ソニーRX100 VII(DSC-RX100M7)とM7G発表。RX10M5も近いうちに……。またお高くなっていく。
ソニーが1.0型センサーを搭載したRX100の最新モデルを発表した。販売開始は8月の終わりからとなるようだが、α9並になったというRX100M6より高速な連射撮影に対応したのが特徴のようだ。
課題のバッテリーの持ちは連続動画撮影(液晶使用時)なら悪くなっている。静止画撮影時の液晶モニター使用時(CIPA)は10分延びている。消費電力はスペック上は僅かに下がっているのだが……この大きさで徹底した機能性を入れている都合上なのか、カタログ上Ⅵ(VI)から0.2W(7.3%-8%)の改善でバッテリー使用時間(CIPA準拠)にそれ相応の差が出ないという辺りを見ると、熱などの問題が改善している可能性はきっと低いだろう。
<既定路線ならRXオタクがいるので売れるのは間違いないが……>
製品価格はソニーストア価格13.9万円(7月26日時点、税別)のVIに対して、VIIは凡そ5千円高い14.5万円になるとデジカメWatchでは伝えている。そのため、コンパクトカメラにそれだけ金を出せるかというのが問われる機種であることは間違いない。もちろん、焦点性能は既に昔のコンデジと比べてはいけないレベルで、バカみたいに安価な入門一眼カメラより高性能で、ほぼ確実にソニーはCANONなどのブランドに対する息を止める勢いでやっているように見えるが……
大抵の人は、M5Aで十分となり、中域ズームが必要ならVIでも十分幸せだろう。むしろ、このレベルになるとプロカメラマンがスクープを追う域の描写になるが、小さすぎる上にズームもロングレンジほどはないので扱い難いというのが難点になる。
そこでシューティンググリップキットモデルを最初から添付したGモデルも出すようだ。
昨年も別売りで出していたが、結構売れるている証だろう。ちなみに、セットでもお値段が安いのかというとWatchの記事を読む限り変わらないようだ。本当なかなか露骨にお殿様モードに入っている。相当この事業は儲かっているのだろう。
<この後にはRX10M5も待機している>
ちなみに、この後ろには既に大型ハイズームコンデジのRX10M5も登場が予定されている。こちらは、たぶん100M7を踏襲しつつ、ハイズームに相応しい付加機能でも搭載してくるかも知れない。きっと、100M7の値段差から見ると、19万~20万ぐらいで出てくるのでは無いかと思われる。RX10シリーズも全体的に好調で値崩れは最近しなくなってきているので、RXシリーズは完全にカメラ市場でのiPhoneのような存在に変わったようだ。
要は、指名買いが既に当たり前に入るようになり、価格を抑える理由がないのだ。テレビなどでいうアイドルの中でもスーパースターになっている訳だ。そして、新機種を毎年出すことで、それがより盤石になっていく。何より大きいのは、古い機種も併売していることが、ブランドの中古、新品価格を安定させているという購入する人にとって理想的な状況を生んでいるのだろう。
この状態に入った今、他社がこれを崩すのは難しい。何せ、ソニーがこういう販売を継続できるのは、センサー、エンジンなど重要部品の多くを自社で作っていけるからである。そして、無線など自社で作れない部分は、同じロットの部品を他の製品と可能な限り共通化することで、部品メーカーの供給カットが起きないように調整していると思われる。その代わり、毎年新ラインを生み出して上位のてこ入れを続けているわけだ。
これは、カメラが主力だったキヤノン等でさえも、最近になってやっと気が付いたレベルだ。初代RX100時代のコンデジを未だに売り続けながら、同じデザイン、同様のアクセサリー(バッテリー、グリップなど)を使える製品を7世代も続けるソニーはまだアドバンテージが強い。
ただ、今回の製品を見て、私としては次にコンパクトカメラを買う時にソニーを選ぶのかというと、どうだろう?
そろそろ、新機種の価格は、そのサイズ、グリップグレード(大きさとの兼ね合い)から考えると、バランスが悪いなと感じる。RX100シリーズを持っている人だと、そういう撮影を望む人なら別だが、触手食指が動くかというと悩む人は多いのではないだろうか?果たしてそこまで必要かとか、その程度でこの価格かとか……。M6最近買ったのに値崩れしないでよ……でも思った程じゃなかったとか(皆が思った程じゃないとたぶん値崩れする)。
実際に、RX100M5・6のバッテリ持続は、過去の製品より大電力になった影響もあり、悪くなってきており、今回の機種もスペック上は、最初にかいたようにカタログ上最大8%良くなるはずだが、仕様上CIPAの撮影時間は、ほぼ変わらない。これは、今5や6を持っている人が連射特性を見て買い換える要件に入れるかというと……結構厳しいだろう。USB給電が出来るので、それが唯一の救いだが……このままで、よい話でもない。
個人的に、ソニーがこのクラスでやることは、新しい機種を出すことよりも、村田製作所と共同でNP-BX1の容量を増やしたXLモデルやBX1M2というバッテリーを出すことだろう。全機種共通だから、全体のてこ入れにもなるかもしれない。
今NP-BX1は3.6V/4.5Wh(1240mAh)のバッテリーであるが、今の技術を使えば、十分安全に配慮した状態で、このサイズなら、熱マージンを安全側に徹底的に向けても1860mAh(1.5倍)ぐらいまでなら、同じサイズで出来るはずだ。スマホなどで使われる高密度バッテリー技術を使えば、2480mAh(2倍)は難なく達成できる。個人的には、新機種を出すのも必要なのは分かるが、NP-BX1の容量もその際に一緒に見直したモデル(最新機種は新型バッテリーを添付、下のクラスはオプションにすれば差別化も出来る)を出さないと、厳しくなってくる。
後は、機能を増やすより全体の熱量を今より大きく抑えることだろう。
それが高機能ばかりを狙っているため、トータルでは決して悪くないが、最新機能を頻繁に使う人の評判がこのところ落ち始めている。
<もしソニー以外を買うならば>
ちなみに、もし私が今、価格比で最新機種を買うならPowerShot G5 X Mark IIを買う可能性が高いかな?
ここではSONY製品の記事を書くことが多いが、HFR(ハイフレームレート)撮影でもするつもりがないなら、G5の価格比性能やサンプル写真は、カタログ上の追従性、撮影性能は良いなと思う。動画カメラとしてオールラウンドに使えるズーム製品を考えるなら、新製品とは言えないがPanasonicのDC-TX2とか、ソニーのRX100M7の1/2と、お安く15倍ズームが使える。センサーは1インチなので、世間によくある高倍率コンパクト機種より良い。
ちなみに、TX2に関しては、RX100M6とは比べて弱い点もある、小型高倍率ズーム故に、低照度感度は4倍差(2.6luxと10lux)があるし、操作性はソニーとは違うからだ。ソニーになれているとマニュアル系の操作は難しいかも知れない。(私は、慣れない操作を覚えていくのも好きだ)
ソニーが売れるのは、RX100がずっと売られているということから、レビューが蓄積されて来た影響は大きい。それ故に、メディアもソニーの価値を大きく取り上げるようになった。検索するとRX100の記事はとても多くなる。一方で、パナやキヤノン、ニコン、オリンパス、リコーイメージングなどの製品は、世代交代=前の機種の終了となる。すると、レビューは蓄積されない。その都度新製品のレビューがでて、古い商品は販売が終わるからだ。ここに来て他のメーカーもそこにやっとたどり着いたので、ソニーがこれまでのまま高価格化で戦うと、あれっと思う人は出てくるかもしれない。
今回の製品発表は、その可能性をαにしてもRX100にしても見せ始めているような気もする。
それを引き起こさないようにするには、カメラの機能をもっと増やすというよりは、バッテリーや機能が増えた故の熱問題など基本を1度何とかして、そろそろ製品本体の大きさなどに対する価格も限界を見極めることだろう。今のでるごとに機種の価格が上がる流れは、どこかでこれぐらい売れるだろうと思って量産して在庫を蓄えていたら、売れないなんて事態も起きかねないところに足をかけ始めているようにも見える。
西川哲郎さま
あけましておめでとうございます。
そして、コメントありがとうございます。
ウネウネしていた触手を食指に修正しました。ウォッと声が出そうになりました。
たぶん、他では食指と書いていると思うのですが。自信がないぐらいこの触手、もとい食指には個人的な因縁めいた問題がありまして。
これまでも触手や職種と書いて、あれっなんか違う!食指と書き直したことが幾度となくあります……。
食指でしょくしというのは分かっているのですけど、子供の頃に「しょくしゅ」で覚えていた経験(誰かが喋っていた言葉を覚えた時にしょくしをしょくしゅと聞こえたこと)があるせいか、どうもしょくしゅと書いてしまう癖があるのです。その結果、「しょくしゅ」と言って笑われたり、空気が?になった記憶もあるほど因縁があり、今でも「しょくしゅ」と入れる(喋る)ことがあるのです。お恥ずかしい。だから、書いた後に見直すんですけど。
三つ子の魂じゃないですけど、あと何回やらかすだろうか?
ちなみに、ここまで書いたのは、本当に赤面するほど恥ずかしかったからです。
本当に「食指」間違えの「触手」と「職種」は恐ろしい。ブルブル
食指、食指、食指……今度は間違えないように練習しておきます→(ちなみに、5回書こうとして4回目で祝詞と書いたのはここだけの秘密です)
この記事へのコメント