Intel Lakefield、Core i3-L13G4とi5-L16G7が登場……GPUクロックは予想以上に低め。AVXレス。
やっと、IntelがLakefieldを発表した。既にARKにもデータシートが上がっているので、それを見ると良いだろう。
尚、当初の噂とは違いこの製品にはAVX-512はもちろんAVXそのもののサポートがないようだ。どうもTremontと合わせて、SSEまでのサポートに留めたということのようだ。これは、GPUのクロック周波数が64EU製品としては低めの200MHz~500MHzに抑えられている点でも言えることだが、たぶん廃熱とや電力の兼ね合いがあって抑えられたのだろう。512や2は無理でもAVXぐらい稼働させて欲しかった。
尚、このLakefieldで使う人はいないとおもうがIntel SGXもサポートしていないので、現状ではUHD BDは再生出来ない。(将来的にはSGXが無くても使える製品が出る可能性があるので、あくまで2020年6月現在の話である。)
ベンチマークの情報は、一部ではあるが既にi5側が先行で出ているので、価格との兼ね合いとLTE接続状態での電力性能さえよければ、Arm対抗には十分なると思われる。しかし、以下のASCIIの記事を見ても思うのだが、対象となっている製品が8500Yで14nm世代と比べていたりする辺り、当初予定した通りなのかどうかは、微妙ではある。まあ、Y系の製品が10nmにはまだないのでこれになったのだろう。(ちなみに、Tiger LakeではY系も登場すると噂されている)
当初の市場投入予定より半年~8ヶ月ほど遅れていることもあるので、電力性能など全て優位にというなら、この次の世代がいつ投入できるのか、そもそも投入できるかによっては、Radeon RX Vega M G 搭載のIntel Core i7/i5 8000シリーズのように半年~1年の流行り物で登場して消えていく可能性もある……そうはならないことを本当に心から願っている。ただ、予想以上に熱に苦しんでいるようにも見え、プロセスノードが順調に進化し続けないと、世代交代は難しいように見える。
それでも、今はレビュー待ちではあるが、x86のモバイル端末向けSoCとして魅力的な選択肢だと思われる。
みるふぃーさま
コメントありがとうございます。
>TremontがAVXをサポートしていないのが原因です。
書き方が悪かったのかなと思うのですが、TremontがAVXをサポートしていないのは存じていますし、ここの過去の記事を参照されている方ならご存じの上で理解されているかと思われます。誤解させてしまうような部分があったのであれば、謝罪いたします。
>BigCoreでもAVXを走らせられないのはARM向けのスケジューラを流用したため
それは、ARM big.LITTLEの技術を使うとAVXは使えないと言うことでしょうか?
dispatchをどこで行っているかには確かに依存するのでしょうけど、そもそもx86とARMではschedulingのステージが異なるはずなので、全く同じようには使えない上で、最適化しているはずなので、どうにでもなると思うのです。
もっと言えば、ARMでもAAの命令セットレベルが異なる製品同士で、処理を共有することは出来ますから、それが問題になるようには思えないのですが……。以下の記事などを読むと面白いですけど、Big.LITTLEは本来は戻せないセカンドキャッシュ階層で同じ調停装置(キャッシュコヒーレント)を介しているなら反転がBigとLittle間で出来るに過ぎません。μOPデコード後のデータ反転ではないので、AVXのあるなしがARM big.LITTLEと似たような機構を持っているから、出来ないとは言い難いかと……。OS側で何か問題があるなら別ですが(マ社はそれを発表していないのでたぶんないと思われます)、そうじゃなければIntelの判断としてやらなかった(何か理由があって出来なかった)だけだと思われます。
私個人としては、
Wikichipなどでは表向きとして書かれていますけど、電力性能面でAVXがない方がよかったという認識をさせることで、裏側にある電力効率=発熱の問題があるからということを隠蔽させようとしたというだけに見えます。
もし、当初からこれが出来ないことが決まっていたなら、AVXレスではあるがFoverosの発表段階でSunny Cove MAであると発表していた可能性が高いでしょう。
このプロセッサーの画期的だったところは、サンドウィッチのようにホストとメモリー、GPUなどを重ねていることです。しかし、画期的故に熱対策はかなり高いレベルでされていることは、Foveros 3Dの発表を見れば分かります。だから、昨年からかなりこれに関する記事は出回ったわけです。出来れば凄い技術ですから、その中で当初はAVXを動かす目標があったと私は考えていますし、いくつかは動くものを作っていたのではないかと私は予想しています。
x86でAVXレスになるとコア辺りの性能が4割減に落ちる作業もありますから、これを止めるということはArmに対するアドバンテージを失うことに他なりませんし……
しかし、何かあったから外さざる終えなかった。
期間が半年遅れたことも踏まえると、そういう見方も出来ます。
尚、AVXの発熱等については、私も存じております。
これはあくまで私の個人的な考えなので、一つの考察だと思っていただければと思います。
私個人としては、Foverosのさらに進化が進み、次の世代でAVX2や512でなくても、AVXに繋がる製品が出てくることを願っています。