている。(これまでは当日以外全て入院扱いで区分なしだった)
また、週末は病床の実稼働データが動かない地域があるため、不明が多くなっているのも影響している。
このところ感染者が多くて不安なのは、石川県である。次いで、奈良県が昨日増えたのが心配だ。後は高知県、そして再び鹿児島県が復活してきたことだろう。他は、余り変わらないか勢いは落ちている。まあ、お盆シーズンで人の動きや医療機関の稼働が鈍っているのもあったのかもしれない。
今、陽性患者全てが急激に中等症程度まで悪化した場合、すぐに、医療機関の状況が悪化するのは、東京、愛知、大阪、福岡、沖縄である。ちなみに、沖縄は既に、飽和状態であり、中程度から重症の患者が急増し始めている。
それを説明する病床占有率は以下の通りである。
実は、一部病床データは8月14日に12日付けのデータに更新されている(実質15日付けで更新したため、先週のものは変更されていない)ので、下がっている地域もあるかもしれない。
ここで注目すべきは、沖縄県だろう。実は病床を沖縄は更に拡張し、443床の病床を確保した。重症はそのうち47床あるのだが、これ想定している最大病床を超過しており、想定最大病床数は425床、重症は37床で今も変わらない。それをそこまで増やしているのは、中程度以上の患者が結構なペースで増えているからだと思われる。そもそも、沖縄県の不味い点は、自宅療養が528人、準備中が222人もいることだ。これは、人口約880万人の大阪に次ぐ水準で待機患者がいることを意味しており、保健所などの振り分けが追いついていないことや、離島などでも感染者が増えていることを意味している。
今は看護師も不足しているようだ。
次に、福岡の内訳が判明したが、病床としては結構埋まっている。重症病床稼働率も結構高いことが分かる。沖縄、大阪に次いで3番目に重症病床が埋まっている。
このように見ると、西日本で重傷率が高い傾向にある。これは、病床稼働率が高いことも影響しているのかもしれない。
この先は、熱中症などの兼ね合いで病床が埋まるという可能性もある。少なくとも高齢者などの熱中症には注意して欲しい。COVID-19/SARS-CoV-2と違って熱中症はエアコンなどの利用で抑制できるのだから。
最後に、8月2日からの全国の感染傾向である。(独自調査基準で、厚労省基準ではない。)
この数字は、総数こそ同じだが、再陽性などのカウントの仕方が異なるので、若干個別数字にずれがあるのに注意して欲しい。
8月10日を境に感染拡大規模はマイナス成長に転じている。東京などの感染者が減少していることが影響しているのだと思われる。
そして、標準の病床占有率は8月7日をピークに減少している。これは、8月8日に厚労省の病床調査で数が増えたからだ。ただ、厳戒病床と同一になっている地域や、沖縄のように超過病床を使っているところもあるので、無理に増やすように求めて自治体が出したような雰囲気もある。
ここ数日は再び病床使用率が増加に転じつつあるのも、心配な点だ。
お盆も終わりお盆休みの外来休業がある中小の病院(大きな病院はカレンダー通りに稼働することが多い)は稼働を始め、企業や小中学校(今年は休みが短い)もお盆明けで再開するところが多いので、感染がこれから本格化する恐れもある。
問題は、重症化率が上がっていることだ、2日時点では0.586%だったのが、16日は1.650%と約3倍に上がっている。
これがさらに上がると、病院の逼迫度は見た目の病床数以上に厳しくなっていく、そうならないことを祈る。
まあ、お住まいの地域が今どんな状態かは、上記を見れば分かる。これを見て、医療機関が困る事のない判断をして欲しいと思う。これはCOVID-19/SARS-CoV-2だけで集計しているが、前回も書いたように熱中症(日射病・熱射病)などの患者が増えても、医療機関は疲弊する。コロナ対策は完全に防ぐことは出来なくても、熱中症対策は誰でも出来る。それだけでも、十分にして欲しい。
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