Huaweiの「P20 Pro」など、ベンチマーク時ブーストが発覚

先週末にこのニュースが流れた訳だが、Kirin 970などの数字はどう考えてもおかしかったため、自然に納得出来た。果たして、3DMarkだけの話なのかどうかも気になるところだが、これでKirin 980の発表データもオーバークロックモードだったのだろうと考えることが出来そうだ。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1142089.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1809/10/news060.html


<何年かに一度は発覚するベンチマーク不正でも分かり易い部類>

PCでは昔からベンチマークのみに最適化するというのは、頻繁に行われてきた。AMDやnVIDIA系のメーカーが関与したこともある程度には……。だから、これは定期的に起きる新興企業の発作のようなものだと思えば良いのだろう。

ただ今回の場合は、Maliの実質性能が既に他のデータで公開されているのに、HUAWEIのGPUはそれより高いパフォーマンスを発揮していたこともあり、比較的分かり易い不正だったといえる。

まあ、この代償はそれなりに高く付くかもしれない。何せ、このところHUAWEIに対する風当たりは、再び強くなっているからだ。こんな手段で売らなくてもKirinはそれなりに売れていたというのに……。

今回の件で、
中国市場は別としても、欧米や日本での売上げには影響する可能性が高い。大きな代償となるはずだ。


<ブーストモードとして実装するらしいが……>


尚、このブースト機能は今後既存のモデルにもブーストモードとして標準搭載するそうだが、それが評価されるかどうかは微妙だ。ブーストモードやパフォーマンスモードは確かに、性能を標準から引き上げるため、魅力的に見えるのだが、これが電話機として持ち歩くデバイスだと考えると、魅力はさほどない。

何故なら、ブーストは標準に比べて数段消費電力と発熱が大きくなることが多いからだ。クロックアップは定格以下で動くときが最も、電力パフォーマンスが良くなるものだ。TDP枠もそれに合わせて設計しているからだ。もし、それ以上で効率的に出来るなら、製造業者はそもそも定格をわざわざ下げるような真似はしない。

だから、それだけの性能を求める人から見れば、ブーストモードで実装されても、定常で使えないモードなどあってないようなものとなる。下手をすれば、廃熱が間に合わなくなり、途中で息切れしてしまい性能が定格より低下し、温度が下がって再び定格以上にというジェットコースターのような振れ幅になる恐れもある。

リアルタイムゲームなどで使われることが多いスマホのGPUに対して、そういう振れ幅が大きくなる減少は御法度である。下手をすれば、評判をさらに落とすことにもなりかねない。


<Kirin 980も同じならブランド価値は低下>

これで、Kirin 980でも同じことをやっているならば、ブランド価値は大きく落ち込むだろう。いくら3カメラのP20 Proのような製品を出していても、スペックの誠実さを失うと、企業としては厳しいからだ。それでも、5G関連の基幹機材調達では、欧州、北米などの一部の地域では排除される方針が決まっている状況だ。

これを理由に、他にも調達を止める話が出てくる可能性は大いにある。
まあ、一方でP20 Proなどは今後さらにお安くなる可能性もある。欲しい人から見れば良いのかも知れない。

ただ、カメラ機能も当初一部で熱狂されたほど、何でも素晴らしく撮れるものではないという話は、徐々に見られるようになりつつある。そのため、販売面で過剰ブーストした分の下振れという流れもあり得る。

即ちこれまでいけいけムードだったHUAWEIが簡単には成長できないルートに再び一歩退いたことになる。
ここから、どう挽回するのか?世界2位のメーカーなので潰れることはないが、ここで上手く出来なければ、多分徐々に地位を落とすだろう。

一方で、ここで上手く世間の評判を再び味方に付けることが出来れば、近い将来No1ブランドになっているかもしれない。











この記事へのコメント

毎度ピレスロイド中毒の妄想
2018年09月13日 07:41
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