「1人産めば1000万円支給」で少子化は解決する\\\甘い話には裏がある。

ITmediaの記事である。書籍の紹介記事のようなので、そちらには書かれているのかもしれないが、ビジネスなのにデータが殆どなく、机上で進んでいるのが気になった。ビジネス記事なら空想ではなく、データをちゃんと示さないとダメと思うが……。まあ、自己啓発なら別なのだろうが……


これは、よくある子育てにおけるばらまきのお話である。額がデカいということを除けば典型例だ。

しかし、大きいから効果があると思えてくる人が居るとしたら、それは本当か計算した方が良い。「そんな高額を支給する財源がどこにあるんだ」が本当に大事なのだ。ちなみに、こういう方法でトランプ大統領は大統領になり、イギリスはブレグジット問題を抱えたことは分かる人なら分かる話だ。


今の現実に即してデータが明確にあるなら、やっと議論の底辺に付けるが、夢で語るならビジネス記事として三流である。ということで、実際に計算して見る。




<財政と経済の現実>


産まれたら、1000万円に必要な予算からだ。2017年の出生率で考えた場合、年間に生まれた子供の数は、94万6000人である。これを元に、単年度の予算を計上すると、最低でも9.46兆円になる。これは、1000万円×94.6万人だからだ。尚、例えば子供の数1.2倍増を目指すと、約12兆円(11.3兆円だが足りなくなってはいけない)必要である。



ちなみに、これがどれほどの予算かというと、日本の国家公務員の数が、58.4万人(平成29年度)で、平均年収が675万円のよう(民間調べ)なのでそれを元に出した年間の公務員人件費が3兆9420億円ということになるので、倍以上になる。


ネットでは希に、公務員を減らせばという話が出るが、国家公務員をゼロにしても、この予算は出ないので覚えておくと良い。(ちなみに地方公務員は予算が地方なので別である。これと混同している人も結構多い。)


では、何から持ってくるか?この場合だと、きっと高齢者を中心とした福祉予算を減額しようという話だろう。


参議院の平成31年度社会福祉予算資料にPDFがあったのでそれを元に計算すると、


年金約12兆円

医療約11.8兆円

介護約3.2兆円

少子化対策約2.3兆円

社会福祉費等4.6兆円


で、約34兆円という内訳があった。ここから、12兆円になるぐらいの減額をすることにした。

年金で6兆、介護1兆、医療5兆。


年金は、20%ぐらい削減し、医療費は5兆抑制(全体で35兆~38兆)のために14%負担率を上げる必要がある。

介護は、33%負担額が増えることになる。



これを元にみずほコーポレート銀行が出しているPDFの資料から、高齢者市場の減少率を算出するとえらいことになる。まず2015年の段階で、家計消費に占める60歳以上の消費割合が4割を超えており、2020年には43%になる。市場は72兆円→74兆円(2.8%増)になると見込まれるが、それが生活で20%下落することになる。

74兆円の市場が59.2兆円になるわけだ。即ち、今国内の高齢者ビジネスを基点にしている企業が、2割業績を落とすことになる。あなたのお仕事は、どうだろうか?


介護だと33%負担増になるため、一部の個人は介護施設に高齢者を預けたり、介護サービスを受ける回数を3割減らさないといけなくなる。そうなると、民間事業者は撤退や廃業することになるだろう。すると、今親が介護を受けていたり、施設入居している場合、それら撤退から自宅に彼らが戻ってくることになるかもしれない。


笑えないはずだ。医療費負担を15%増やすのは、高齢者だけでなく全体で医療費の自己負担額を3割から45%(4割または5割)で増やすことを意味する。これは、製薬会社や医療機材業者には悪い効果を与えるだろうが、勤務医や一部のドラッグストアからすれば楽になるかも知れない。


尚、起債で全て賄うと、最小で12兆円ほど国債が毎年増えることになる。現在、利回りは日銀の買い入れによってマイナスだが、これは日銀の金融政策がマイナス金利だからである。経済が2%成長を達成することがあるかは分からないが、それが起きたと仮定したとき予算より償還借換のコストが逆転するような状況になれば、デフォルトやデノミネーションなどで予算に占める債務を減らす必要がある。(実際に国債費は2015年の段階で既に24.3%ある


では、これを他の予算の削減から出せないか、消費税増税で出来ないかなど考えて行くと、いろいろパターンはあるが、経済活動をしている人々の誰にもマイナスがない状況は生まれないどころか、これほどの予算規模なら必ず、皆が時間差はあれど、なんでこんなことをしているのだと文句を言う程度の内容になるものも多いだろう。



ちなみに、国からのばらまきはだいたい1割ぐらいの人が、子供以外に金を一気に使い切る。

だいたい半分以上の人が、将来の為に貯蓄する。残りの人は生活費に充て、数パーセント以上は生涯で余剰金として残り続けるか、期限付きの商品券なら失効するため、経済効果も配る割には限定的とされる。特に現金の場合は、その傾向が強い。


これが、入り口の話である。計算上、この予算を出すには10年ぐらい掛けて内部改革をして段階的にどこかの予算の組み直しをしないと出来ないのだ。


それから、これが最も大事なことなのだが……少子化はすぐには解消せず、子供が増えれば新たに出てくる課題も同時に解消しなければならないということが、ここではすっぽり抜けている。



<少子化解消には15~26年かかる>


例えば当該の政策が実るか実らないか分かるまでには、単年度だけそれをやっても意味がない。最低でも複数年度、10年以上続ける必要があるだろう。予算にすると産まれる子供の数が変わらないとして12兆×10年で120兆になるわけだ(この場合は失敗である)から、だいたい出生率を1.43→2.07まで増やす仮定すると、予算は最終的に44%増で安定を見込む必要がある。



子供を作るというのは大人の事情で、今日蒔いて明日芽が出るようなものではなく、正常に生まれてくるなら10ヶ月10日という日数前後かかる。だから、例えば来年この法案が出来て、成立し。再来年から始めたとしても、その恩恵を受けたいと思う人が本格的に子供を作り始めるのはその後になるかもしれない。


即ち、2021年に始まって、2022年に最初のベビーブームの火付けが始まり、そこから2~3年ぐらいは爆発的に子供が増えるだろう。しかし、ここで気を付けねばならないのは、誰がその子を取り上げるの(出産分娩に立ち会って安全に分娩をサポートするの?)ということだ。産科医は不足しており、産院も減っている。


その上、保育園や幼稚園も昨今の少子化で減っている中で、一年やそこらで優秀な医者や保育士、教諭(幼稚園)を集めることは出来ない。しかも、ベビーブームというのはだいたい数年で一端終熄する。これは、人の出産はそんなに回数できる訳でもないし、子育てというのは産んだ後からの方が産むまでより遙かに大変だからだ。


多くの人は、2~3人を大きく超えて子育てをしない。下手に毎年1000万だと子供を作っていたら、その子が高校や大学になる頃に、親は経済的に苦しむかもしれない。(現実問題として今の社会で子供を一人前に育てるのに1000万ではおつりは来ない。マイナスである。)


即ち、終息期の後にもう一段がやってくるには、子供が育ちやすい環境を持続的に維持する政策が必要になる。それは、子育て環境としての予算を計上しなければいけないということだ。これを、21世紀最初のベビーブーマーが成長する流れに合わせて、15年~26年間行い続けて行く必要がある訳だ。


それが終わった時に初めて、少子化は解消される。それまでは、少子化対策の財政支出を段階的に増やして行かねばならない。続けなければ、安定した形で子供の数が増加せず単発で終わる。


何故そこまで行かないと解消しないのかというと、その時に子供を産んだ親が、子供が6歳になり小学校に入学する頃に、学童などの不足で苦しめば、そろそろ子供の手がかからなくなったし子供をと思っていても、作らなくなるかも知れない。子供を産み育てる、もっと産みたいと思う環境は、一時的、一面的ななものではなく成長のライフサイクル(時間の流れ)において、必要なステージに必要なものが整っているかどうかによって決まる。



日本は、そういうステージで物事を見る人が少ない。金をばらまけば子育てする人が増えるというのは、確かにないよりはマシだろう。しかし、それで継続的に子供を産みたいと思う人が増えるわけでない。これは、減税政策や増税政策と同じで、それが始まった直後に、メリットがあると思う人が飛び込むだけで、それが当たり前になった後には、徐々に勢いが落ち、さらに最初の子供が成長していく仮定で出てくる問題を解決できないなら、一気に愚策化するものだ。


これが、ばらまき批判が必ず出る原因でもある。

一時金などのカンフル剤は所詮カンフル剤止まりなのであり、社会システムなどが高齢化対応の中で、少子化を崩すには、子供が増える前提の仕組みの整備も同時進行で始めていなければいけない。



<予算とステージ(ビジョン)と、育て上げることが本来は重要>


少子化の解消議論は昔からある。そこには昔からばらまきもあれば、継続的な加算金もある。例えば、企業でも子供が居る家には扶養手当が付く企業は多い。また、田舎では子供を産んだら一律100万とかもらえるところもある。しかし、それで、人口が継続的に増えるかというとそうでもない。確かに喜ぶ人もいるが……。


女性が子供を産める数、産みたい育てたいと思う数というのは、理想と現実で違う上に、加算金があってもそれは既に当たり前になれば、その効果が薄くなるのだ。子供に教育や社会生活を適正に行うという状況になると、長い目で見た経済的社会的な問題から、難しくなることが多いからでもある。


永遠に続く効果などない。


フランスが1.9程度の出生率まで改善したのは、移民がある程度いたことと、制度を無理なく安定的に作り出したこと、国民性として子供を皆で育てている傾向が強いからでもある。要は、子は社会に取って宝なのだ。それでも、実は若者が就職難で荒れるような裏の顔もあり、少子化が改善されているから全て順風というわけではない。


まあ、少子化だけでみれば、フランスで考えられる少子化対策の基本を考えもしないのが、日本だ。金で解決できると思っている人も多いからタチが悪い。しかも、現実に出来ることかどうかは、置いて話すなど、ビジネスとして考えてもおかしな話が未だに行われている。実業家のアイデアとして見るなら、トランプ氏のような人がいるので、今はありなのかもしれないが……。


本当の意味での解消にはほど遠い発想だ。


そして、最も問題なのは

毎年1人産めば、今の給料+1000万で、年収一千幾らみたいな皮算用をする人もいることだろう。もしその勢いで考えている人が多ければ、その子をちゃんと君は育てられるんだよね?と聞きたくなる。子供は育つまでに手も時間もかかるものだ。子供が増えるだけで勝手に社会が消滅しないと決まる訳ではない。


労働だけで見ると確かに、そう見えるが、これから育つ子供が社会を崩壊させることだってあるのだ。


子供がしっかりした大人になれる社会で、子供が大人にならないと、あなたや社会は誰かの子に殺されたっておかしくない。テロリストや社会における不適格者(虐待、殺人などをする大人)はそうやって産まれてくるのだ。


それを忘れてはならない。



まあ、こういう記事は私もここで何度か書いたことがあるが、ある程度予算などを示すことが重要だ。そうしなければ、机上の空論が空回りして、政治家の中から、お馬鹿さんをつり上げてしまうことも今では本当にあるからだ。もちろん、この発想(議論)そのものが悪い訳ではない。ただ、議論するにはプロセスとして現実に即して考える姿勢が求められる。




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kさま

私の拙い文字列にコメントありがとうございます。
良いご意見だったので、私なりの見解を書かせていただきます。

>少子化の要因は未婚率の上昇と第三子以降の現象なので、第三子以降に1000万なら財源を抑えられるのでは?

第三子や四子なら確かに効果はあるでしょうね。但し、その場合も子供を産むことに対してなのかというのは、考えた方が良いかも知れません。
個人的には、産まれた後にお祝い金が出るのも手ではありますけど、小学校入学時、中学校入学、卒業などの節目などに分散してトータルにしたほうが、もしかすると良いかも知れないと思います。

子育ては産んだだけでは終わりはしません。育て上げて育て上げた人(両親)は先に亡くなっていくのが普通ですから。
海外の場合でも、確かに一律給付金というのはありますけど、成功例の多くは、子供が大人になっていく仮定において、総合的な支援が行われるものです。
産まれた時に1000万蒔いて保育所を用意して、後は皆さんでご勝手にというところは少なく、社会(コミュニティ)全体として子供を見守る活動が行われる地域で人口が増える傾向にあります。また、もう一つ面白いのは、生活水準が日を追うごとに上がっていくと実感できる人が子供を増やしやすいというのも重要です。お金は確かに形あるものとしては良いのですけど……一律1回などの給付金は決してそこには該当しないのです。


>子供を作らなければお金を取るという独身税のような発想も合わされば、出生率が回復するかも

これは、どちらに向かうか微妙です。独身税を作るなら、年齢累進制を作ることになるでしょうけど、そもそも頑張っても子供が出来ない人にはどうします?
とか、いくつまでに子供を何人作るべきなのかも考えなければなりませんし、今の社会給与体系では、他の税(所得税、消費税、贈与税、酒税、揮発油税等々)での個人負担率が、既に日本という国の場合はかなり大きい割に、社会福祉の大半は年金と医療費に消え、子供に向かわない国になっていることもあるのです。実はそっちに手を加えないとこの状態で独身税を増やせば、下手をすると悲観者が増えたり、経済の目処がたたないのに子供をという人も出てくるでしょう。

それは果たして、幸せなのか?
そもそも、本末転倒なことが日本の少子化議論にはあります。それは、国を守るために子供を作るんじゃなく、子供がいると幸せになるから、子供は増えるのだという発想を持たせる議論がないことです。そういう条件が抜けているのです。

今の日本はそこが全くないのです。日本でこれを議論するとき多くの人は国がヤバい。子供を若者に産めっていうのです。その結果、若者の中にはお前らが子供を作らなかったツケをという人は世の中に沢山います。日本の総理だって子供はいないじゃないってなる。子供が居なくても、税が納められる人は、良いと言えば、生活に窮して子供を作らないとより生活に窮するよと言われて、渋々というのは……きっと若者は望まないでしょう。そういうことです。

2歳前後の子供を連れて外出して、子供が駄々をこねるのを見て、冷たい目で見る爺さん婆さんも、おっさんもおばさんもいる。
それじゃあ、金がいくら出ても子供を沢山もって幸せにはなりません。

尚、日本の婚姻率は全人口比で計算されているため、高齢化が進めば下がるのはある種仕方がないところにあります。最近はわりと下げ止まっています。
晩婚化だけではなく、高齢化で若年層の人口が減っているからもあるでしょう。まあ、一つ言えるのは今の状況が維持できるなら10年後ぐらいに段階の世代の多くが、あちらの世に旅立たれると大きく上がるでしょう。以下は、昨年出生率が激減したという時に、私が厚労省の人口動態調査を元に出した、年代ごとの15歳~49歳までの年齢人口と各統計率を表した表です。

TOKUSHU2019.PNG
(厚生労働省-人口動態調査を編集した物です-https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html


ここからは私が、少子化を考える中で調べた結果なんですけど。私の中では、少子化は解決するを1つでまとめる人はこれまでの少子化政策を見ていないと思っています。下手すると、子供は産んだ、産ませたけど、ちゃんと子供が育つ過程での社会の問題点を見てきましたか?または、今の社会において子供がどう育つか見ていますか?古いんじゃないのとか、庶民とは違う発想じゃないのと言いたくなる訳です。

私は、これ以外にも国税庁の民間給与実態統計と、厚労省の毎月勤労統計なども年に1度ぐらい出てくるデータを趣味で集計しておもうのです。
例えば中小の労働者の統計とか、徐々に人数が減っているんですよ。これも、実は子供の数に影響するのですよ。特に個人事業主だと、地域で仕事をしている事業主が多いと、かれらはコミュニティーの代表をしてくれることが多いのです。しかし、それが無くなると……

今は子供会(PTA)や自治会なども共働きで回らないとか出てきていますけど、全てはそこに繋がっていき、自分達が住んでいる場所のコミュニティーに子供を見守る柔軟性や、社会性が消えつつあるのも影響の一つとして考えています。

こういう部分も、実は小さく見えて大きな問題となるでしょう。

お金というのは確かに一つのツールですけど、日本は上の人間が金に固執しすぎている面もあります。金を出せば全て解決すると思っている人も多い。
金を取るぞと脅し、言うとおりにすれば金をあげると言えば人はその通りにすると政治家や行政、一部の有識者、為政者が本気で思っている節がある。確かに、そういう一面が見えて海外では成功しているように見える国もありますが、実はその多くは日本の為政者や有識者が外国語が読めない人に示したチェリーピッキング(都合の良い数字)であることも多いのです。

現実にそれは地域のコミュニティー能力や社会の持つ経済能力(物価上昇率に対する賃金体系など)、また学力や向上心の変化などによってうまれる、それよりもっと大事な何かが合わさっていることが多いのです。そこが示されずに金が先行するなら、たぶん何をやっても一過性で留まり、織り込み(それが当たり前に定着するまでの時期)が終わると効果が無くなり、財政ばかりを広げて圧迫していくしょう。それなら、もう止めた方が良いなんて、1度始めたら言えない国ですし、それを社会が当てにし始めていたらそれをやめた瞬間に、裁判になるかもしれない。

まあ、考えられる手はいろいろあると思いますけど、日本の親や若者が果たして本当に金や税だけを理由に子供を沢山望まないのか?というのを、本気で突き詰めて考えないと、日本文化にあった対策は取れません。例えTwitterで一部の若者が喜んでも、本気で産もうと考えて居る人は、そんな一時金など無くても産みますし、合ってもこれからを考えて産む自信を失う人は沢山います。税が増えても仕方が無いと思う人もいるでしょう。

特にそれがはっきりしているのは、40年近く少子化の話は行われ、海外例の採用も含めて、30年近く対策は取られていますけど、それらが芽を出さないというのがその証拠です。金額を増やしていくばかりで本当に良いのでしょうかって誰も言わない。

だいたい日本は、少子化を語る時に、経済、財政、社会(コミュニティ)、人口動態を別々の専門家や個人が各々に狭い話題を語っています。本当は、その全てをまとめて、民衆の現実、今の人口動態に対する現実と照らしてやっと、見えるものです。

フランスなどは移民の出生率がかなり高いですけど、そういう日本から見ると都合の悪いところは消して、当てはめればと思っている。その辺りが、結果的に予算だけを増やして、効果はない、でもそれが止まると不満が出るという状況を生みます。いわゆる、単発でとりあえずやってみよう。でもその先にダメだったらどうするか、その先で一時的に成果が出たらやったー成功だといって、それでプロジェクトは終われば何もしないから萎む。それがこれまでの日本であり、この発想になる。

もし、フランスとか諸外国と同じ手を取るなら、移民を受け入れている国ならそういう施策をとりながら、ずっとブラッシュアップし続ける必要があります。
経済成長が著しくて子供が増えているなら、そこまで成長するような政策をとるしかない。
社会経済姿勢や、国際投資による福祉国家で人口が安定しているなら、社会転換そのものを行って福祉を充実させなければいけません。
コミュニティーが高次化して子供を近所で見守ってくれるとか、育てやすい社会になっているなら、そこに手を入れないといけません。

どこかの国で、金銭面で成果を残していそうな出来そうなことだけをして、仮に一時的な成功があったとして、それに喜んでいたら、結局、その効果が消えた後に国民はもっと畏縮するでしょう。効果が無いじゃ無いか、もうダメじゃないかと思われるわけです。

当該の記事で言えば、日本の場合MMTを取って、社会人口が増え続けるならやって見る価値はあるでしょうけど。今の人口動態と子供の養育に掛かる費用を考えると、最初喜んで産んだ人が、必ず不満を抱くようになるはずで、それが見えると厳しくなるでしょう。

昭和の時代に子供が増えたのは、経済成長があったのもそうですけど、実は子供1人当たりの養育費が安かったのも背景にあるのですよ。今は高度経済によってその殆どはビジネスになっていますから、塾通い、携帯費用、衣食住、医療衛生コストなどが諸々乗ってくるので……。よほど所得が低い人が、高所得に切り替わらないと、子供を養育する費用が子供の年齢が上がるほど莫大重しになります。産まれた時の1000万なんて子供を18年~22年養育することと、日本の物価上昇目標を考えると、大したことがないのです。それが見えるから、多少のお金を貯めようと遅らせる人もいる。

そして、それは都会ほどコストが高くなる。都市一極集中が進むほど晩婚化が進み子供の数は減っていく。
じゃあ、田舎ならと考えると、田舎はコミュニティーが脆弱化しているので、それはそれで定着しないという問題がある。

短時間だけの手段としてなら効果はあるかもしれませんが、全体で纏まったロードマップを作らないとダメと言うことです。はっきりいえば、少子化担当相とか作って、それが少子化しないようにと語っている段階でダメなのかも知れない。少子化の原因は、少子化という現象にあるのではなく、社会全体から生まれている歪みであり閉塞です。その役割視点を少子に向けて狭く見てしまうとそのためだけの施策になり、目先のお金に向いています。本当は、担当相は、全ての省庁を回って、少子化に繋がっている要件を、炙り出しそれを長期的な視点での改善案として各省庁の施策に盛り込むように求めることから、始まるはずなのです。

上手く行っている国は、目先の対策も民衆(社会)のために示すでしょうけど、実際には少子化に関心がある議員や官庁の人間はそういう多角的な問題点部分の洗い出しと、提言をしっかり行って基盤を整えていることが多いのです。日本は、少子化の今を自分に見える(が見たい)範囲で語っており、そこに対する短期的危機感と、他国を例に出したり、自分の選挙のためのような金の出し方を提言するだけです。
だから、子育てで本当に困っている人の言葉は届かない。届いていても、金だしゃ良いんだろになる。産まなければ、税上げるぞになる。

端的に言えば、産んだら報奨金が出るんだから、そして、子育て支援に金出しているんだからもっと産めよ。何が不満なんだと……。

でも、実際はそう思う人が多いほど、日本は理想の子育て環境を失っていくでしょう。

何故なら、子供が健やかに育つのは、たいていの場合は心だったり、愛だったり、ふれ合いだったり、家族だったり、社会というコミュニティーといったものですから、本当に子供が増える社会を望むなら、実は物やお金がない国の方が出生数や率は高かったりすることも、これに関係している。(これは、労働力という視点と、娯楽が少ないという視点、その日暮らしの自営業者や営農/小作農者、日雇いなどが多く家族生活が密などいろいろ理由があります。)

「金」(money)で愛の結晶が増えるのは、動物園の生き物や家畜のように使うなら、確かに金である程度出来るでしょうけど、そこに愛や幸せな生活があるのか……未来の成長はあるのか……そこまで考えないと、子は増えないのではないでしょうか?

この記事へのコメント

k
2020年02月13日 02:49
少子化の要因は未婚率の上昇と第三子以降の現象なので、第三子以降に1000万なら財源を抑えられるのでは?

また、配る以外にも子供を作らなければお金を取るという独身税のような発想も合わされば、出生率が回復するかもしれない。

諸外国を見ても、効果がある対策を導入すれば数年で目に見えて変化します。

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