そのスマホは「3年」使える?……ちゃんと詳しく調べよう。ドコモ、au、ソフトバンク版

ケータイWatchの記事である。3年前のスマホのアップデート情報をまとめたと思いきや、メジャーアップデートの状況を書いたもので、且つ最後の更新日(refix date)も書かれていないので、今保守状態が果たしてアクティブなのか、クローズなのか分からないものだった。折角良い目線なのに……勿体ない。

例えば、Xperia X Performanceは最終更新が2018年6月でホットフィックスが2018年6月、Android 8.0と言った具合で書かれたとき初めて、評価可能な情報となる。


iPhoneSEだとiOS 12.3.2(2019年6月更新)という形で書かないと意味がない。

因みに、キャリアの故障やアプリケーション通信運用におけるサポートフェーズは別にあり、以下に記載のハードウェア保守期間中は、例えホットフィックス対応が事実上終わっていても、よほど危険な攻撃などがあれば、アップデートが提供される可能性はある。

Androidの場合は、
これとは別にこのBlogでは隔月ぐらいで公開するが、AOSP(Android Open Source Project)のサポートフェーズがある。
これは、Hotfixが供給される最長期間を示すものである。このAOSP通りの保守が有効なハードは、今のところGoogleブランドのスマホ(PixelとNEXUS)のみである。

この中でメンテナンスに入っているOSは、例えセキュリティパッチ対応が終わっていても、直接OSを狙った攻撃(Google Playのチェックをすり抜けて入る不正なアプリや、別のサイトからインストールする不正なアプリ)に侵食されない限りは、危険性は低く抑えられる。これは、CTSの更新は行われているからだ。アプリケーションソフト(SNSや各種ゲームなどのアプリ)に対するアップデートが継続的に提供されているのもCTS更新が行われ続けているからだ。

但し、セキュリティソフトなどを入れて対策を取る必要がある。

Closedになると、いよいよこれらの保守も段階的に終了に向かう(1年~2年でアプリケーションソフトも最新版が出て来なくなる)。実際に通信するアプリケーションソフト側にも脆弱性が増えていくため、利用は徐々に減らし、最新OSのモデルに買い換えた方が良い。

このサポートフェーズは現在最新版から2世代まで行われている。これを過ぎた製品は、既にOSとしての安全性を求めるなら無価値と言っても過言ではなく、そこからさらに1年~2年過ぎると多くのアプリは、更新が終わるようになるので、いよいよ使い物にならなくなるケースも多い。

では、上記に基づき大手3社のみ保守状況を調べたので記載する。


尚、サポートフェーズは平均して3ヶ月-半年以内のサイクルで更新が行われていなければ、緊急のみ扱いとし、それ以下でのサイクルがあればメンテナンス、毎月の更新があり、メジャーアップデートもサポートするものは標準メジャーとしている。

全社共通はau、ソフトバンク、ドコモは以下のようになる
製品名OS保守状況(Hotfix Level)サポートフェーズハード保守の終了予定
iPhoneSEiOS 12.3.2(2019.6)標準メジャー保守未定
Galaxy S7 edgeAndroid 8.0(2018.8)延長マイナー(緊急のみ)2021年
Xperia X Performance
Android 8.0(2018.6)
延長マイナー(緊急のみ)2020年-2021年
iPhone 7(Plus含む)
iOS 12.3.2(2019.6)標準メジャー保守未定
Xperia XZAndroid 8.0(2018.10)延長マイナー(緊急のみ)2021年


NTTドコモは以下のようになる
製品名
OS保守状況(Hotfix Level)サポートフェーズハード保守の終了予定
Disney Mobile on docomo DM-01HAndroid 5.1(2018.6?)延長マイナー(緊急のみ)2020年3月
AQUOS ZETA SH-04HAndroid 8.0(2019.4)延長マイナー(緊急のみ)2021年3月-4月
arrows SV F-03HAndroid 7.0(2019.4)延長マイナー(緊急のみ)2021年8月
Disney Mobile on docomo DM-02HAndroid 6.0(2018.2?)延長マイナー(緊急のみ)
2020年10月
Xperia X Compact SO-02JAndroid 8.0(2018.10)延長マイナー(緊急のみ)2021年8月
AQUOS EVER SH-02JAndroid 8.0(2019.6)メンテナンス(2-3ヶ月周期)2021年7月-9月
arrows NX F-01JAndroid 8.1(2019.4)メンテナンス(2-4ヶ月周期)2022年3月
MONO MO-01JAndroid 7.1(2019.4)メンテナンス(約半年)2022年3月

au by KDDIは以下のようになる。
製品名
OS保守状況(Hotfix Level)サポートフェーズハード保守の終了予定
AQUOS SERIE mini SHV33Android 7.0(2017.11)延長マイナー(緊急のみ)2020年3月
Qua phoneAndroid 5.1(2017.1?)ハードのみ?(AOSP終了済み)2021年3月
AQUOS SERIE SHV34Android 8.0(2018.10)延長マイナー(緊急のみ)2020年9月
AQUOS U SHV35Android 8.0(2018.10)延長マイナー(緊急のみ)2020年9月
HTC 10 HTV32Android 8.0(2018.2)延長マイナー(緊急のみ)2020年12月
Qua phone PXAndroid 7.0(2019.4)延長マイナー(緊急のみ)終了日未定
BASIO2Android 6.0(2018.8)ハードのみ(AOSP最終適用済み)2021年11月
AQUOS U SHV37Android 8.0(2018.11)延長マイナー(緊急のみ)2021年1月
isai Beat LGV34Android 7.0(2018.11)延長マイナー(緊急のみ)2020年10月
URBANO V03Android 6.0(2018.7)ハードのみ?(AOSP終了済み)終了日未定

ソフトバンクは以下のようになる。
製品名
OS保守状況(Hotfix Level)サポートフェーズハード保守の終了予定
AQUOS Xx2 miniAndroid 5.1(2016.10?)ハードのみ(AOSP終了済み)2019年9月
AQUOS Xx3Android 8.0(2019.1?)延長マイナー(緊急のみ)2020年3月
DIGNO FAndroid 6.0(2018.8?)ハードのみ(AOSP終了済み)2023年5月
シンプルスマホ3Android 6.0(2018.7or8?)ハードのみ(AOSP終了済み)2022年5月
STAR WARS mobileAndroid 8.1(2018.4or5?)延長マイナー(緊急のみ)2019年10月

尚、?がついている製品がNTTドコモ、auの一部とソフトバンクの全ての製品にあるが、ソフトバンクについてはビルド番号しかアップデートサイトに記載がなく、セキュリティアップデートのバージョン(日付)がないため、推定である。他の製品も当該サイトに記載がないものは?としている。
これは、ちゃんと明記した方が評価は上がるだろう。一体セキュリティレベルがどれだけ上がるのかが記載されないと、AOSPで予めどんなセキュリティホールに対応したのかを知ることも出来ない。
ここは、ソフトバンクに限らず各社、ちゃんと明記した方がよい点である。

あと気になるのは、AOSPでのアップデート保守が終わっているのに、ハードウェアの保守はまだ継続されている製品がauとソフトバンクにあることだ。
これらは、ハードウェアの仕様上、7.0にアップデートする要件を満たしていないのだろうか?アップデート出来る製品なら、ハードの保守がある期間は、何とかした方が良いと思うが……。幾らシンプルで制限を掛けているにしても心配にはなる。


当該のスマホを使っている人は買替えも検討した方が良いのかも知れない。


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック