第3世代なのに4世代番号なRyzen 4000U/Hシリーズ登場……Zen2 CPUコアでメジャー更新、GCNでマイナー更新。 スペック表あり。
更新履歴ータイトルと内容の一部をPC Watchの訂正に合わせて修正しました。(20:00~20:30頃)
更新履歴-画像追加とメモリーホスト仕様の追加-2020年3月17日
PC Watchの記事である。詳細なプロセッサーの型番も出てきて、Intelに対抗するため、SKUのバリエーションを多コア面でも広げ始めたようだ。最近はMicrosoftやNEC-PCなどのメーカーもAMD採用を広げており、市場からの要求は強くなってきている。この4000番代ではDTR(デスクトップ代替)の8コア製品まで投入することになったようだ。
まあ、大方パフォーマンス面では、AMDが有利なのは間違いないが、難しいのは電力と発熱に対するバランスだろう。
ちなみに、型番は4000番代だが、デスクトップの3000番代と同じCPUコア(Zen2)である。前の3750Hや3700Uなどの世代がZen+だったことを考えるとメジャー更新になる。また、GPUはRadeon RX Vegaシリーズから、Radeon DNA仕様に更新されたという。 ちなみに、当然、ハードウェアによるRaytracingは搭載されていないと思われる。←PC Watchの記事が訂正されました。
性能は上がっているようだが、果たしてIntelが本気で開発している次世代GPUのXe(第12世代GPU)に勝てるほどはもしかすると無いかもしれない。
それだけPC市場の2社によるiGPUプラットフォーム競争は熾烈で、良い勝負をしているということだ。
気になった点を上げると、搭載できるメモリーにはDDR4-3200MHz, LPDDR4-4266MHzが利用できるようだ。
まさかのLPDRR4の方が高クロックである。
LPDDRのクロックは高い訳だが、この構成で、128bit(64bitデータバスの2ch構成)が出来るのかは定かではない。というか、本来DDRと同じ構成だと仮定して、LPDDRの方が高クロックなんてことはあり得ない。それが出来るなら、DDRメモリーの意味は無くなってしまう。元々、DDRの方が電圧も高く高速だからこそ、存在するのだから。
だから、これには、何らかの理由があると見ることが出来る。
一番大きな可能性は32bit幅×2ch(通常のPCは64bitなので、64bitシングル相当)になるという点だ。実際に今までは仕様表に書かれていたメモリーの並列チャンネル数が今のところ開示されていないため、LPDDR4-4266MHzを使う時には何らかの条件があるのかもしれない。
尚、もしビット幅がハーフレートでも34.128GB/sのデータバス幅があり、DDR4-3200のシングルチャンネル、25.6GB/sを超えることが出来るため、今まで電力などの都合でシングルチャンネルで搭載していたRyzen 3000シリーズよりはアドバンテージがあるだろう。まあ、Ryzen 7 3700Uの最大38.4GB/s(2400MHz×2)なので、LPDDR4でハーフレート帯域の2chぐらいだとちょうど良いとも言える。
まあ、これはあくまで推測である。この辺りは今後分かってくることだろうが、そのような可能性があることには留意してほしい。かなり後で読まれる方もいらっしゃるだろうが、この記事は2020年1月8日時点のものであることに留意して欲しい。(読む時期によってはもっと新しい情報があるかもしれない)
尚、以下が今回発表された新型Ryzen 4000シリーズ及び、Ryzen 3 3250、Athlonシリーズの仕様である。
このBlogの常連さんなら分かっているだろうが、拡大はPC表示では画像をクリック後、遷移画面でもう一度クリックすると元画像が表示出来る。解像度は、2723×1231px(アップロード前のデータ容量は709.1KB)である。←画像をGCNベースに置き換えました。
GPUの性能指標は、PC Watchの記事中にあった59%アップというのを信じて計算している。
CPUの性能アップ分は、画像にある表一番右の参考)Ryzen 7 3700Uを基準にコア数とスレッド数だけから換算したものであり、Zen2世代だと実質のものより若干下回っている可能性がある。
尚、メモリーホストは上記した部分が分からないため、LPDDR4の仕様を省いたDDR4だけ(DDR4-3200)のスペックで明記している。
3700Uより高性能を求めるなら、Ryzen 5 4500Uあたりからが分岐点だろうか?CPUコアだけ(GPUを除いたもの)の性能なら、Ryzen 3 4300Uでも、もしかするともしかするかも知れない。まあ、あくまで発表データだけで見ているので、実際の製品ではこの通りににいくとは限らないが、AMDはIntelと違って着実に性能を上げているので、世代交代でちゃんと大きく性能を上げてくれているのが、素晴らしい。
まあ、Intelは2018に調べた10年間のデスクトップのパフォーマンスモデルのスペック進化でこんな感じなので、Ryzenの進化は凄いものがあるように見えるが、Intelが半導体の微細化で転けていなければ、きっとこのぐらいの進化がずっと続いていただろう。
匿名様
コメントありがとうございます。
「LPDDRは増設や交換を考えずに基盤直付けですからね」
というのは、確かにその通りだと思いますけど。
説明が悪かったのか、
ちょっと誤解されているように見えるので、一応説明を書いておきます。
PC用はメモリーモジュールやシステムバス全体のバス幅として仕様が、Pentium世代から今まで64bitバス幅になっています。メモリーのビットバス幅もその頃だったか、その後だったかにそれと同じビット幅を踏襲しました。(もううろ覚えです)
それに対して、LPDDRで扱うプラットフォームの基本構成は、x16(16bit)、x32(32bit)の構成となり使われるメモリーとそれに対応するメモリーホストの仕様に合わせてメモリーバス幅が制御されます。x32で4ch構成になれば、DDR4のDual Channelに相当しますけど………そうなるかどうかの記載がないのが、気になるという点で書いています。x32×4構成が標準で使えるようになっているのか、それともなっていないのか?
元々、LPDDRは1.1Vの電圧で且つ、クロックを上げる事で、DDR4に追いつこうとしているわけですけど、消費電力を少しでも抑えるために、モジュールコントローラーなども一体化しているが故に、チャンネルあたりのビット幅は広げられないというトレードオフがあります。これが消費電力が大きく抑えられる理由の一つ(もう一つはLPDDR2や3までの低クロック動作)だったと私は認識しております。
尚、DDR4-3200もLPDDR4-4266もJEDECの標準としては最高位として存在しますが、そのままのモジュール仕様だと、DDR4-3200の販売モジュールの方が高速になり、LPDDR4-4266の方が、ビットバスが半分~1/4になるはずなのです。これは、スマホのメモリーホストの帯域幅とチャンネル幅をご存じの方はお分かりになられると思います。何度も書きますけど、LPDDRの場合はx32で2chまたはx16で4chないと同じ周波数のDDRメモリーと同じ速度になりません。もし、デュアルチャンネルのDDR4と同じバス幅にするには、x16で8ch、x32で4ch必要になります。
ここまでやってしまうと、消費電力の逆転はないとは思いますけどそれなりの場所(電力消費)にくる上に、元々価格が高いLPDDR4はぐんとお値段が上がるはずなので、RYZEN CPUにあるメモリーホストがそれをサポートしているのかとかあるわけです。
出来ても全くおかしくはないが、LPDDR4の強みを考えるなら、そこまでサポートしているのかは分かりません。
そしてその確証は、持てずAMDの正規サイトには示すものがなかったのです。
だから、今のところRyzen ThreadripperやデスクトップRyzen 3000に記載されているメモリーホストの仕様を最大速度として記載し、記事にはそれを遠回しに書きました。それが、悪かったのだろうと思います。申し訳ありません。
今後、詳しい情報がさらに出てくれば、その限りではありませんので、ここに書いてある情報は今時点の情報となりますと明記もしています。
間違いは可能な限り避けたいので、このように明記した訳でありますが、今後は気を付けます。ご理解頂ければと思います。
2020年3月17日-追記-
Ryzenのメモリー仕様が判明したので追記。
メモリー仕様はDDR4で最大2ch(Dual Channel)、LPDDR4で最大x32@4ch(常時2ch扱いと考えられる)の仕様となることが判明しました。
これにより帯域幅は最大68.256GB/sとなります。
この記事へのコメント
LPDDRは増設や交換を考えずに基盤直付けですからね、信号の品質は保ちやすくなっています。メモリそのものが動作するクロックと、メモリを安定して読み書きできる信号の品質を保証する(配線上の)クロックは別ということです。
じっさい、DDR系でもシングルチャネルに2つDIMMを挿すと定格のクロックは下がります。ノイズが入る要素が増えて、クロックを落とさないと判別できなくなるからですね。