ダイキンの持ち運べるエアコン、商品化が決定…… 詳しく見ると私には微妙な品。判断は人それぞれだけど……
ITmediaの記事である。ダイキンが作ったから新しいのか?それとも、スポットクーラーを知らない人に売り込んだからクラウドファンディングが成功したのかはよく分からないが、今はクーラーとエアコンの違いがはっきりしなくなった。元々エアーコンディショナーは、温度設定が冷暖である程度出来る製品に対して、ヒーター(heater)とクーラー(Cooler)との上位版として生まれたが、今では冷房だけをCoolerとは呼ばず、暖房だけだと日本ではヒーターと呼ぶケースがある程度だ。
売りたいのは分かるが、こういうのははっきりとエアコンは暖房と送風、冷房と除湿などの機能を持つコンディショナー(空気状態管理)であることを定めた方が良い。
ちなみに、ダイキンに拘らないなら今の段階でスポットエアコン(冷暖対応品)の持ち運び(安い物はAC電源は必要が多い)対応品はあるのだが……
それが流行らないのは、スポットエアコンは全般として熱交換器の熱を屋外に排気する機能がなければ、電力消費をする分温度を上げるという特性があるというのが1点。消費電が大きい程しかも熱量も大きくなるので、風通しの悪い場所で排気ダクトを設けずに使うと、大変な暑さ(熱さという方が良いかも知れない)になる。
ただ、消費電力については、これまでの製品より評価出来るのかもしれない。
ポータブル市場の他の冷房装置よりは半分~1/3(測定はJIS C 9921-3準拠の規程温度に達した時点での消費電力)程度に下がっているからだ。ぱっと見魅力的かもしれない。まあ、最後にJIS Cの事は書くがあくまでぱっと見である。まあ、QAには300W(3A/100V)以内と書かれているので、それだと他の4/5~1/2ぐらいで収まっていると思うので消費電力要件はかなり良くなるだろうと予想される。
ここからがダイキンのこの製品でも問題になる恐れがあるが、熱交換のための室外機相当の機能があるので、煩いという点だ。これは、当該製品でも最大63db(デシベル)の騒音値は、いわゆるスポットエアコンとしては普通だが、たぶん、自宅などで使うと煩いと感じる人も多いぐらいの音である。
そのため、ダイキンもこのスポットクーラーをクラウドファンディングに回したのだろう。
果たして最終的に一般市場で量産されるのか(これは会員のみに販売される見込みで、実質受注生産相当だと思われる)は分からないが、持ち運べる割にはAC電源が必要(DCのバッテリー内蔵で駆動などはしない)などの部分があるので、ファンディングに協力した人以外によく売れる代物にというワケにはいかないだろう。
<JIS C 9921-3って何で、これはこのクーラーにどういう影響を与えるの?>
これは、JISがルームエアコンにおいて策定している冷暖房の条件規程だ。これに基づいて測定することで、消費者がメーカーによるエアコンの性能の違いを客観的に判断出来る材料として、確認することが出来る。要は、温度10度の時に11度にする暖房の電気代と、温度が10度の時に20度にする電気代では、11度にする時の電気代が圧倒的に安くなるため、メーカーが自分の都合の良いようにバラバラの要件で書かれては消費者が困る訳だ。だから、販売時のカタログにはちゃんとJISで定められたものを使おうというルールがある訳だ。(あくまで日本産業規格に基づいた法令を遵守しなければならない製品の販売と保守を行う場合である。)
しかし、ファンディング側で書かれている要件(投資家向けの要件)はそれを必ずしも必要としない。27度、46.6%時であるというのは、JIS Cの要件で測定しているなら……送風に近い温度になっている恐れがあるのが気に掛かる。これは、まだ製品化されていないのでJIS C 9921-3で最終測定したものではないかもしれないというのが、気になる。いわゆる「とりま(とりあえず、まあ)こんな感じの<最小>電力で動くんだよ。」と見せているっぽい。
尚、温度要件はちゃんと書かれているので、これは悪いことではないし、最大でも3A/100V以内に収まるというので、今市場で存在する競合よりは半分~4/5ぐらいの電力内に収まるだろうと予想されるので、スポット冷房としてこれまでの製品より省電力なのは確かだろう。
投資案件の場合は、投資する側でそういう要件が他に対してどれほど優れているのかを見分ける目を持たないといけない。
投資して貰う側は、良い部分を中心に伝えないとお金は集まらないからだ。実はここは悪いけどなんてのは言う組織もあるが、基本的には指摘して相手が答える方が多い。こういう、材料を自分で集めることが出来ない人は、投資には向いていない。まあ、空気感で投資しても好景気ならいけるだろうが、潮目が変わったら損する恐れがあるので気を付けて欲しい。
<バッテリーとか内蔵していれば面白いが……>
個人的には、これに魅力を感じないのは、持ち運べてもAC電源が必要という点が大きいだろう。
これを切っ掛けにバッテリー内蔵型なども出てくると……屋外用途などで期待値が上がるだろうが、熱交換器(ヒートポンク)では、電圧、電流変動が激しいのでコンパクトで持ち運べてというのは、今はまだ難しいのだと思われる。結局、車両用の12V/24Vで稼働する鉛バッテリーなら別として、今市場で使われるリチウムイオン電池などをエアコンに使うには、かなり大きめのものでないと、出力の変動値が大きいため何年も使えず劣化が早いことも予想される。しかも、筐体が重く大きくなるだろう。
何より、DAIKINはそういうバッテリーで提携している事業会社がないと思われる。そう考えると、Panasonicなど、エナジーデバイス事業をやっている会社がこういう事業をやると面白いのかも知れない。
後は、騒音問題だろう。50db以下まで騒音値を抑える技術を作り出せば、クラウドファンディングじゃなくても売れるかもしれないが、50dbオーバーである間は厳しい。昔、プリンターが最小40dbとか38dbを競った時代があったが、スポットクーラー、ヒーター、エアコンもそういう部分が実は大事である。何故なら、特に冷房は寝る時や集中したいときに使う人が多いからだ。
ナヴィック(NAVIC) CLESEED(クレシード) クレクール3ホワイト 移動式スポットクーラー【単相100V 50Hz/60Hz冷房能力800W(3000BTU) 定格消費電力350W】 CLECOOLIII-W
どこにでも置ける移動式エアコン★クーポンで400円OFF★【送料無料】 ノンドレン 小型 リモコン付き 排熱ダクト付き キャスター付き 家庭用 24時間タイマー 冷風機 スポットクーラー 移動式 スポットエアコン 冷房 タイマー付き ホワイト 移動式エアコン - タンスのゲン Design the Future
この記事へのコメント