トヨタの車サブスク苦戦、申込数1日6件 遠い事業化 …… 車両コストを考えれば安いけどそれ以外メリットがない。

朝日新聞社と、Car Watchの記事である。これなら、トヨタ本体ではなくトヨタレンタカーが年間パスか何かを作って、どの車でも乗り放題。年間7.2万円ぐらいでも始めた方が売れるだろう。


<定額制の強みがない>

そもそも、定額制の強みというのは、一律価格であることにある。

簡単に言えば、どの車を選んで7万円/月であり、車種を途中で入れ替えることも可能となっていれば、契約者は増えるだろうってことだ。
これが、例え安価な車両でも、7万円/月に固定するのだ。その方が間違いなく契約者は増えていく。

その代わり、週末等に旅行などにいく場合、平時は軽自動車やコンパクトカーだけど、週末だけレクサスやランドクルーザーを使いたいという場合なら、Web予約で車両レンタル(交換)と返納を設定しておけば、別の車に一時切替手数料1000円で変更できるといったサービスでも提供すれば、契約者は激増する(今よりは大幅に増える)だろう。

これが、賢いサブスクリプションサービスの姿だ。

車両毎に金額をいちいち設定してしかも買うよりは確かに安価かもしれないが、他社より高そうな車種もある現状……。

車を運転する側としては、車両毎に分けるより、分かり易い料金であることに魅力を感じるものだ。どうしても分けるというなら、普通車、軽自動車、高級車の3グレードと、乗り換え可能プランなどに分離するとかそういう戦略を取らないと、まず評価されないだろう。


<ライバル比較すると……惨敗の恐れ!コスモ石油で良くね?>

そもそも、車を借りるならカーシェアやレンタカーで良い。また、カーリースならコスモ石油などが行っているので、そっちならメーカーをトヨタに限定する必要もないだろう。こちらの方がメンテプランや指定カードによる毎月ガソリン・軽油値引きも100Lまであるため、扱いやすい。

そこにトヨタが参入するなら、トヨタにしか出来ない事をしなければいけないが、それが高級車が選べますとかじゃあ無理だろう。
だって、高級車をリースする人は殆どいないからだ。高級車は買うことがステータスであって、借りなければ乗れない車を、借りて運転するのはよほどのお馬鹿さんか、自意識過剰さんだ。リースした高級車で事故たり、ぶつけたりしたのが周りに知られたらただの阿呆扱いだ。

だからこそ、トヨタがやるべきは車種の変更などが容易になること。価格が全体的に高くても、どの車種も同じ諸経費で乗ることが出来るなどのサービスを考えることだ。


しかし、一番問題なのは以下だろう。

喫煙・ペットの乗車・車両の改造、等の将来車の価値を低下させる行為、車の性能・機能を変更する行為はご遠慮いただいております。契約終了時は、原状回復にてご返却いただきます。
決められた保証を超えた修理が必要となる故障の場合には、別途費用が発生する場合があります。

原状回復はリースでも求めるところではあるが、ご遠慮要件に記載されることはない。これでは、リースよりかなり厳しいため、お客様の声にあるような、所有感とか本当にあるのだろうか?と思えてならない。たぶん他と比較せず、ホイホイと言われたままに信じる人が契約するのだろう。

ちなみに、タイヤ保守は契約には入らないようだが、コスモ石油のカーリースのゴールドパックはタイヤ保守まで全て含んでいる。本当にフルサポートを受けるなら、コスモの方がよいだろう。(お得かどうかは分からないが……)

トヨタはカイゼンの会社だが、果たしていつこういう部分を考えてカイゼンしていくのかが気になる点だ。

今後は、法人営業もするようだが、この状況でもし法人が伸びるなら、関連会社にごり押しして、業績を上げたぐらいの流れだろう。法人を始める前に、もう少しこの事業をどういう事業として育てたいのか?リースなのか、自由度をある程度与えるレンタカーのようなビジネスなのか?それとも、その両方なのか、ただのお遊び(今は全くのそれである)なのか?はっきりさせた方がよい。これを今のままで続けるなら、少なくとも一般消費者(個人)向けなら金の無駄だ。


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