市場は「天国と地獄」を完全に織り込んだ・・・・・・見通せない先行き。
ブルームバーグの記事である。パシフィック・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネージャーが警戒の言葉を口にしたという内容だ。
いわゆるリスクオン(株式投資や石油などの好景気先物投資)もリスクオフ(債権や金などの投資)も両方が、上がるという怖い状況が起きているようだ。これが示すのは、経済の先行きが誰にも既に予測出来ない状況へと転じたということだ。
<資本リスク>
まず、表面に見えるリスクとしては金融機関の資本リスクがある。日本では、第二地銀の経営資本リスクが既に示され始めているし、ドイツではドイツ銀行の債務問題が、燻り続けている。
ちなみに、中小の銀行が破綻しても問題はないと思っている人が多いが、中小でも金融機関が破綻すると、それに関連した連鎖倒産が起きることがある。いわゆる、債権回収が発生し、貸し剥がしが起きるのだ。中小企業が連鎖破綻し地域経済などが大きく毀損することもある。これが、暗い意味での不景気を生む。世界経済の悪化のような不況では無く、もっと精神やコミュニティーに禍根を与える不況だ。バブル後の日本が陥ったのにはこれもあった。
これとは別にドイツ銀行という大きな銀行の債務問題があり、もしこれが表で破裂すると、世界は一気に大不況に転落する。
ただし、この問題はたぶんすぐに起きるものではない。現状では、これが市場を脅かすには別の切っ掛けが必要になる。
<中東問題、中東リスク>
これは、いわゆるイラン問題だ。既に米国とイランの関係は暴発直前にまで悪化している。ただ、この罵り合い、北朝鮮との駆け引きのようにも見えるから分からない。違いがあるとすれば、イランの周りにはイスラエル、サウジアラビアなどイランに消えて欲しい国が沢山いることと、その中でイランが取れる策は少ないということだ。
欧州もウラン濃縮に対しては、共同声明で核拡散に繋がる行動は慎むようにと述べているので・・・・・・今後イランが孤立を深めるのかどうか?それが問題になる。まあ、欧州もイランを守ることは難しい。NATOの負担金問題に経済的な問題もあるからだ。だから、米国から離れるわけにも行かない。トランプ氏の思うつぼだが、トランプ氏の支持率も思った程下がっていないため、結局、好景気を充てにして飲まざる終えないのが、欧州や日本である。そう考えると、イランには辛い状況である。この先、トランプ時代が終わるまで耐えるのか、またはトランプ氏が心変わりするか、2期目がないことを願うぐらいしか手はない。
<米中等の貿易戦争>
これは、ただ話会いが継続されるというだけで株価が上がる。しかし、何も変わっていない。Huawei問題にしても、汎用品の輸出は許可するが、それで終わっており、実は完全に解放された訳では無い。大統領が止めた手法に限界があり、実は調べると突破できたから、大統領の失敗にしないために、認めたというのもあるかもしれない。
その程度の話なので、米中貿易戦争は今後悪化するかも知れないし、改善されるかも知れない。どちらにしても、終わる予定は未定である。むしろ、トランプ氏からすれば終わらない方が、次の選挙では有利だろう。その話だけで、支持率が上手く回るからだ。逆に、終わってしまうと回らなくなる。
ちなみに、メキシコの壁問題も実は何ら解決していない。8月だったか9月だったかに成果が分かるわけで、それがもし出ていなければ、トランプ氏はメキシコの制裁を再び持ち出してくるかも知れない。これもまた、認知症並に短期間で起きる話題を市場が忘れてしまうだけで、現実は何ら解決していない。
日本やEUとの貿易問題もそうだ。たぶんトランプ氏が求めているのは、自分達だけにメリットがあることをする為の交渉という名の強制だ。そのため、交渉が成立すれば、各国は負けを飲んだことになり、交渉が破綻すれば各国は関税障壁の影響を受ける。どちらかの選択肢しかない。だが、トランプ氏はそれを個別に重点交渉してしまうため、各国の足並みも揃わないという上手い策をとっている。本当は、絶対に飲まないと皆が決めてしまえば、トランプ氏の支持率も失うのだが・・・・・・それも出来ないぐらいに、各国が自分の主張を言い合うようになりバラバラになってしまった。
<景気後退がはっきり示される前に、金利引き下げ>
そして、最も恐ろしいのは景気後退がはっきりする前にFRBが金利の引き下げを示唆していることだろう。
これが行われると、本当に米国でバブルに陥る恐れがあり、大変危険な事態になるかもしれない。バブルというのは、金が返せる当てもなければ、今後も商品価格が上がる見込みもないのに、無理をしてそこにお金を投じて商品を買い続ける状況を意味する。特に土地や高額商品でこれは起きやすい。住宅、マンション、高価な美術品、骨董品を投資目的で無駄に買う人が増えるのだ。
しかし、景気後退が明らかに確認される前に、金利を下げてしまうと、本当に景気が後退し始めた時に、物価制御が機能しなくなる恐れがある。
今日本が陥っているとされる状況だ。金融による物価制御が行われなくなると、金融で経済を支えることも出来なくなる。
リーマン級というのが起きた時に、何も抜本的な手が打てなくなるのだ。何故なら、下手にマイナス金利を適用すると、銀行の利ざやが失われ、銀行破綻という流れも有り得るからだ。それが、最初に書いた資本の問題へと戻ってくる。やってはいけないのは、企業活動が低下し、景気が下がることが明確になってもいないのに、それを先走って行うことだ。
それをやると、本当に取り返しの付かないバブル崩壊が起きる恐れが高まるだろうが、MMT論者はそれを考えていないようだ。
日銀総裁は今になって、厳しい現実を突きつけられ、気が付いたようだが・・・・・・今となっては、日銀単独で回復策をとる手立てはないだろう。
<不安しかないのに数値は極端に悪い訳でも無い>
しかし、こういった不安があるのに、経済データは短期的な景気刺激(FRBの緩和)などを織り込み好景気に戻ることを予測したり、上記した問題を予測したりと常識的な中間データを追うことがない。これは、大口顧客が、電子的な高速取引で、短期売買をすることで、短期的な売り買いで利益を出そうとすることが増えたことが原因と思われる。
大口の投資家は基本的に市場と逆張りをする。何故、逆張りをするかというと安く売って高く買うのがスタンスだからだ。安い時に、底入れして指し値を入れて買い。それより少しでも高い価格で買う方が、大事なのだ。そのため、小さな気配でも大きくお金が動くことを望んでいる。
それが、こういうどちらにもはっきりしない状況では、地獄と天国の両方に大量のお金を投じて、少なくとも赤字にならないようにという掛けに変わる。即ち、長く見た時に不安しかないからこそ、両方が上がる訳だ。
そして、その不安の原因が経済切っ掛けでは無く、各国の首脳同士の喧嘩や政治的なパフォーマンス理由であるため、見通しが立たず、長い目より短期で動くようになったとも言える。今のままが続くと、景気は徐々に悪化していくだろう。確かな事は、トランプ氏を止める人が出て来ないと、より危険度は増すが、トランプ氏を止める人が出たとしても、一度このような乱高下が起きる状況を生み出すと、もうオバマ政権のような時代には戻らないと言うことである。
既に、多くの中間層が利益を生む時代では無く、自分が利益が出る場所に向かないと利益を得れれないそんな時代だ。
これは、世界の首脳が結局、government of the people, by the people, for the peopleというLincolnが民主主義政治の原則として掲げた言葉ではなく、既にgovernment of mine(myselfでも良いかも), by mine, for a mineになっていると言うことである。これは、日本の政治も、米国の政治も、欧州の政治も同じだ。
彼らは、選挙に当選することしか既に頭にない。だから、政府(政治)は全て自分の好き勝手にするものとなった。だったら、経済を動かす者達も、自分が生き残るために、自分のための経済活動をするしかない。社会も徐々に自分で自分のための社会生活をしないと生きていけなくなる。
それが、余計に目の前の状況しか見渡せない社会を生み出している。
<この先は不景気か?好景気か>
難しいところだが、今の状況だと早ければ来年から不景気だろう。ただ、世界はリーマンショックの恐怖を強くまだ意識しているので、1年2年ぐらい耐えるかもしれないが、好景気が何十年持つ付くこと自体がないことだから、どこかでは来る。
それが来た時に、今より自分のためだけという人が増えていれば、世界の社会構造は民主主義時代から違うステージへと変わるだろう。そこで、戦争や紛争が起きたり、はたまたそういう人による問題より、エボラなどの流行のような国際社会が一致協力して支えて抑止していたリスクが、蔓延するかも知れない。
だから、今のままではいけない。見通せない先行きはとにかくそろそろ終わらせて欲しいが・・・・・・まあ、元凶の地の2カ国(米英)は、それに気がついていなから・・・・・・この先は不透明で、皆短期の織り込みに留まり、リスクオンオフが混じるのだろう。
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