アップル、「HomePod」を値下げ……これでも売れる可能性は低い。
CNETの記事である。今は、Google Homeがよく売れており、次いでAmazonのAlexaであるとされる。Alexaは当初No1製品だったが、流石にAmazonの販売網にリンクしている側面が強いため、オープンな発想が強いGoogleの方がこのことろは伸びているようだ。
そんな中で、SiriをベースとするHomePodは音を重視して発表されたが評判は今ひとつである。だから、値下げということのようだが、CNETの記事が示すように、Appleの価格より米国では店頭価格の方が安いこともあるので……これでてこ入れになることはないだろう。
https://japan.cnet.com/article/35135298/
<スマートスピーカーブームにたどり着けないApple>
HMDは既に一時期のブームを終えて今の販売数は、以前に比べて減っている。しかし、スマートスピーカーは今の段階でも、まだ一応の販売性長が続いているようだ。それなのに、HomePodが十分な成長を達成できないのは、Siriの評価が一頃より下がっていることが理由である。
まあ、Appleの提供するHomePod向けサービスにも問題があるのかもしれない。このままだと、HomePodの後継は開発されない恐れもある。そして、このHomePodの失敗からAppleは新しい次代のハードウェアの発表が出来ていない。
これは、Appleがハードでインパクトを見せ成長するのは限界だということだろう。完全にスティーブ・ジョブズ氏のような経営者が開発者のアイデアを組み合わせたり、聞いて、先進的な形にする企業から、普通の企業へと変わったということだ。この先、極端な衰退もないと思うが、大きな成長もない可能性が高い。
これは、ブームにたどり着けていないことから見えることだ。
<何故売れないのか?>
これは単純である。HomePodやAlexaの方が、スマートだから(賢いから)である。また、オープンという点も重要だ。端的に言えば、ソフトウェアサービスとしてコネクトし易く、家電などにビルトイン(搭載)しやすい。
だから、シェアが伸びるし、開発も進む。しかし、Appleはそれがない。
人によってはiPhoneやiPad、iPodが上手く行ったじゃないかと思うだろうが、これらの製品とHomePodの違いは、その登場時期にある。
iPodで誕生したiOSはタッチインターフェースで制御出来る初めてのスマートフォンに採用された。その瞬間から、ソフトウェア開発者はこれは凄いと、色めき立ち、そのOSに対応するアプリケーションを率先して開発するようになった。
その後に、Androidがオープンで出てきた訳だ。その年数の差が重要なのだ。
iPhoneは2007年6月に発表された。そこからアプリケーションがこぞって開発されるようになり、2010年6月のiPhone4ぐらいまでには、アプリケーションの市場が完成していた。
それに対して、Androidは2008年9月に1.0が登場したが、携帯電話(スマホ)として売れ始めたのは、Android 2.3(2010年10月)からである。しかも、ハードとしてそれが搭載されるようになるのは、半年以上後だった。
OSとして完成度が追いつき始めたのは、Android 4.0~4.4(2011年~2013年)である。
この約2年~3年の差がクローズドプラットフォームでも成功する鍵だった。
ない市場に出てきた新しい技術なら、クローズドでも企業は積極的に参入するからだ。
しかし、HomePodは逆に、既にAlexaなどがビルトインなどを始める時期に発表されている。その状況で、クローズドの開発を選ぶなら、よほどそれらよりも全く新しい何かが必要だ。例えば、Podの上に、3Dホログラフィックディスプレイが付いていて、キャラクターの立体映像が出せますとかあれば、売れたかも知れないが……。
そういう何か他には全くない技術じゃなければ、クローズドを選ぶ理由がないのだ。結果、売れなかった。売れないから、機能進化も進まない。殆ど孤軍奮闘になってしまう。孤軍奮闘で売れないと、さらに開発費は削減される。
たぶん、今のままだと撤退することになるだろう。
<今のままだと90年代のAppleになりかねない>
まあ、まだ兆候は出ていないが、今のままAppleが進むと、90年代に身売り寸前まで追い込まれたAppleという姿があるかもしれない。2030年代~40年ぐらいまでにそうなってもおかしくはない。
そのように考える理由は、クローズドプラットフォームの優位性とは何かという点を、Appleが理解していない可能性があるからだ。ジョブズが最後に途中まで手がけたと思われるApple Watchが、バッテリの持続時間などで少し不完全な状態でも発表されたのは、今までにないものだったからだ。
iOSをリッチOSが使われてない家電にも他のメーカーが進出する前に積極的に出すことで、クローズドOSの強みが生かされる。開発者は、それしかないなら、それに向けて可能性を試そうとするからだ。故ジョブズCEOは、それを知っているから、貫いた。
しかし、今のAppleは完全で無いなら出さないと決めている可能性が高い。その結果、他が製品を出した後に、もっと良さそうな品になったと、トップが感じて製品を出している。すると、既に売れないのだ。オープンプラットフォームなら売れるが、クローズドでは売れない。
そこのギャップが既に出ているように見える。
このままなら、きっと昔の二の舞だろう。まあ、良くも悪くもジョブズ氏の印象が強い会社だけに、経営の舵取りをする側には辛い話だ。
<HomePodをこれから売る、または次世代を開発するならどうするか?>
それを考えるとなかなか難しい。オープン化というのはすればAppleが終わりかねない。クローズドが売りのメーカーがある製品でオープン化を図り始めると、大抵長い目では衰退するからだ。
そのため、HomePodの利点を追求するしかない。元々スピーカーとしては高い性能だと売り込んでいたのだから、DolbyやDTSと組んで、同じPod2台を紐付ける機能を搭載し、それを使うとAtmosやDTS:Xサラウンドが出来るようなソフトウェアを開発すれば、オーディオマニアに別の視点でバカ売れするかもしれない。(ちなみに、今はそういう機能はないはずだ)
いっそ無線LANの親機やリピーターとしての機能でも持たせれば、売れるかも知れないが、HomePodとして使われる事はないかもしれない。
しかし、スマートスピーカーもスマホのように皆に普及する代物では無く、どちらかというと、テレビやレコーダーなど何らかのデバイスに付与されているから、リモコンなどの代わりに使う物に最終的にはなっていくように思う。
そう考えると、やるべきは家電へのビルトインで使いたい人や、使いたい状況だけで使うぐらいが良いのかも知れない。用は、専用品ではなく、あらゆる情報家電に搭載して、使う使わないは利用者に任せるものというところが、最終的な目標点なのではないかと思う。
そんな中で、SiriをベースとするHomePodは音を重視して発表されたが評判は今ひとつである。だから、値下げということのようだが、CNETの記事が示すように、Appleの価格より米国では店頭価格の方が安いこともあるので……これでてこ入れになることはないだろう。
https://japan.cnet.com/article/35135298/
<スマートスピーカーブームにたどり着けないApple>
HMDは既に一時期のブームを終えて今の販売数は、以前に比べて減っている。しかし、スマートスピーカーは今の段階でも、まだ一応の販売性長が続いているようだ。それなのに、HomePodが十分な成長を達成できないのは、Siriの評価が一頃より下がっていることが理由である。
まあ、Appleの提供するHomePod向けサービスにも問題があるのかもしれない。このままだと、HomePodの後継は開発されない恐れもある。そして、このHomePodの失敗からAppleは新しい次代のハードウェアの発表が出来ていない。
これは、Appleがハードでインパクトを見せ成長するのは限界だということだろう。完全にスティーブ・ジョブズ氏のような経営者が開発者のアイデアを組み合わせたり、聞いて、先進的な形にする企業から、普通の企業へと変わったということだ。この先、極端な衰退もないと思うが、大きな成長もない可能性が高い。
これは、ブームにたどり着けていないことから見えることだ。
<何故売れないのか?>
これは単純である。HomePodやAlexaの方が、スマートだから(賢いから)である。また、オープンという点も重要だ。端的に言えば、ソフトウェアサービスとしてコネクトし易く、家電などにビルトイン(搭載)しやすい。
だから、シェアが伸びるし、開発も進む。しかし、Appleはそれがない。
人によってはiPhoneやiPad、iPodが上手く行ったじゃないかと思うだろうが、これらの製品とHomePodの違いは、その登場時期にある。
iPodで誕生したiOSはタッチインターフェースで制御出来る初めてのスマートフォンに採用された。その瞬間から、ソフトウェア開発者はこれは凄いと、色めき立ち、そのOSに対応するアプリケーションを率先して開発するようになった。
その後に、Androidがオープンで出てきた訳だ。その年数の差が重要なのだ。
iPhoneは2007年6月に発表された。そこからアプリケーションがこぞって開発されるようになり、2010年6月のiPhone4ぐらいまでには、アプリケーションの市場が完成していた。
それに対して、Androidは2008年9月に1.0が登場したが、携帯電話(スマホ)として売れ始めたのは、Android 2.3(2010年10月)からである。しかも、ハードとしてそれが搭載されるようになるのは、半年以上後だった。
OSとして完成度が追いつき始めたのは、Android 4.0~4.4(2011年~2013年)である。
この約2年~3年の差がクローズドプラットフォームでも成功する鍵だった。
ない市場に出てきた新しい技術なら、クローズドでも企業は積極的に参入するからだ。
しかし、HomePodは逆に、既にAlexaなどがビルトインなどを始める時期に発表されている。その状況で、クローズドの開発を選ぶなら、よほどそれらよりも全く新しい何かが必要だ。例えば、Podの上に、3Dホログラフィックディスプレイが付いていて、キャラクターの立体映像が出せますとかあれば、売れたかも知れないが……。
そういう何か他には全くない技術じゃなければ、クローズドを選ぶ理由がないのだ。結果、売れなかった。売れないから、機能進化も進まない。殆ど孤軍奮闘になってしまう。孤軍奮闘で売れないと、さらに開発費は削減される。
たぶん、今のままだと撤退することになるだろう。
<今のままだと90年代のAppleになりかねない>
まあ、まだ兆候は出ていないが、今のままAppleが進むと、90年代に身売り寸前まで追い込まれたAppleという姿があるかもしれない。2030年代~40年ぐらいまでにそうなってもおかしくはない。
そのように考える理由は、クローズドプラットフォームの優位性とは何かという点を、Appleが理解していない可能性があるからだ。ジョブズが最後に途中まで手がけたと思われるApple Watchが、バッテリの持続時間などで少し不完全な状態でも発表されたのは、今までにないものだったからだ。
iOSをリッチOSが使われてない家電にも他のメーカーが進出する前に積極的に出すことで、クローズドOSの強みが生かされる。開発者は、それしかないなら、それに向けて可能性を試そうとするからだ。故ジョブズCEOは、それを知っているから、貫いた。
しかし、今のAppleは完全で無いなら出さないと決めている可能性が高い。その結果、他が製品を出した後に、もっと良さそうな品になったと、トップが感じて製品を出している。すると、既に売れないのだ。オープンプラットフォームなら売れるが、クローズドでは売れない。
そこのギャップが既に出ているように見える。
このままなら、きっと昔の二の舞だろう。まあ、良くも悪くもジョブズ氏の印象が強い会社だけに、経営の舵取りをする側には辛い話だ。
<HomePodをこれから売る、または次世代を開発するならどうするか?>
それを考えるとなかなか難しい。オープン化というのはすればAppleが終わりかねない。クローズドが売りのメーカーがある製品でオープン化を図り始めると、大抵長い目では衰退するからだ。
そのため、HomePodの利点を追求するしかない。元々スピーカーとしては高い性能だと売り込んでいたのだから、DolbyやDTSと組んで、同じPod2台を紐付ける機能を搭載し、それを使うとAtmosやDTS:Xサラウンドが出来るようなソフトウェアを開発すれば、オーディオマニアに別の視点でバカ売れするかもしれない。(ちなみに、今はそういう機能はないはずだ)
いっそ無線LANの親機やリピーターとしての機能でも持たせれば、売れるかも知れないが、HomePodとして使われる事はないかもしれない。
しかし、スマートスピーカーもスマホのように皆に普及する代物では無く、どちらかというと、テレビやレコーダーなど何らかのデバイスに付与されているから、リモコンなどの代わりに使う物に最終的にはなっていくように思う。
そう考えると、やるべきは家電へのビルトインで使いたい人や、使いたい状況だけで使うぐらいが良いのかも知れない。用は、専用品ではなく、あらゆる情報家電に搭載して、使う使わないは利用者に任せるものというところが、最終的な目標点なのではないかと思う。
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