お手頃価格の7.1chサラウンド対応USBオーディオアダプター……今では珍しい製品。
ASCIIの記事である。ノートPCなどで5.1chや7.1chスピーカー再生をしたい人にはよいだろうが……売れるのかというと沢山売れる事はないだろう。
この製品2003年ぐらいまでならベストセラーになるだろうが、今だと……珍しい製品である。
<音質よりサラウンドが魅力>
これは、USBオーディオだからといって音を期待する製品ではない。まず、これHD Audio(Hi-Res)には対応していないいわゆるAC'97 Codecベースのオーディオチップである。その代わり、7.1ch出力対応で価格が安いわけだ。だから、本領を発揮するのはヘッドホンサラウンドなどではなく、実際に7.1chや5.1chのステレオミニプラグのスピーカーを揃えてサウンド対応のゲームをプレイしたり、映像を視聴した時である。
それ以外の目的では、下手をすればオンボードで実装されているHD Audio Codecの方が音が良い音源もあるかも知れない。
そういう意味では、本当に珍しい製品である。まあ、ヘッドホンなどでハイレゾを聴くときには、PC側のヘッドホン端子と聞き比べてよい方を使い。マルチチャンネルでは、USB側を使うのが正しい使い方だろう。
しかし、話は変わるが、サウンドチップメーカーとしてのC-Mediaが生き残っているのは不思議だ。デジタル時代になると、やはり差はそれほどないので、価格の安さが重要だったということなのだろう。音がよいとか、ドライバーの出来がよい製品より、良くも悪くもシンプルなこのC-Mediaが残るというのは、今の他の産業でも起きているマニア受けから大衆化、低価格化への流れでも見られるが、小さな部分を作り込むコストを掛けては潰れたり、撤退しかねないという現実をよく示しているからだ。デジタル化とか、電動化というのはそういう流れを加速させているわけで、長い経済や社会の視点で見ると、良いのか悪いのかは良く分からない。
話を戻そう。当該の製品は何年かに1度やってくる低価格マルチチャンネルサウンドデバイスの1つであり、売れるのかというと、長く生き残れていないこれまでの製品と同じような流れに進みそうだ。
ただ、全く需要がないとも言えない。興味を持っている人は結構いるはずなのだ。問題は、興味を持っていても、買って使い熟すのが難しいのだ。スピーカーの設置とか考えると、それをこの製品も、過去の製品もなおざりにしているという点が問題だろう。
個人的には、これにバーチャルではない6.2chスピーカー(左右3.1chずつ)を物理的に内蔵した密閉型またはオープンエア型のヘッドホン(またはヘッドセット付きヘッドホン)を開発して、セットで付けてたヘッドホンエディションを1~2万円ぐらいで出せば、このご時世ならゲーマーから支持を得られる可能性もある。ゲーミング目的のサラウンドヘッドホンの多くはHi-Resではない製品も多いので、定位がバーチャルよりも取れるなら売れる可能性も高い。
まあ、そういう製品は出て来ないだろうが……
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