札幌ガス爆発事件-未施工問題も発覚……不正列島日本はいつまで続くのか?

朝日新聞社の記事であるが、他紙も書いているものだ。日曜日に起きた札幌での爆発事件は、もう事故とは言い難いものになった。どうも、本来保管してあるはずの消臭スプレーの数は40本程度だが、120本超過し160本保管していたという。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13817775.html?iref=pc_ss_date
https://www.asahi.com/articles/ASLDL6T8SLDLIIPE029.html?iref=comtop_8_01

では、何故120本超過したのかというと、本来なら客が入居する前に、消臭スプレーの施工を行うはずが、未施工で入居させていたケースが少なくとも120件近くあった可能性が出てきたようだ。
近いうちに、この倒壊した店舗は、店の改装を予定していたのだが、この未施工が発覚しないようにするために、証拠隠滅を図った可能性が出てきたという。

最近国内でよくある偽装問題、基準違反問題である。

ちなみに、賃貸住宅管理販売ではレオパレス21が今年、テレ東の取材中に図面と異なる施工をした建築基準法に違反する行為をした疑いが持たれた話があった。
https://www.sankeibiz.jp/compliance/news/180601/cpb1806010700001-n1.htm

また、アプリで投資を集める賃貸経営で成長していたTATERUが融資資料改ざんという事件や、その融資不正の始まりとなったかぼちゃの馬車が破綻したニュースもあった。尚、不正を率先していたスルガ銀行は破綻していないが、信用を既に失っているので、先は厳しいだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35717200V20C18A9000000/
https://toyokeizai.net/articles/-/238978


この数年、ある業界で不正が発覚すると、タケノコのように同じ業界から不正が相次いで発覚するようになったが、これは、昔の社畜精神が剥がれてきたからだろう。それと同時に、労働者の数が不足し始めている割に、賃金は思った程上がらず一人に掛かる負担が増したことで、会社に対する不満も増えているのかも知れない。

少なくとも大抵のケースでは、今になって不正を始めた訳では無いのは間違いない。


<リーダーの質も低下中>

今回のアパマンの件は、ある意味、悪いことを隠していれば、信用を悪い形で失うという教訓になる一方で、店を任せている管理労働者の器もまた最近はザルだということが見て取れる。結局人口減少の悪い部分が出はじめているのだろう。

普通、店内で火気厳禁のスプレー剤を大量噴霧しないし、何より全噴霧型の除菌消臭剤を人がいる場所で、充満するほど噴霧すれば発がん性などが生じるものがあることは知られている。特に次亜塩素酸ナトリウムなど塩素系の除菌剤は高濃度吸引(通常噴霧では格段の影響はないとされる)をすると発がん性が疑われる。


メディアでは既に可燃性ガスの問題は十分に報道されており、それは製品の表面にも書かれているが、除菌や消臭を行う薬剤には、酸化作用(臭気物質や汚れにくっついてその効果を取り除くもの)物質がある程度含まれている。そういう製品の安全な使い方も考えない人が、よく商品を販売する店舗責任者のトップに据えられているものだと思ってしまう。

まあ、今では、学歴は高いが、そういう説明書や規則を読んで理解が出来ない人間は、本社のある程度上の辺りにもいるはずで、その結果ある程度出来る常識のある人は、上を目指さなくなりつつある。管理職になるより、下で働いた方が、比較的自由に動ける上に、ある程度はやり甲斐を維持できると思っている人も多い。

その結果、あまりそういう難しい部分を考えない人が、上に立つことも増える。ここに人の不足が作用し、監査や管理がその問題のある人物に向かない状況が続くと、こういう事件が起きるのだろう。発覚しないよりはマシだが、発覚の仕方が人が傷ついてからでは、遅すぎる。少なくともある程度全国に名の知れたチェーンぐらいは、監査をちゃんと出来る体制を整えておくべきだろう。


これは、やはりまだ始まりに過ぎないだろう。来年は消費税アップも控え、庶民の不満は増していくだろうし、システムがそれや、改元に伴い変わる事でいろいろと混乱も出てくる。労働者は未だに減少傾向にある訳で、外国人の受け入れも増す。即ち、表向きスポーツニュースなどで毎日メディアは沸かせているが、多くの人には、それが他の問題をただ逸らそうとしているだけにしか見えない訳だ。この状況では、今後も見つけた不正は片っ端から人々が出してくるだろうし、悪事に手を染めるより、悪事を暴く側に向かなければ、下手をすれば自分が世間から爪弾きにされる。そんな時代に入っているのだ。

今年は、振り袖問題から始まり、自動車審査不正、耐震偽装、住宅偽装、スポーツ関連の不正審判など昨年より多かったが、来年再来年はもっと増えているだろう。

まあ、良いニュースも結構あるのだが、日本で最近良いニュースと言えば、たいていがスポーツネタやアニマルネタで、CNNがやるような人の善意に関する軽いニュースを僅かに放送するケースは減り、スーパーボランティアみたいに、一人を各局が追い回すニュース(長く同じニュースをやること)が増えているから、あまり心は温まらない。

こういうニュース体系が終わらない限り、もしかするとこういう不正問題は続くのかも知れない。メディアが重大だと決めたニュースを永遠何週間もやり、今起きているニュースの件数が減っていくと、本当に自分の視野が狭まる恐れがあるので、嫌になる。



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