SHARPのフラッグシップスマホAQUOS zero登場……冷静に見ると。

SHARPがIFAなどに出品していた有機EL搭載の新型スマホを発表した。液晶のサイズは6.2インチで、フロントの全面が液晶になる。横幅はSonyのXPERIA XZ1(5.2インチ)と同じで1インチアップしているのは16:9ではないトールディスプレイを採用しており、18.7:9(凡そ19:9)というディスプレイだからである。

最近のスマホディスプレイトレンドはこういうトールディスプレイである。
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/181003-b.html

あとは軽くて、高性能である。

<足りない部分をラインナップで埋めるSHARP>

SHARPの凄い点は、ソニーの製品とは違い足りないものをちょっとずつ埋めていく手法にある。具体的に言えば、遂に念願のステレオスピーカーをこのスマホには搭載した。

一方でヘッドホン端子はUSB Type-C変換となり廃止された。また、ディスプレイ画面側もラウンドフォルムを採用したアークデザインタイプとなり、もっこり緩やかに膨らんでいる。なかなか、挑戦的な形となった。

たぶん、ハイエンドが好きな人はちょっと興味をそそられるデザインかも知れない。
一方で、二眼カメラは採用していないため、カメラ重視のユーザーは、AQUOS R2の方が良いかも知れない。

即ち、AQUOS R2で足りない部分を埋めた一方で、AQUOS R2にはあってこちらにはない強みもある。



<メモリー6GBと128GBストレージが評価される>

尚、今回の製品ではメモリー容量が6GBとなったため、それで歓喜している人も多いと思われる。
性能面では、ソニーを上回る可能性が高いだろう。

また、ストレージ容量も128GBへと拡張された。


他にも軽いというのはかなりの強みだろう。これは、ソニーとは正反対で素晴らしいと思う。まあ、ソニーの場合は内蔵スピーカーとか、バイブレーション機能などに結構工夫を加えているので、その分重たいようだが。

あとは、カメラのセンサーサイズなどがどうなっているかだが、画素数が22MPixelと高いので、低照度撮影のノイズは相変わらず高そうだ。SHARPは1眼タイプのiPhoneのカメラと比べてもちょっと画質が劣るので、今回大幅に画質が向上しているということもないだろう。困るほど画質が悪いわけではないので、カメラに興味がなければ気にしなくても良いレベルだが。


このように見ていくとゲーマーや動画を見るような用途なら、良いかも知れない。

一方で、ヘッドホン端子がUSB Type-Cの変換になったり、今の市場の流れとは言えちょっとオーディオを重視する人にはマイナスポイントかもしれない。また、カメラ機能に拘ると選びにくい機種だろう。
この辺りはR2(もカメラは決して強くない)と比較して検討した方がよいだろう。

それからもう一点気になるのが、ディスプレイがもっこりしているというのが、本当に評価されるかどうかである。
Galaxy Edgeは操作性という点もあったので別だが、ディスプレイ湾曲は、屋外での映り込みなどに影響を与える可能性もある。また、落とせば割れるリスクが高まるなど、ちょっとそういう部分で気になるところだ。

富士通などは、ディスプレイを敢えてエッジの枠より内側にすることで、落としても地面に画面が触れる確率を落とすといった工夫をしているが、この手の高級スマホはこういうところには無頓着でデザインを進めて行くのが気になるところだ。

たぶん、メモリーとかそういうところで、SHARPは凄いと思う人も多いのだろうが、やっていることはソニーとあまり変わりないような気もする。むしろ、SHARPを凄いと思うなら、XPERIA XZ3がメモリー6GBで128GBストレージならそっちの方が良いような気もするが……

ディスプレイ側がもっこりはちょっと私の中では落として割ってしまうリスクが高すぎて選べない。大きな傷で無くても筐体に傷が付くより液晶に傷が付く方がショックが大きい。まあ、これが気に入った人は、フィルムやケースが必須だと思った方が良いかも知れない。









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