Huawei Mate 30は最初のAndroid 10もGoogle純正Appは未登載……むしろそれが良い人も居るかな?Google Play非対応。
Huaweiが新型Mateを発表した。SoCが先日発表された
HiSilicon Kirin 990 SoCになりCPUやGPUは以下の構成になった。
CPU
Cortex-A76 2.86GHz big cache x2
Cortex-A76 2.36GHz STD cache x2
Cortex-A55 1.90GHz Little Core x4
GPU
Mali-G76MP16 600MHz@FP32=650GFlops~700GFlops前後
Modem
5G Support LTE Modem
Wi-Fi & Bluetooth
IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)
Bluetooth 5.1(位置方位検出に対応したBT)
Audio
384KHz/32bit Codec
GNSSは今回もDualであるが1+5の構成なので、センチメーター級(L2等)に対応しているわけではない。
などをサポートする。よってSnapdragon 855を上回る程度の性能は実現している。
まあ、既にこのスペックを使い切るような用途はスマホにはないが……。使い切れないから消費電力が実際の運用時に消費電力が抑えられる訳だ。
一方でバッテリーの容量や入出力が増している(4500mAh・3.7V)のもフル性能で動く時に相応のエネルギーが求められるからと言えるのだろう。
尚、充電は最大40WモードをサポートするがUSB PD3.0ベースであるとは書かれていないので未だ同社独自なのだろう。
ちなみに、カメラのハイフレームレートが960fps(1080p)から7680fps(720pのみで対応の模様)になったそうだ。全てのカメラを利用することによる撮影で、撮影時間の制限はあると思われ960fpsと同等以下だと思われる。
もう、カメラの性能も人々がこれは新しい撮影方法が模索できて良いねという領域から飛び抜けてしまった感はあるが、ここまで一気に飛び上がると一周回って冷めてしまう自分がいる。ただ、カメラの機能性や画質に対する考え方は健在なのでスマホカメラに拘る人には新しい機能も加わっており選ばない理由というのはないが……
<問題は米中摩擦>
ただ、今回はHuaweiにとって懸念される問題もある。それは、Androidの採用は行えたが、Google系のアプリに制限が掛かったことで、Googleのプリインストールアプリが無くなっていることだろう。これには、Google Playも含まれていると思われる。即ち、Huaweiの提供するサービスサイトからアプリをダウンロードする形になると思われる。
これは、いわゆるAOSP(Android Open Source Project)の基本から既に抜けていることを意味する。要は、AmazonのFireOSとストアのような形態に移行した訳だ。たぶん、欧州などではこれでも買う人は居るだろうが、日本では激増してきたシェアが落ちることになるだろう。流石に中国系でストアが独自となると、同国の検閲システムから切り離しているという保証がないので、選択肢から外れてしまう可能性が高い。
中国系の独自Androidストアはスマートテレビなどで中国では沢山存在してきたが、残念ながら中国政府の検閲に基づくアプリが基準となるので、もしもそれを日本でセキュリティソフトに掛けると一部のアプリでその機能がセキュリティソフトで弾かれるということも過去には存在していた。今は知らんが……。
Huaweiがどこまで各国にローカライズしてPlay相当のウェブストアサービスを拡充できるか、そしてその信頼性をオープンに担保できるかがこれから問われることになるだろう。一番の問題は、香港問題で揺れる中国政府の現実をHuaweiに重ねる人もいるだろうという点だ。製品はグローバルでは来月から投入されるが、そのレビュー評価もこれまでとは違った切り口でこの辺りのオープン性をどこまで示すか、全く示さないかによってハードの性能がいくらよくても、今までのように簡単に誰もが選んでくれるスマホにはならないかもしれない。
尚、もしもPlayなしでも売れるようなオープンな安全対策(他の企業などが監査できる仕組み)が示された場合には、Googleや米国政府は一転して立場が悪化する恐れがある。何せ、これでHuaweiを自立させることになるからだ。今のHuaweiの勢いを考えるとそういう可能性もゼロではない。
まあ、心配ならP30シリーズまでに留めても、性能面で困ることは今の所無いはずだ。既にそういう見方が出来るスマホという時点で、Huaweiの勢いを感じさせ、今のHuaweiユーザーがどう動くかは、実際に出てみないことには見通せないほど、製品の性能では申し分ないことを示している。しかし、まあHuaweiのシェアが落ちてZTEのように消えても、たぶん次はその穴にOPPOが入り成長するだろう。この層の厚さが今の中国企業を脅威と思える一方で、技術をかなり蓄積し、ただ世界の工場ではないことを示している。
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